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(超おススメのファミリー映画)

 

 ヒマでもないのに、「ちょっと笑いたいなあ」と思う時には、Vudo.comに行って、「新作コメディー」というカテゴリーで探して、「観る予定」というカゴに入れておきます。お金を払って観る時には、かなり慎重なオカン。1~2週間そこに置いておいて、それでもやっぱり観たい時だけ、お金を払って観ます。

 

 『Instant Family(2018)』は、3~4週間ここで待機してくれていましたが、ある時、何故だかどうしても観たくなって、予定(カレンダー)にまで入れて、やっと観ました。

 

 どうしていつもより(観る前に)時間がかかったか?

 

 トレイラー(予告編)はとっても面白かったのですが、オカンはプロデューサー兼主人公のMark Wahlbergが好きではないのです。飛びぬけてルックスがいいわけでもないし、役者としてそれほど才能があるわけでもないのに、プロデュースする(かつ主演する)映画はほぼヒットし、いまではこのオッサン、押しも圧されもせぬ大金持ちです。フロリダかハリウッドかのどちらかに(両方かも?)、豪邸を建てて、一時はアメリカの芸能界で大騒ぎでした。

 

 以前、ブログで書きましたが、Mark Wahlbergといえば、『Lovely Bones(2009)』しか(オカンの)印象に残っていない、というか、この映画でのマークの演技は素晴らしかった。サイコキラーにさらわれ、殺され、どこかに捨てられた娘を必死になって探す父親を演じて、表彰状モノでした。

 

 

 

 

 

 10年経った今、今回はコメディーで、観客を笑わせ、ホロっと泣かせてくれます。父親役という役どころは一緒ですが。違うのは、今回は、心に深い傷のある、親に捨てられた子供達を養子にするという、実話に基づいた問題作をコメディに仕上げています。

 

 

 『子作り』には少々遅すぎる中年夫婦が、養子縁組の世話をする団体のウエブサイトを見て、その団体で里親を探し続ける子供達が星の数ほども存在し、その子供達がどういう経緯でそこに辿り着いたのか、ということを知って、二人とも同情の涙を流すところから話は始まります。

 

 次のステップは、その団体のパーティに参加すること。このパーティは、将来の家族を選ぶ「お見合い」のような機能を果たしています。

 

 このお見合いパーティで、目ぼしい子供を見つけても、養子縁組の成立までには、まさに「花も嵐も踏み越えて…」互いの相性やどれだけ辛抱できるか、ということを一緒に住んでみてお互いに探りあいます。

 

 赤ちゃんを養子にするのは簡単だけれども、子供が大きくなるにつれて、「家族」になるのは次第に難しくなっていきます。ティーンエイジャーは特に難しい。小さい子供とは異なり、数年間という長きに渡って薬物中毒の親から虐待を受けていたり、完全に親から見捨てられていたり、産みの親から強姦されていたり、とにかく日本人にとっては考えられないような哀れな環境の中に放って置かれた子供達がいます。

 

 血の繋がりのない夫婦が、そういう(外的・内的問題の多い)子供達を養子に迎えて、本当の意味の家族を作り上げるのに必要な努力は並大抵のものではありません。

 

 この映画の中では、完全に自己破壊した母親(父親は不明)から捨てられた、ティーンエイジャーを筆頭とする3人の子供をマーク演じる夫とその妻を演じるローズ(Rose Byrne)が、団体が主催するサポートグループに支えられつつ、「親」に変身する為の「教育」に身を捧げます。下の二人は、比較的簡単に「落とせ」ますが、ティーンエイジャーはそうはいかない。というのは、下の二人よりも長い間母親と関係していたので、時には正気に戻って娘を愛する瞬間を経験していて、それが忘れられない。ティーンエイジャーから、信用を獲得するだけでも、大変な犠牲を払わなければならない。金銭では解決できないのです。

 

 やっと家族になりかけた時に、産みの母親が刑務所から出てきて、面会を求めてくる。果ては、裁判に持ち込んで、子供を引き取ろうとする。そんなこんなで、毎日が波乱万丈。

 

 コメディーですから、最後はハッピーエンドで終わるのですが、映画の最後に登場するクレジットでは、(人種の壁を乗り越えて)養子縁組を成功させている家族の写真をバックグラウンドで紹介することで締めくくられています。どんどんでてきます。養子になった子供達も、養子にした両親も、どれほどの修羅場をくぐりぬけたことでしょう。それを考えると、涙が止まりません。

 

 「そこまで辿り着けて本当に良かったね。おめでとう!」と褒めてあげたい気持ちになりました。

 

 アメリカでは、どれほどの数の子供達が、「無邪気な子供時代」を過ごせず、キチガイの親に翻弄され、誰からも愛されずに、性格の曲がった大人になっていくのか、果ては、犯罪者になっていくのか、よーくわかりました。

 

 「観てよかったぁ!」と思える映画です!

 

 

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