東福寺の駅を出て、東福寺や泉涌寺に向かう多くの観光客とは反対方向に向かい2、3分のところにあります。

 

創建年代は不詳ですが、平安末期に書かれた「源平盛衰記」には"武鶏ノ社"という記述があることから、この頃には存在したと考えられています。しかし、応仁の乱によって焼失し、吉坂に移って"多景の社"と改称して鎮座していました。1586年(天正14年)10月に、豊臣秀吉が方広寺大仏殿を建立したことに伴って現在地に遷座しています。その後、宝永年間に江戸幕府の命令によって改築され、社号も"多景の社"から現在の"瀧尾神社"に改称しました。

 

瀧尾神社は大丸と深い関係があります。創業者の下村彦右衛門正啓が自宅のあった伏見京町から行商へ行く道中にあった神社に毎朝欠かさず参拝しており、後に大丸が繁栄したことから代々下村家より崇敬されています。1839年(天保10年)から翌年にかけて、下村家が2500両(現在の貨幣価値で約5億円)を奉納し、本殿、拝殿、手水舎、絵馬舎を整備しています。

 

拝殿の天井には、江戸時代後期の彫物師である九山新太郎が製作した全長8mに及ぶ龍の木彫り像が飾られています。彫物師の九山家は当主が代々九山新之丞を名乗り、その一派は祇園祭に登場する大船鉾の龍頭も手がけたとされており、禁門の変で焼失した大船鉾を2016年に再現した際には、現、九山新之丞が船首の龍頭のモデルとして瀧尾神社の龍を参考に用いました。この龍の木彫り像はあまりにも精密に作られていたために、現地住民の間で「夜になると龍が動き出して水を飲みに行く」という噂が立ったため、神社によって逃げ出さないように金網が張られていたことがありました。(現在、金網は撤去されています。)

 

この木彫りの龍がデザインされた御朱印帳がオリジナルの御朱印帳として用意されいます。

 

2018年(平成30年)2月14日拝受

 

縦18cm×横12cm

蛇腹式

表面22ページ

初穂料2000円(御朱印込)

 

瀧尾神社(たきのおじんじゃ)

御祭神:大己貴命(おおなむちのみこと大國主命(おおくにぬしのみこと)

     弁財天(くらいなたまのみこと)

     毘沙門天(あめのこやねのみこと)

御利益:家内安全、八方除、厄除、病気平癒、学業成就、試験合格等

 

摂末社

 金刀比羅宮 (祭神:崇徳天皇)

 瀧尾天満宮(祭神:菅原道真)

 大丸繁栄稲荷 (祭神:稲荷大神)

 愛宕神社 (祭神:愛宕大神)

 妙見宮 (祭神:妙見大明神)

 三嶋神社 (祭神:大山祇命、木之花咲耶姫、瓊々杵尊)

   例年10月には三嶋神社の眷属がウナギとされているため、三嶋神社の祈願所で鰻放生大祭が行われる

 三社

  門出社 (祭神:不明)

  朝日社 (祭神:不明)

  天満宮 (祭神:菅原道真)

 

所在地:京都府京都市東山本町11丁目718
近隣の駅:東福寺駅(JR、京阪)徒歩3分