おもてなしレシピ~骨付き鶏もも肉のグリル、ギリシャ風 R#094

この料理はぜひ写真のような骨付きのもも肉で作って欲しいと思っています。日本では骨付きの肉はあまり尊重されていないみたいですが、欧米ではハレの日の食事や、パーティなどに骨付きの肉がよく使われます。骨付き肉の方が見栄えがするということもありますが、味も骨付きの方が美味しいのです。骨を付けたままで料理すると、骨からにじみ出るコラーゲンなどを含んだ髄液が肉の味を良くすると言われています。それに、骨を付けたまま調理すると、肉の組織が縮みにくいので、その分本来の柔らかさも保たれるそうです。日本でも骨付きのブロック肉がもっと店頭に並ぶようになって欲しいですね。今日は日本でも比較的手に入れやすい、骨付きの鶏もも肉を使ったギリシャ風のグリルを紹介しましょう。
この料理は、理想を言えば、ギリシャの田舎風に、庭などにしつらえたグリル用のかまどなどで、のんびりと遠火焼きしたいところですが、都会生活ではそれも夢なので、蓋つきのグリルパンを使い、中弱火で時間をかけて蒸し焼きしました(焼き時間25分)。この焼き方だと焼き色が付きにくい代わりに、とてもやわらかくてジューシーな鶏肉を堪能できます。スパイスとハーブのマリネ液に一晩つけておいたので、鶏肉臭さは全く感じられませんでした。召し上がるときは、ぜひ写真のようなギリシャ・ヨーグルトにはちみつを混ぜて、鶏肉にまぶしてください。ギリシャ・ヨーグルトとの相性がいいのにびっくりしますよ。一瞬、エーゲ海の島にでもいるような気分になるかも....

材料:(2人分)
 [主材料]
骨付き鶏もも肉 350~400gぐらいのもの2枚
カラー・ミニ・トマト 100g
きゅうり 半本
ベビー・ポテト 10個ぐらい
ギリシャ・ヨーグルト 好みの量
はちみつ 好みの量

[マリネ液]

_にんにく(大) 4片
_オレガノ(粉) 小匙半
_カイエン・ペッパー 小匙半
_スイート・パプリカ(粉) 大匙1
_粗びき黒こしょう 小匙半
_バジル(生または乾燥) 大匙半
_ローズマリー(葉のみ、生または乾燥) 大匙半
_ローレル(乾燥粉末) 小匙半
_チリ・パウダー 小匙半
_オリーブ・オイル 大匙4
_白ワイン・ビネガー 大匙1
_レモン汁 大匙1
_塩 適量

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作り方


1.マリネ液を準備する。にんにくはみじん切り。バジルとローズマリーは細かいみじん。マリネ液の材料のうち、にんにく、バジル、ローズマリー、ローレルをガラスなどのボウルに合わせる(写真1)。そこへ、塩・こしょう、白ワイン・ビネガー、レモン汁、オリーブ・オイルの順に加え丁寧にかき混ぜる。最後に、オレガノ、カイエン・ペッパー、チリ・パウダー、スイート・パプリカを振り入れ、さらによく攪拌する(写真2)。

2.もも肉の皮のある方に、それぞれ数か所ずつ包丁で切れ目を入れる。大きめのジップ・ロック袋にもも肉を入れ、その上に1.のマリネ液を全部注ぎ入れ、袋の上から手を使って肉を良く揉んで、マリネ液をもも肉全体に行き渡らせる(写真3)。そのまま冷蔵庫に一晩おく。

3.きゅうりは細かい角切り、トマトは縦四半分に切る。ベビー・ポテトは皮をつけたまま、塩を入れた熱湯で茹で、やわらかくしておく。


4.リブ(畝)付きのグリル・パン(蓋があるもの)を熱して、ジップ・ロックから取り出した鶏もも肉をその中に並べる(皮目を下にして)。袋の中に残ったマリネ液すべてを肉に振りかける。最初は強火で皮目を焼く。5分くらい焼いたら、表裏をひっくり返し、蓋をして中火寄りの弱火で、蒸し焼きにする(写真4)。途中で1,2回表裏をひっくり返す(写真5)。


5.料理用温度計を使って肉の一番分厚い部分の中心温度を調べ、65度Cに達したら火を止める(写真6)。それ以上焼き続けると温度が上がって肉が硬くなるので注意。65度より低いと、生焼けの部分があるおそれがあるので、必ず温度計で確かめて。今回の例では65度に達するまで、グリルに25分かかった。火を止めたら蓋をして3分置く。グリル・パンから別の皿に肉を移す。

6.グリル・パンに残ったマリネ液でベビー・ポテトを焼く(写真7)。

7.肉の上にカラー・トマトときゅうりを散らす。ベビー・ポテトを添え、ギリシャ・ヨーグルトにはちみつを加えたものと一緒に食卓へ。
メモ
骨付きの肉は焼くときの温度管理が難しいので、このレシピには料理用温度計は必須。千円以下でも十分機能するものが出回っているので、ぜひ取り揃えたい。このレシピの方法で焼くのが、骨付きのもも肉を最もやわらかく、ジューシーに仕上げる方法だと思う。焼き上がりにもっと焦げ目が欲しいなら、4.が終わった段階で、別のフライパンにバターを溶かし、きつく焦げ目がつくまで両面を強火で焼けばよい。但し、焼き過ぎると肉がパサパサになるので気を付けて。