● 衰退的悟りから、発展的悟りへ。 | たいやき社長、書く。

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ある方が、人間の「使命」というものについて、次のように語っていました。仕事が終わってからのパチンコが楽しみだという人は、それによりパチンコ屋さんの商売が成り立ち、国に税金が入り、この国の福祉を支えているのだから、パチンコが楽しみだという人は、それが、その人の「使命」というものである。

他にも、自動車の中古を買う人は、中古を買うことが「使命」なのである。中古が売れないと、下取りが出来なくなるので、新車が売れなくなるし、中古を買う人がいないと、中古屋さんが成り立たない。したがって、中古しか買えないと嘆くことなどなく、人は誰もが誰かの役に立っているのである。

自分という存在が、ただいまやっていることが、すなわち「使命」なのである。「使命」とは、そのようなものであり、決して立派なものではないのだ。それで楽しく、平穏無事に生きてゆけるのであれば、それこそが、その人の「使命」なのである。

おおよそ以上のような内容でした。まさしく、その通りだとおもいます。これは「使命」というものの本質といえますし、ひとつの悟りといえるでしょう。しかし、これは、今現在の毎日、今現在の人生に疲れてしまって、気休めや、気晴らしをしたい、癒されたいという人向けの教えであり、悟りの段階としては、かなり低いものであるといえます。

要するに、「そのままでよい」「ありのままでよい」ということであり、さしあたり心は癒されるとおもいますが、この発想には、向上心や向学心、克己心というものがありませんので、この現状維持な発想は、遅かれ早かれ、かならず衰退してゆく教えです。確かにひとつの悟りではありますし、これはこれで、必要な教えではありますが〝 衰退的な悟り ″ であるといえるでしょう。

これに対し〝 発展的な悟り ″ というものがあるとおもいます。たとえば、今現在においては、中古車しか買うことができないが、より一段の向上心、向学心、克己心をもって、かならず、新車を買うことができる立場になってみせる。しかも高級車を買うことができる立場になってみせるぞと奮起して、自助努力の精神の炎を燃やすことによって、よりよいものを、より価値のあるものを世の中に、人々に提供しようという「創造的」な人間が、この世にひとり生まれることになります。

このままでいい、ありのままでいいのだという衰退的で、非創造的な悟りよりも、このままではいけない、ありのままの代わり映えのしない、進歩も進化もない自分ではいけない、より新しく、より価値のあるものを創造してゆかねばならないのだという、発展的で創造的な悟りを開いた人間が、ひとりでも多く生まれるほうが、この国も、この世界も発展・繁栄の方向へと隆盛することでしょう。

したがって、やはり「使命」とは高貴で、立派なものであるべきです。自分はかならず、このような光り輝く人物となるのだという、気高く、尊い、理想と志を高く掲げ、その人物像、理想像へと、少しでも近づいてゆくための努力精進こそが「使命」というものです。どうか、易きに流れないでください。衰退的な悟りからは、価値あるものは生まれません。弱き己に打ち克つ強い心をもってください。そして、崇高で高尚な〝 使命感 ″ に目覚めてください。『発展的悟り』を得てください。

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