おおいぬ座のシリウス(マイナス1.5等)に次いで全天で2番目に明るい恒星は、りゅうこつ座のカノープス(マイナス0.7等)です。カノープスの南中高度は東京付近で2度、水戸付近では1.5度となっていて地面すれすれ。東京付近では神奈川県の街の灯りの影響を受けるために見つけることは困難で、南側が水平線となる相模湾や湘南地方の高台、三浦半島、房総半島、伊豆半島まで行かなければなりません。
関東地方で20時頃に南中を迎える2月下旬はカノープスを見る絶好のチャンス。冬の大三角やおおいぬ座が目安となるので、南側に地平線や水平線まで見渡せる地域であれば、双眼鏡を使って見えるチャンスがありそうです。昨夜から西日本中心の冬型となり空気が澄んできたので、今日の夜、食事を終わってから南側が開けている大洗海岸まで出かけてきました。
南中時刻30分前の19時40分に神磯の鳥居近くの駐車場に到着。予想通り鹿島灘方面の光や成田空港?を離発着する飛行機が気になります。双眼鏡を片手に観察を始めて5分ほどすると。。。
赤みががった星を見つけました。一度確認すると、肉眼でもはっきりと認識できます。さすが1等星です。
記念に何とかと思い、持参したコンデジ(しかもオートフォーカス)で強引に撮影を試みます。うーん、たぶん左から3つ目の光の左上にポツンと輝く星だと思います。肉眼ではもっと赤く見えています。
20時を過ぎて南中時刻が近づいてきました。場所を神磯の鳥居まで移動。一瞬見失いましたが双眼鏡で再度確認。かなり場所が西側に動いています。神磯の鳥居の近くからもう1枚撮影。コンデジの写真は露光時間が1~2秒程度。少し倍率を上げたためか、ますます暗くなってしまいました。写真の中央、地平線の少し上にうっすらと写っています。
初めて見たカノープスに大感激です。中国ではカノープスを「南極老人星」と呼び、この星を見ると寿命が延びるという言い伝えがあるそうです・・・
(2/19追記)
2枚目の写真、コントラストや明るさなどを少し編集してみました。
中央部の地平線の上です。