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(元祖『正義の味方』)

 

 過去2~3日間は、比較的平和でした。昨夜、遂に、自分が間違った国に住んでいることを確信するに至るまでは。

 

 読者の皆さんもご存知のように、オカンは『正義』の人です。ウソがつけないし、倫理的に間違ったことはできない。それだけでも、この国に住むべきじゃないことは分っておりましたが。

 

 火曜日の夜、即ち、期末試験が終わった夜、その日は「働かない日」であったにもかかわらずバイトに行き、遅くに帰ってきた長男を、大喧嘩の挙句、家から叩き出しました。オカンとしては、もう我慢の限界に来ていたし、親不孝者としては、「望むところ」ということで、夜の10時に叩き出したわけです。携帯電話も、『サービス一時停止』状態に。

 

 トラックの鍵と家の鍵を返さないので、翌日誰もいない間に帰ってきてトラックを盗んでいくことは明々白々でしたが、翌日次男はまだ期末試験があって学校に行くし、オカンはお勤めに行かなければいけなかったので、警察に通報はしましたが、大きなことにはならず。その上、人手不足(!?)で、警官が全員表に出ていてうちに調書を取りに来られないという。

 

 電話に出た警官は、「(長男に)戻ってきて欲しくないのだったら『裁判所の手続き』が待っているから、明日裁判所に電話しな。」なんて。そうだよな、長男はまだ未成年だから、法的には叩き出せないのであった。問答無用。

 

 それで、翌日その警官に教わった裁判所の電話番号に電話をかけると、『間違い電話』。アメリカ人は、こういうヘマをする。

 

 もう一度、警察に電話をかけて、正しい番号を教わったものの、昼休みは時間切れ。

 

 仕事からの帰り道、次男に電話をすると、案の定、「トラックを盗んで行った」とのこと。幸い、シャワーを浴びて、身の回りの物を取って行ったに過ぎませんでした。すぐに警察に捜索願を出そうと電話をすると、「家に着いてから電話をかけ直せ」と言う。警官が調書を取りに来るらしい。

 

 家に到着してから、電話をかけ直して、警官に来てもらう。オカンが次にすることは、「5~10日後に(警察から)正式に調書を取り、それを持って裁判所に行って、『これこれの理由で、未成年ながら長男を家から叩き出さねばならなかった』と文書で説明し、裁判所からの判決を待つ(このまま『追い出した』状態にしておいても法に触れない)」だそうです。

 

 トラックを盗んで行った訳ですから、重罪(Felony)です。でも、長男は未成年なので、ヤツがやったことは『窃盗(Theft)』ではなく、『横領(Embezzlement)』というのだそうです。

 

 木曜の夜には、アルバカーキ・アカデミーに、『退学届』を送りました。

 

 『ショック』で震えが止まりませんでしたが、やるだけの事はやったので、結構スッキリして、次男と2人、長男抜きで生活をやり直そうと話していたところ、柔道の先生から電話。先生からの『忠告』を一言で言うと、「オカンのやり方(長男に対する処罰)は、完全に法に触れる。手が後ろに回る。この国では『正義(Justice)』は通用しない!」ということでした。

 

 オカン、絶句。その後、逆上。

 

 先生の話をよく聞くと、「アホ親父(法的にオカンの夫)が、警察に電話して捜索願と民事事件の証拠となる調書を破棄させた」というのです。携帯電話も勝手に再接続させている!オカン、更に逆上。又もや、アホ親父は、オカンの苦労を水の泡にする気だ!

 

 先生は続けて、「これからは、アホ親父と喋る時には、絶対に怒鳴ってはいけない。テキストでも、罵倒すると、それが全部証拠として、裁判所では、オカンの不利になる」と言う。

 

 オカン、訳が分らない。これは、離婚裁判ではないのに…。

 

 「『正義(Justice)』ではない長男とアホ親父の『証言』次第では、オカンの手が後ろに回る(刑務所送り)可能性が高い」と言われて、理解が鈍いオカンでもやっと分ってきたのが、『こいつら』の存在―。

 

 

 

 

(『子供虐待防止警察』!!!)

 

 警察に刑事事件で逮捕される可能性は超低いオカンも、『正義(Justice)』を理由に未成年の長男を家から追い出すと、ほぼ確実に、刑務所送りになる(民事法で裁かれる)!!

 

 だから、「長男の誕生日まで待て!」と先生は言う。オカンのやったこと(未成年を家から追い出す)や、アホ親父を(長男のことで)怒鳴り散らしたことは、裁判所の目には、オカンの『虐待』の事実を裏付けることになるんだとか。

 

 CYFDによると、「17歳まで(問題になるのはほぼ間違いなく15~17歳)は、親に向かって何を言っても良い」のだそうで。全て、「ティーンエイジャー(馬鹿者)だから何を言っても勘弁してやれ」ということになるそうです。一旦、ティーンエイジャーが手を出したら話は別ですが。『口害』に耐えなければならないのが『親の務め』だなんて、納得ができますか?

 

 しかし、この場合、『納得ができるかどうか』は問題ではないのです。オカンも含め、誰であれ、『子供を虐待した』との証拠が出たら、後ろに手が回るのです。こんな国なんです、アメリカ合衆国というところは。『正義(Justice)』が存在しない。親による『児童虐待』の件数が余りにも多いので、『証拠の数』が人を簡単に『有罪判決』に導く。法廷では、『正義(Justice)』は一切考慮されないなんて。裁判所の法廷とは、何(誰)が『正義(Justice)』かを決める場所じゃないの?

 

 オカンが何を言おうと、こいつらには勝てない↓

 

 

 こういうことで、数日間の平和が、あと数ヶ月の『塗炭の苦しみ』に変わる可能性が高くなりつつある状況です…。

 

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