資産売却なら韓国政府に賠償請求へ 元徴用工問題 
引用 毎日新聞



韓国最高裁が日本企業に元徴用工への賠償を命じた判決を巡り、日本政府は21日、差し押さえられた日本企業の資産が売却された場合、対抗措置とは別に韓国政府に賠償を求める方針を固めた。外務省幹部が明らかにした。日本側は賠償とともに、立法措置などによる判決の無効化も求める方向だ。
国際法分野は専門外ですが。


国家による国家に対する報復措置が適法となる条件については、国連決議によって国家責任条文として法が制定されています。
①「国家機関ないし国家が関与する個人等が主体である(4条1項)」
司法権と言えども国家機関であることは明白。
弁護士や徴用工が国家が関与する個人かどうかは別の話ですが。
②「国際法義務違反の存在(12条)」
日韓で意見が分かれているところですが、そもそも条約によって最終的に紛争を解決する意思が明白であるため、紛争蒸し返しについては義務違反と言えるでしょう。
これらの違反行為に対して報復措置を取ることが可能ですが、その内容に関しても規定があります。
③「賠償の時間的基準は(非継続的行為の場合)行為の完了時(14条1項)」
今回の賠償判決はその場における判断ですので継続的な行為とは言えません。よって非継続的行為ですが、その行為の完了時期というのは判決の履行時期であり企業の損失が確定したときと言えるでしょう。
すなわち、「差押」段階においても「完了」に含めるべきだと考えられます。財産を差し押さえられたら、その効果として財産の利用ができなくなり利益が上げられなくなるからです。
判決そのものは、債務名義を使用する権限を与えられているに過ぎないため、それだけでは完了とはいえないと考えられます。
④「責任国に対する義務と賠償(30条、31条、33条)」
責任国には違法行為を是正し、違法行為によって生じたすべての損害を賠償する責任が生じます。
また、同時に国内法において違法行為を正当化するような国内規定の援用はできないとなっています。ここでいう国内規定というのは法一般だけでなく司法の判決も含まれると解していいでしょう。
このほか、細かな規定があります(賠償の範囲など)が、とりあえず分かりやすい部分を抜粋してみました。


日本の対応としては資産売却をもって賠償請求を行うことになります。
注目すべき点としては「報復措置とは別に」賠償請求を行うという点でしょう。なお報復措置にかんしては49条以下に規定があります。この対抗措置に関しては、種々の制限がありますので、運用には慎重にならざるを得ないでしょう。それが、賠償責任と切り離して請求をするという趣旨ではないかと思われます。



これで漸く、日本の立場が明言されました。
あとは、韓国次第。



宜しければクリックをお願いしますね。

憲法ランキング
にほんブログ村 政治ブログ 憲法へ
にほんブログ村