【虐待児の特徴】
・何日も服を替えてこない。
・ふろにきちんと入っていない。
・落ち着かなくて、気分のむらが激しい。
・だれかれ構わずべとべと抱きつくが、ちょっと注意すると切れて大暴れをする。
・暴れた後や、しかられた後、ぼおっとしてしまう。
・感情のこもっていない人形のような目で人を見つめる。
・弱い者いじめを繰り返す。
・給食をがつがつ食べるがちっとも太らない」。
子ども虐待の影響はなぜ第四の発達障害と呼ばれるのでしょう。
「杉山登志郎医師著 凍りついた瞳」からの抜粋です。
子ども虐待の影響は、幼児期には反応性愛着障害として現れ、次いで小学生になると多動性の行動障害が目立つようになり、徐々に思春期に向けて解離や外傷後ストレス障害が明確になり、その一部は非行に推移していくのである。
第一の発達障害は精神遅滞、肢体不自由などの古典的発達障害、第二は自閉症や高機能広汎性発達障害、第三は注意欠陥多動性障害(ADHD)と学習障害(LD)、そして第四が子ども虐待です。
虐待児と発達障害児が似ている主な理由は、虐待児が抱える反応性愛着障害という病態が、発達障害と似ているからです。
生後5歳未満までに愛着が育まれないと、心身にさまざまな影響が生じます。高機能広汎性発達障害に似ている抑制型愛着障害と、ADHDに似ている脱抑制型愛着障害です。
【愛着障害とADHDを見分ける方法】
■特徴
愛着障害:不注意優勢型が多い(解離があるため)
ADHD :混合型が多い
■多動の生じ方
愛着障害:ムラがある。夕方からハイテンションになる
ADHD :比較的一日中多動
■対人関係
愛着障害:逆説的で複雑
ADHD :単純で素直
■非行への移行
愛着障害:非常に多い
ADHD :比較的少ない
■解離
愛着障害:注意してみれば非常に多い。たとえば「切れる」など
ADHD :見られない
■器用さ
愛着障害:不器用
ADHD :不器用
■時間管理
愛着障害:スケジュールを立てられない
ADHD :スケジュールを立てられない
■整理整頓
愛着障害:極めて苦手
ADHD :極めて苦手
■けんか
愛着障害:とても多い
ADHD :とても多い
子ども虐待の治療は解離性障害の治療と言ってもよいほど、両者は密接に絡み合っている。
解離とは、トラウマの影響によって、記憶や体験がバラバラになる現象です。
ある期間の記憶を失ったり、日によって能力がコロコロ変わったり、生きている心地がしなかったり、さまざまな症状があります。
たとえば…
●ぼーっとする
怒られたときなど、急にあくびを始め、意識がもうろうとする。理不尽な暴力を経験をしても、幽体離脱のように意識を切り離すことで守る。
●スイッチング
多重人格ほどにはなっていない部分人格に切り替わる。たとえば「切れる」現象。被虐待児は暴れたあとに、そのことを覚えていない。虐待する親の側も、この問題をもっていることがある。
●リストカット
現実感がない離人症が背景にある。
あいち小児センターの取り組みでは、根底にある愛着が歪んでいるため、「愛情をもって接すれば子どもの心がいやされるという単直なものではない」と書かれています。
心理教育によって自己コントロール能力や自尊心を身につけさせ、心理療法でトラウマの解決を図ることも挙げられています。
昔問題になりましたが、戸塚ヨットスクールで海でヨットの特訓により自己コントロール能力や自尊心、そして仲間との人間関係を取り戻すことで、回復した子供も多くいました。
この第四の発達障害を克服せずに、親になると子供に同じことをしてしまい、またその子が第四の発達障害になってしまいます。
最近TVで親が自分の子を虐待してしまうニュースが度々ありますが、その親も第四の発達障害を持っているのでしょう。
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