アエネアスが起ちあがる、会所から浜一帯を見回す、目線を巡らせる。
初秋の陽光が明るい、建造の場の活性が目に入る、活性を増幅して身に感じる、彼はそこに輝きを感じる、視野にオーラの発現を覚える。
彼は言葉にしない、イリオネスと目を合わせる、アエネアスは『自前の欲目かな』とふと思う。
イリオネスに声をかける。
『おう、イリオネス』
アエネアスは続けようとする言葉を止める。
『オットット、これはいかん!ここは仕事の場だ』場を認識する、言葉を変える。
『軍団長、今月も月半ばに到っている、業務全体の進捗を診て、状況の把握を頼む。仕事に懸命な彼らは、森の中にいる、木を見ているが森が見えていないかもしれない。調整すべきをしてやってほしい』
アエネアスが注意すべき点を指示する。
『解りました。クレタの地は集散所の暦で日々が動いています。私らの暦とは2日のずれがあります。私らの暦のほうが先行しています。対外的な情勢にも気を配って状態を把握します』
『おう、よろしく頼む。彼らは、作業の渦中にあって見落としもする、それを拾ってやってくれ』
『統領の彼らに対する思いやりといったところですな。承知しました』
『なあ~、イリオネス』
『今度はイリオネスですね。はい、何でしょう?』
イリオネスが頭をかしげ、耳を傾ける。
『俺たちのことだが、一歩先を見つめ、時には遠い未来を見つめて歩を進め前へと進んでいく。前が見えることもあれば、前が見えないこともある。前方に見える穴、見えない穴もある。見えない穴に気づかずにその穴に足を踏み入れるかもしれない。少しばかりの注意を怠ったばかりにな』
アエネアスとイリオネスが目を合わせてうなずく。
『少しばかりの注意でその穴を避けて通過したかもしれない。いや、飛び越えたかもしれない。また、歩運びを変えて、穴を避けて通り抜けるかもしれない』
『そうですね』
『脚下照顧しての歩運びは、難を避ける人智の及ぶ範囲である。彼らによろしく道を教え、歩運びを導く。それが俺らの存在であると考えている』
『統領の言われることにうなづけます。その通りです。そのことを怠ることなくやっていきます。とは言うものの、私ら自身も目アキの盲者で道を歩いていくかもしれません』
『その時はどうなる、状況に耐える、一歩の後退、二歩の前進で最悪を避ける、それに徹する。諦めない、停まらない!それが未来へと進む処方だと考えている。抗して停まらずだ。事態に打ち克つまではだ!と考えている』
『解りました。民族を率いて君臨する者の意思であり思考です。肝に銘じて事にあたります』
『ヘタな講釈をしたな。噴飯ものだな!トラは死して皮を残す、俺は死して何を残す何になるかだ?ハッハッハ!』
アエネアスは大声をあげて笑う、イリオネスは、うなずきはするが、笑おうか笑おうまいかと迷う、そのあげく、微笑み返すことにした。
初秋の陽光が明るい、建造の場の活性が目に入る、活性を増幅して身に感じる、彼はそこに輝きを感じる、視野にオーラの発現を覚える。
彼は言葉にしない、イリオネスと目を合わせる、アエネアスは『自前の欲目かな』とふと思う。
イリオネスに声をかける。
『おう、イリオネス』
アエネアスは続けようとする言葉を止める。
『オットット、これはいかん!ここは仕事の場だ』場を認識する、言葉を変える。
『軍団長、今月も月半ばに到っている、業務全体の進捗を診て、状況の把握を頼む。仕事に懸命な彼らは、森の中にいる、木を見ているが森が見えていないかもしれない。調整すべきをしてやってほしい』
アエネアスが注意すべき点を指示する。
『解りました。クレタの地は集散所の暦で日々が動いています。私らの暦とは2日のずれがあります。私らの暦のほうが先行しています。対外的な情勢にも気を配って状態を把握します』
『おう、よろしく頼む。彼らは、作業の渦中にあって見落としもする、それを拾ってやってくれ』
『統領の彼らに対する思いやりといったところですな。承知しました』
『なあ~、イリオネス』
『今度はイリオネスですね。はい、何でしょう?』
イリオネスが頭をかしげ、耳を傾ける。
『俺たちのことだが、一歩先を見つめ、時には遠い未来を見つめて歩を進め前へと進んでいく。前が見えることもあれば、前が見えないこともある。前方に見える穴、見えない穴もある。見えない穴に気づかずにその穴に足を踏み入れるかもしれない。少しばかりの注意を怠ったばかりにな』
アエネアスとイリオネスが目を合わせてうなずく。
『少しばかりの注意でその穴を避けて通過したかもしれない。いや、飛び越えたかもしれない。また、歩運びを変えて、穴を避けて通り抜けるかもしれない』
『そうですね』
『脚下照顧しての歩運びは、難を避ける人智の及ぶ範囲である。彼らによろしく道を教え、歩運びを導く。それが俺らの存在であると考えている』
『統領の言われることにうなづけます。その通りです。そのことを怠ることなくやっていきます。とは言うものの、私ら自身も目アキの盲者で道を歩いていくかもしれません』
『その時はどうなる、状況に耐える、一歩の後退、二歩の前進で最悪を避ける、それに徹する。諦めない、停まらない!それが未来へと進む処方だと考えている。抗して停まらずだ。事態に打ち克つまではだ!と考えている』
『解りました。民族を率いて君臨する者の意思であり思考です。肝に銘じて事にあたります』
『ヘタな講釈をしたな。噴飯ものだな!トラは死して皮を残す、俺は死して何を残す何になるかだ?ハッハッハ!』
アエネアスは大声をあげて笑う、イリオネスは、うなずきはするが、笑おうか笑おうまいかと迷う、そのあげく、微笑み返すことにした。