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中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

大映宣伝部 (69) 京マチ子さん追悼

2019年05月20日 | 日記

    バルト3国~ポーランド旅行から昨日戻りました。旅行記は今後何回かに分けてアップし
    たいと思っていますが、旅行中に京マチ子さんの訃報が入り愕然としました。悲しいという
    気持ちを通りこして涙が溢れた旅でもあった次第です。
    本日は2015年に私のブログにアップしたものを再アップさせていただき、私からの追悼
    の気持ちを現わせていただきます。文中にある彼女の結婚話は全く誤報でしたが、これも
    最後まで彼女に幸せであって欲しいと願った一人としてお許しいただきたいと思います。
                                                       合掌

    どの世界でも先輩後輩の境界みたいなものがあります。私は仕事で撮影所に良く行って
    いたので、撮影所の皆さんには半ば仲間扱いにされていたこともあり、とても有難いと思っ
    ています。そんな情況ですから長谷川一夫先生や京マチ子さんは大々先輩で、畏れ多くて
    中々近づけなかった思いが今でも残っていて、このブログでは最終回にお二人の事を書く
    つもりでした。

    去年で終わるつもりだった大映宣伝部・番外編でしたが、脇役の方々をもう少し取り上げて
    欲しいの要望があり、もう少し書こうと思い直して延長戦に入らせていただきます。そうなる
    と京さんをアップしないのは、却って失礼になるような気がして、新年第一弾としてアップさ
    せていただいた次第です。

    実は私が高校生の時にOSK(大阪松竹歌劇団)で人気娘役として活躍していた京さんのお
    芝居と洋舞を観たことがあります。素敵な舞台でいっぺんに京さんのファンになった私です
    が、その後いろいろあって、まさか同じ大映でご一緒させていただくとは夢にも思いません
    でした。

    京さんは日本人ばなれした肢体の持ち主で、特に面高な顔立ちは、映画「テルマエ・ロマエ」
    で日本人を平たい顔族と言っていましたが、顔の中心部が高くなっている、つまり日本人離
    れした面高な顔つきの女性なのです。同じタイプでいうなら安田道代さんも同じような顔つき
    と言えましょう。

    京さんは昭和24年(1949)に大映に入社、デビュー作は「最後に笑う男」(1949監督・安田公義)
    で、彼女の後輩にあたる若尾文子や山本富士子らとともに大映の看板女優として活躍しまし
    た。「雨月物語」「羅生門」「地獄門」など、主演作が海外賞を次々に獲得、「八月十五夜の茶
    屋」ではハリウッド進出も果たしています。
    京さんが出演した作品は、大映入社前に松竹で撮った2本、大映在籍中に東宝などで撮った
    作品や大映後に撮ったものを含めて約100本ありますが、大映での作品は87本で、舞台やテ
    レビもそれほど多くはなかったし、大映にはじまり大映で終わった大女優と言っても過言では
    ないと思います。

    私が大映九州支社に赴任した時の支社長は、池広一夫監督の父君の利夫氏であり、支社
    長が上京する度に当時はそのお店にしかなかった「ふくやの辛子明太子」を買いに行かされ
    たことが何回かありましたが、京さんの好物で彼女へのお土産でした。また私は撮影所で何
    回か京さんにお会いしています。最初に書いたように中々近づけない私なりのこだわりが会
    ったのですが、ある時外部の人がいなかったせいか、京さんが笑いながらお付きの人に「私
    の鼻毛が出ていない?」と尋ねたのを、私はすぐ横で聞きました。なんか急に京さんが身近
    な人になったような気になったのを思い出します。

    一昨年の大映会で、藤巻潤さんから京さんが結婚してアメリカに住んでいると聞きました。
    藤巻さんも私もまさかの思いで話し合ったのですが、結婚話は正直よく判らないものの、昨
    年日本に戻られ、東京の友人宅に身を寄せられているのは事実です。
    京さんは大正13年(1924)生れですから現在90歳、お気持ちとしてあまり外に出たくないのは
    判りますが、機会がありましたらお元気なあの笑顔に接したいと思うのは、私だけではない
    筈です。

  















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4 コメント

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Unknown (conser1vative)
2019-05-21 11:49:09
(marinneです)けんさんご帰国お疲れ様でした。旅のなかで京マチ子さんの訃報をどのような想いで受け止めていらしたかと思うと心配でした。私は叶順子さんのご出演の映画から入ったので、鍵や黒蜥蜴、女経、細雪etcで何度も共演されていたのを拝見していました。黒蜥蜴のオープニングではダンスを披露なさっていました。私の拝見した映画の15年前から映画にはご出演なさっていて、ダンサーのキャリアを彷彿とするモダンで格好良い娘役の雰囲気でした。羅生門の京マチ子さんは妖艶で本当に美しくて軽やかな動きが新しい感じでした。映画祭でお着物にイヤリングが日本を代表してくださって本当にありがとうございますと思いました。この時ソフィア・ローレンさんとのお写真があったと思います。それから中村鴈治郎さんとのご共演も記憶に残っています。鍵で共演された仲代達也さんは京マチ子さんをずっと尊敬なさっているそうです。
強くて美しい新しい女性像の京マチ子さんは、優しくて本当の意味での芯の強い女性だったのだなあと思いました。
結婚はせずお友達に囲まれた人生も新しい指針に想いました。
京マチ子さん本当にありがとうございました。
Unknown (中島けん)
2019-05-30 22:30:04
conser1vativeさん

また涙が出てきました。
旅行中に連絡を受け、大ショックでした。家内が亡くなったことでの
気持ちを抑えようと思って出かけた旅でしたが、二重のショックに
なってしまいました。
大スターなのに全く普通の人の感覚で人に接してくれた素晴らしい
女優さんでした。

Unknown (わすれな草)
2019-06-02 10:29:34
中島さま

 京マチ子さんがご逝去された 2日後に
ラジオ番組のゲストで中村メイコさんが
思い出話として、京さんがリハーサルを入念にしているところ
メイコさんが、手を抜いてやり過ごしていたら
京さんから ヤンワリ、おっとりとたしなめられたエピソードを
お得意の口まねでなさってました。

タイトル忘れましたが、京さんのお芝居を観劇したとき
掃除機を、どっこいしょ!、、、とかかげ
あーー重い。  と言いながら
ヒップを左右にユサユサとして階段をゆっくり登り
グランプリ女優と言われる方のコミカルな演技に会場が大爆笑でした。

「八月十五夜の茶屋」で 変な日本人を演じたM・ブランドが
京マチ子さんに熱い眼差しを送り続けていたそうですが
清川虹子さん、ご本人のインタビューでも
Mブランドは、清川虹子さんにもそれらしいビームを送っていたとか、、、
    話しがそれてしまいご免なさい。
Unknown (中島けん)
2019-06-04 07:52:12
わすれな草さん

私が自分自身でたしかめ、さらに人からもお聞きして
京さんの素晴らしさを存じ上げてるつもりです。
大女優の死を聞いた時、全身に電気が走りました。

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