この記事の続き編です。
今回は上級者向けの内容です。前回の計算では、正規分布を仮定した場合は2年間の最大損失率を計算しましたが、その最大損失率を超える確率は2.5%でした。
ですから、一生に1回か2回程度は2年間の最大損失率を超える損失が起こり得ます。
そこで、その確率を自分でカスタマイズしてみましょう。
条件は前回と同じです。
☞前提条件と実際のカスタマイズ方法編
今回も同じく期待リターンは市場基準ケースとします(リスクプレミアムは変更なしの方で)。
この場合だと国内株式の期待リターンは年4.7%、標準偏差は年25.23%です。
年率4.7%の2年間のリターンは・・・1.047^2-1=9.6209%
2年間の標準偏差は・・・・・・・・・・25.23%x√2=35.68%
エクセルでは以下のように入力しました。
=NORM.INV(0.025,0.096209,0.3568)
ここで赤字の0.025に注目してください。
これは2年間の最大損失率を超えて損失が出る確率になっています。
人によってはもう少し低い方が良いと考える場合があります。
そこでその確率を2.5%⇒1.0%に下げてみましょう。
エクセルでは以下のように入力します。
=NORM.INV(0.01,0.096209,0.3568)
この場合は、2年間の最大損失率を超えて損失が出る確率は1%になります。
一生に1度あるかないかの確率ですね。
アセットアロケーションをする場合は、安全サイドに考えたい場合は、起こり得る確率を小さくしてアセットアロケーションをすれば良い事になります。
では、同じく外国株式についても計算してみましょう。
この場合だと外国株式の期待リターンは年5.8%、標準偏差は年26.78%です。
年率5.8%の2年間のリターンは・・・1.058^2-1=11.9364%
2年間の標準偏差は・・・・・・・・・・26.78%x√2=37.87%
エクセルでは以下のように入力しました。
=NORM.INV(0.025,0.119364,0.3787)
ここで赤字の0.025を0.01にして計算してみましょう。
エクセルでは以下のように入力します。
=NORM.INV(0.01,0.119364,0.3787)
2年間の最大損失率である76.16%を超える確率は1%になります。
ただし、最大損失率を超える確率1%では、2年間の最大損失率が株式では軒並み70%を超えています。
☞アセットアローケーションでは株式の比率はどうなるか?
仮にAさんが2年間の最大損失率30%のポートフォリオを定期預金と外国株式で作る場合を考えたとします。
ここでは、2年間の最大損失率を超える確率が2.5%と1.0%のポートフォリオを実際に作ってみます。
ここでは定期預金の金利は年0.05%で全く変動しないと仮定します。
預金は、銀行が経営破綻しても必ず元本と預金金利が保証される物とします。
預金は、銀行が経営破綻しても必ず元本と預金金利が保証される物とします。
アセットA:まずは2年間の最大損失率を超える確率2.5%のポートフォリオの例です。
アセットAの場合は期待リターンは年2.82%、標準偏差(年率)12.90%
アセットB:今度は2年間の最大損失率を超える確率1.0%のポートフォリオの例です。
アセットBの場合は期待リターンは年2.31%、標準偏差(年率)10.55%
この事例では、2年間の最大損失率が30%ですが、アセットAは2.5%の確率でそれを超える損失が発生し、アセットBは1.0%の確率でそれを超える損失が発生します。
ここで、アセットBは期待リターンが年2.31%とアセットAの2.82%よりも低くなります。
アセットBはアセットAと比べると、2年間の損失が30%を超える確率は低くなりますが、期待リターンも低くなります。
なお、アセットAの標準偏差(年率)12.90%、アセットBの標準偏差(年率)10.55%はあくまでも「外国株式+円定期預金」のポートフォリオの標準偏差(年率)なので、2年間の最大損失率と混同しないように注意しましょう。
今回は2年間で考えましたが、1年間の最大損失率の場合でも考え方は同じです。
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