予言的映画「復活の日」を観る |  ZEPHYR

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ちょっと前に、WOWOWで「復活の日」が放送されたので録画しました。

 

それを先日の夜、奥さんと見始めたところで、娘が帰ってきて息子も……という流れで、結局、家族全員、これを見ることになりました。

 

といっても、息子は最後のほうで離脱しましたが。

(日本沈没とかリアルなカタストロフィものが大の苦手)(笑)

 

もうすぐ88になろうかという母でさえ、最後まで見入っていました。

 

 

「復活の日」

故・小松左京先生の原作を元にしたSF映画ですが、MM88という細菌兵器が事故でばらまかれ、人類はおろか地上の脊椎動物すべてが死滅する……

南極基地を除き。

 

という、まったく今の私たちにはシャレにならない物語です。

 

 

 

 

リマスターされていたので、映像が1980年の作品とは思えぬほどきれいで、驚きました。

若き草刈正雄さん。

オリビア・ハッセーの凜とした美しさ。

脇を固める実力派俳優たちの名演。

ストーリーを理解した上で作詞されたというジャニス・イアンの麗しい声と南極の風景。

 

しかし、なんといっても、現代で視聴しても、まったく色あせないのはその設定とストーリー構成。

 

1980年の映画公開以前に、私は原作を読んでいます。

映画ももちろん劇場で観ています。

(当時はSF小説を大量に読み込んでいた)

 

原作と映画では、細部、設定上異なっている部分もありますが、大筋の部分はなにも変わりません。

 

つまり小松左京先生の原作が、すごいということ。

 

当時、高校生だった私にはすんごい衝撃で。

どすんどすん、ヘヴィー級のボディブローをくらったようなもので(リアルに食らったら一発で悶絶ですが)。

 

小松SFは、本当に骨太で、圧巻のものが多く、その中でもとくに印象に残ったものでした。

「日本沈没」も大ベストセラーになったのですが、それ以上に私には恐ろしい暗喩・警告に満ちたものに思えました。

 

映画は原作にあった、滅び行く人類の葛藤、苦悩、悲哀、懺悔など抜け落ちている部分も多い。

ここに小説の醍醐味があるのですが、まあ、映画にするためには致し方ないとも言えます。

 

それにまあ、ちょっと突っ込みたくなるようなシーンもあります。

(当時にしても施設がチープすぎる)

しかし、CGもない時代に、ものすごく贅沢にお金をかけ、本物の原潜まで使っているという……

 

この映画の設定は1980年代ですが、小説は1964年には完成していた(!)という事実。

私が生まれる、たった2年後ですからね。

 

 

たぶん、現代の技術でリメイクしたら、とんでもないものができるに違いなく、アカデミー賞候補に挙がる可能性だってある……と思う。

 

しかし、この深作欣二監督の1980年のもので、もうすでに完成されているように感じます。

 

良い作品は時代を超越する。

そして……

良き執筆家は、時に予言を行う。

 

しかし、未来は私たち一人一人の手に委ねられている。

 

 

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