世界10か国を対象とした患者と医師らへの調査:ファイザー | 潰瘍性大腸炎 & クローン病&過敏性腸症候群の改善・完治・根治

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潰瘍性大腸炎の裏と表

製薬会社ファイザーは、2017年8月から2018年2月にかけ、中症から重症の潰瘍性大腸炎(UC)の患者を対象に、大規模な電話による調査を行いました。患者らを力づけるため、患者に何が起きているのか、どう感じているのか、医療サイドの考えや、かかわる人たちの意見をきくためです。

 

参加者は、日本を含む世界10か国の18歳以上の患者2100人と、この病気に強くかかわる1254人の消化器科医です。これにより、日々の活動や生きていく上での選択に、短期、あるいは、長期的な影響があることがわかりました。調査では、この病気が引き起こす症状、たとえば、腹痛などは、変えられないということを新しく認識し、受け入れることをアドバイスしています。

 

「潰瘍性大腸炎になると、人生に目標をもつことや、楽しんで生きるということをあきらめなければならない。そんな考え方に、わたしたちは、挑戦しなければなりません。確かに病気は、人生を変えてしまいます。ですが、この病気になる人が増えるにつれて、前へ進めるようにと、医療サイド関係者は、情報を共有したり、目標やチャンスについて話し合うことを検討しています」


ルイサ・アヴェダノ: ヨーロッパ クローン病と潰瘍性大腸炎協会 会長、および、世界潰瘍性大腸炎を語るアドバーサリー委員会メンバー


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 生活への影響
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日々、障害になっていること
67% トイレで過ごす時間が最も長い。
強く感じる24% / そう感じる 43%


44% 自分が病気をコントロールしているのではなく、病気が自分の生活をコントロールしている。
強く感じる22% / そう感じる 22%

・調子が悪い日は、トイレ通いは10回、良い日でも4回。

 

調査でわかったこと
患者サイド:
84% 潰瘍性大腸炎のために精神的な疲れがひどい
強く思う42% / そう思う 43%


30% この病気がこころの健康に影響しているということを消化器医に理解してほしい

 

医療サイド:
51% この病気が及ぼすこころや感情についての影響について、話し合ったことがない。

 

周りの感想
-- この調査によって、患者が、潰瘍性大腸炎が精神的疲労を引き起こしていると打ち明けたのは、とても重要なことです。一方、消化器医がこのことを受け入れたり理解するのは非常に難しい。医師サイドは、患者がどう感じているのか話してくれるよう勇気づけることが必要です。 --
アレッサンドラ・アマヂィ 消化器医 イタリア

 

アイデア
日々、自分がどう感じているのか絵文字やメモを日誌につけて、次の予約の時に、相談できる人に見せましょう。もしも、悲しい日が続くようであれば、こころのケアの専門家を探しましょう。


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パートナーとの関係
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調査でわかったこと
患者サイド
32% セックスやパートナーとの関係に影響がある。これは重要なことだ。


55% 消化器医にそのことを話すのにためらいがある。
強く思う19% / そう思う 36%

 

医療サイド
96% 患者を診察していた時、このことが患者にとって最も重要なトピックのトップ3のひとつだったとはまったく思ってもいなかった。

 

周りの感想
-- パートナーに親密な関係について話すことはとても難しい。気持ちが沈んでいたり、からだの調子が良くなかったりすると、パートナーとの関係に問題が起きがちになります。あなたが今、どんなことを体験しているのかを知っている人がいるということは、潰瘍性大腸炎と向き合ううえでとても重要なことです。潰瘍性大腸炎について、もっとオープンになることが、自分を病気から解放することにつながります。--
ラシード・C 潰瘍性大腸になって10年目 カナダ

 

アイデア
サポート団体の中には、大切なパートナーと話し合うことが難しい時に助けとなる「ガイドブック: どう話しあう?」を版を重ねて出版しているところがあります。また、同じような状況を体験した人から、どう話すかをきいてみるのもよいでしょう。もしも、パートナーとの関係が難しくなっているようならば、医師や看護婦に話してみましょう。なにかアドバイスをもらえるかもしれません。

 

・(調査前期 アメリカのみ対象:301人)
28% 里親になる、子どもをもたない、子どもをもつ、 産まない、出産を遅らせるなど、子どもにかかわる決定を変えなければならなかった。

 

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寛解は、本当に起きているのか?
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65% 今、寛解している。
そう答えた人たちですが、体調が特に悪い日になると、何度もトイレに通っていていました。その回数は、寛解していないと答えた人たちと、あまり変わりませんでした。(本来、寛解中とは、まったく症状がないか、あっても軽度のもの)。

寛解中: 良い日=平均3回 / 悪い日=9回
寛解していない: 良い日=4回 / 悪い日=12回

 

再燃の回数
・(調査前期 アメリカ 対象:198人)
過去12カ月の間に3回以上再燃していた。

 

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 精神的な健康状態
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仕事や学校に行けなかった、イベントに参加できなかった

 

調査でわかったこと
UC患者は、過去12カ月の間に、平均して5回から33回に渡って次のようなことに参加できませんでした。

仕事、学校、集まり、旅行、子どもの習い事やイベントなど。

 

第三者の目から見たこと
--思ったより多くの人が、いろいろな事に参加できなかったことがなかったということに驚きました。元気になるための回復力があるのでしょう。ですが、よく観察すると、もしかすると、周りに迷惑をかけたくなくて、無理しているのではないかと思えるのです。--
アイル・ハート 消化器医 イギリス

 

いざというときのためのアイデア
何かをキャンセルしなければならなくなったときに備えて、周りにそのことを伝えるためのシンプルな表現を準備しておきましょう。こうすれば、説明することなく周りは理解してくれます。どたん場でキャンセルしなければならなくなっても、それは、周りをがっかりさせることにはならないということをわかっておきましょう。つまり、具合が悪くなったら、まず自分のことを考えるということです。

 

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 人生における影響
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調査で分かったこと
68% もしも、この病気になっていなかったら、もっといろいろなことができたと思う。
強く思う=29% / そう思う=39%

 

---「自分にはできないんじゃないか」と考えている人がいるということを知って、胸が痛みました。その人の能力にそぐわない状況や生活に置かれている人がいると感じます。--
アレクサンドラ・セチ 潰瘍性大腸炎専門看護婦 オーストラリア

 

役立つアイデア
病気のせいで会社や学校を休まなければならなくなったときに必要な書類を準備するため、会社や学校の病欠についての規定や、具合が良くないときどのような条件が課せられたり、あるいは利用できるのか、良く知っておきましょう。


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患者と医師の間の会話
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調査から患者と医師の間のコミュニケーションや教育的情報源のギャップが、患者によっては、新しい現実に向き合うことを難かしくさせていることがわかりました。

 

患者サイド:
46% 医者に質問しすぎると、嫌がられて、治療に影響があるのではないかと心配になる。
強く思う=17% / そう思う 28% (日本人だけだったら、99%以上か。アメリカ人、カナダ人だったら20%以下?)

 

医師サイド:
84% 患者擁護団体は、重要だと考える
強く思う=24% / そう思う 24%


しかし、48%の消化器医は、擁護団体のことは、患者の半数以下にしか勧めていなかった。

 

患者サイド:
55%の患者は、患者サポート団体などと連絡をとったり、参加を勧められたり、その情報源に頼ったことがなかった。

 

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 医師に対してすること:
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・目標を持つ
・正直になる
・質問があれば、どんどん聞く
・信頼できる情報源をみつける
・自分をサポートしてくれるネットワークを作る

 

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今回の調査で、患者は、ひとりぼっちではないことがわかりました。調査に参加しなかった他の多くの人たちも、情報やサポートを探しています。患者は、もっと自分たちの立場を説明し、助けや希望をみつけていくことが重要です。

 

参加国:オーストラリア(210)、カナダ(215)、フィンランド(105)、フランス(169)、ドイツ(210)、イタリア(210)、日本(210)、スペイン(214)、イギリス(251)、アメリカ(301)

 

調査に参加した患者は、過去12カ月、医師のもとに通っていました。5-ASAのみを使用している人は、対象外です。中度から重度の患者を対象に調査が行われたのは、サポートを最も必要としていると考えられたからです。

 

 

引用サイト:
UC narrative 英語 日本語 

仔細 英語