2009年から2016年にかけて、イスラエル シバ医療センター(Sheba)で、クローン病(108ケース)と炎症性腸疾患(42ケース)の患者を対象に、レミケードと抗体の関係についての調査研究が実施されました。
対象者は、合計140人。そのうち35人は、点滴注後、6週間たっても、反応がないと診断されました。その35人については、3か月後と1年後に、追跡観察行われました。
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調査研究報告
● 3か月後
・手術 12人
・別の生物学的製剤の使用 7人
・イムラン®、ステロイドの使用 4人
・何も治療を受けなかった 4人
・追跡できず不明 7人
(合計34人。ひとり足りない!)
● 1年後
・手術 13人(ひとり増えた)
・別の生物学的製剤を使用 12人(5人増えた)
薬に反応 6人
薬に無反応 6人
・イムラン®、ステロイドの使用 2人(2人減った)
・何も治療を受けなかった 5人(ひとり増えた)
・追跡できず不明8人 (ひとり増えた)
(治療方法が重なっているためか、合計数は40人)
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【コメント】
・ レミケード®の治療のあと、反応がなかった患者35人の内、3か月以内に12人が手術を受けています。(約3人にひとり) これは、かなりの割合です。日本はこれと比べるとどうなのか??
・ ヒュミラ®は、2002年に初めてアメリカで製造販売の許可が下りています。レミケード®の後に使われる定番の生物学的製剤。。
・ エンタイビオ®は、2014年に製造販売許可が出ています。使用されたのかどうかは不明。
・ レミケード®に効果がないと診断された後、どのぐらい時間がたってから、別の生物学的製剤が使われたのかの記載はありませんでした。
・ レミケード®の効果がなく、1年たった時に、手術を受けたのはひとり。それまで、どの治療を受けてきたのかの記載はなし。
・レミケードの効果がないと診断された後、何も治療を受けずに来た人たちが、1年後、5人いたのは、驚きです。大丈夫だったのでしょうか??
・レミケード®が効かないとわかったあと、3か月たった時点で、35人の内7人の追跡調査ができなくなっています。よその病院に移ってしまったのか?
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注意: 国が違い、医療システムが異なることから、この文献については、あくまでも参考として読みください。
イスラエル シバ医療センター(Sheba)
世界の中では、最新医療施設トップ10のひとつ。医療の実際の実力については不明。
Early drug and anti‐infliximab antibodyレベル for prediction of nonresponse to infliximab therapy
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/apt.14410