タイにおける新型コロナウイルス(COVID-19)の現状と対策について

公開日 : 2020年02月29日
最終更新 :
筆者 : Taeko

皆さま、サワディーカー。

タイ・バンコクにおいて、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者が出て、連日、大きな話題になっています。今日は、新型コロナウイルスに関する現在のタイ・バンコクにおける状況について書きます。現在、中国側からの要請を受けて、タイから中国本土への渡航は2020年3月末まで避けるよう勧告が出されていますが、タイにおける新型コロナウイルスへの対策はそれだけにとどまりません。

●【日本からタイへの旅行をお考えの方へ】日本からタイへ入国できるか、各種イベントに参加できるかについて

一部報道で、現在、感染者のいる日本からの渡航者ら(日本人を含む)に対して、入国制限措置および入国後の行動制限措置をとっているという情報はありますが、タイ保健省(กระทรวงสาธารณสุข)・疾病管理局 (กรมควบคุมโรค)のサイト(タイ語: https://ddc.moph.go.th/viralpneumonia/ 英語: https://ddc.moph.go.th/viralpneumonia/eng/index.php )を見る限り、現在のところ、日本からの渡航者を隔離する政策ではなく、あくまで協力を要請する内容となっています。

ただし、入国時および帰宅後14日以内に、37.5度以上の発熱および呼吸器系に症状がみられる場合は、速やかに病院で受診するよう求められており、発覚時、実際に、どのような措置がなされるか明らかではありません。熱がなければ、滞在先へ行けますが、14日間は体調を注視することが求められています。

また、新型コロナウイルス感染地域への渡航歴がある方は、タイに帰国してから14日間イベントなどへの参加および来店を自粛するよう求めるところも出てきており、タイ旅行をお考えの方は、事前に訪問先などへ確認したほうがよさそうです。特に、教育機関では厳しい対応が講じられている印象です。

なお、日本からタイへの入国をお考えの方には、外務省の海外安全ホームページ( https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/pdfhistory_world.html )を確認するよう注意勧告がなされています。日本語情報を抜粋すると、2020年2月28日時点、「感染地域との間を出入国する者に対し、14日間の自宅やホテルなどでの自己観察および外出時のマスク着用などを要請。また、入国時に発熱などが確認された場合には帰国を勧告。同勧告に従わず、入国をする場合は、医療機関での14日間の隔離措置。中国や、香港、韓国、シンガポール、台湾および日本といった地域からタイに帰国した学生および教員に対し、14日間、教育機関への通学および通勤を停止し、自己観察することを要請」となっています。実際にはマレーシアや、ベトナム、イラン、イタリアも感染地域として、対象に含めている機関も出てきているほどです。

状況は随時変化していますので、日本語での最新情報は、以下でご確認ください。

・駐日タイ大使館ホームページ(東京) http://site.thaiembassy.jp/jp/

・在タイ日本国大使館ホームページ https://www.th.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

●新型コロナウイルスに対する、タイ・バンコクにおける病院の対応

なお、私がもっともよく利用しているタイ・バンコクにあるサミティベート病院において、新型コロナウイルスに関するQ&Aページ(日本語)(こちら)があり、タイ・バンコクで、感染が疑われる場合など、どのようにしたらよいかまとめられていて参考になったのでリンクしておきます。受診する際には、事前に相談したほうがよさそうです。

●新型コロナウイルスとは~自分にできる予防をきちんとしよう!

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新型コロナウイルスに関しては、全世界に向けて発信している世界保健機関(World Heath Organization、略記:WHO)のサイト( https://www.who.int/ )、なかでも、Q&Aのページ(https://www.who.int/news-room/q-a-detail/q-a-coronaviruses)の内容が充実しています。読みやすいので、英語が苦にならない方は、参考にされるといいと思います。

現在、新型コロナウイルスに関するさまざまな情報が出回っており、不安を煽る内容や言動が多く見受けられるためか、タイでも一部生活に支障をきたす場面があります。そのため感染国から入国した、または帰国した方に、熱や咳があるだけでも嫌悪感を示す人がいるのも事実です。

確かに、新型コロナウイルスは感染力がたいへん強いことが大きな特徴です。中国本土や船内など、寒くて狭い空間で濃厚感染が起き、適切な治療が間に合わず、多数の死亡者や感染者数が出ています。そして今なお、世界各地で感染者が出てくるたびに報道されています。そのほかの病気についてはほぼ報道がなされないため、どうしても新型コロナウイルスだけがたいへん危険な病気というイメージが強くなりがちです。

もちろん高齢者および高血圧や心臓疾患、糖尿病などの持病を持っている方が、感染すると重症化する可能性があり、また、抗生剤が効かないウイルスによる感染症であったり、未知な部分もあるため、感染しないようにできるだけ予防に努めたいところですが......。数多くの熱や咳のない人の行動までをも規制しようとする策は、個人的にはちょっとやりすぎな気がしてしまいます。1日も早く、事態が収束に向かうことを祈るばかりです。

現在、タイにおいては、PM2.5の大気汚染がひどい日も多く、また、インフルエンザや花粉症で苦しむ地域もある季節。マスクを着用したり、手洗いや清潔な環境を整えることを忘れないようにすることで、新型コロナウイルスの予防にもつながるでしょう。 世界保健機関のサイト内でも新型コロナウイルスへの基本的な予防方法がこちらのページで(英語・イラストつきで)紹介されています。なお、同サイト内のQ&A内では、喫煙、伝統的なハーブ療法、仮面着用、自己判断での抗生物質の服用は、むしろ有害になりえるとのことなので、くれぐれも気をつけましょう。

以上、参考になれば幸いです。では、皆さま、サワディーカー。

筆者

タイ特派員

Taeko

2011年10月から、夫の転勤で、タイのバンコク在住。

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