ようやく授かった子供を流産し、哀しみとともに暮らす中年夫婦のもとに一匹の仔猫が現れた。
モンと名付けられた猫は、飼い主の夫婦や心に闇を抱えた少年に対して、不思議な存在感で寄り添う。
まるで、すべてを見透かしているかのように。そして20年の歳月が過ぎ、モンは最期の日々を迎えていた…。「死」を厳かに受けいれ、命の限り生きる姿に熱いものがこみあげる。
「BOOK」データベースより
主人公は猫だった。
というか、3章に分かれているのだけれど、共通して出てくるのは同じ猫だった。
沼田まほかるという作家さんはきっと強いんだろう。
周り(読者)を気にせず我が道を行く強さを感じる。
この本もそうだった。
2部は読むのをやめようかとさえ思った。
猫の一生を通して、生と死を描いているような小説だった。
やっぱり、今読む作家さんではないかな。
若い人にはきっと、なにがしかの教えを含んでいると思う。
沼田まほかるって、これまで何を読んだんだろう……。
思い出せない。
大阪府の寺に生まれる。1985年4月より大阪文学学校昼間部に学び、在籍中には小説作品(40枚)で大阪文学学校賞も受賞した。
若くして結婚し主婦をするが、堺の母方祖父の跡継ぎを頼まれ、夫がその住職となる。
その後離婚、得度して自身が僧侶となる。
40代半ばで知人と建設コンサルタント会社を創設するが10年ほどで倒産する。
50代で初めて書いた長編『九月が永遠に続けば』で第5回ホラーサスペンス大賞を受賞し、56歳で遅咲きのデビューを果たす。デビュー以降も作品を発表し続けるも書評家には評価されながらヒットにはつながらなかった。
しかし2012年、『ユリゴコロ』で第14回大藪春彦賞を受賞し、本屋大賞にもノミネートされると既存の文庫が一気に売れ出し、『九月が永遠に続けば』の文庫版は半年で60万部が増刷された。
その他、『彼女がその名を知らない鳥たち』、『猫鳴り』、『アミダサマ』の文庫計4冊で発行部数は120万部を超える。
湊かなえや真梨幸子らとともにイヤミス(読んだ後にイヤな後味が残るミステリー)の女王とも呼ばれる。
─Wikipediaより─
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