ZOZOTOWN前澤社長がプロ野球球団獲得の意向を示す 球団オーナーの条件と過去事例を振り返る | 巨人ファンのプロ野球ブログ

巨人ファンのプロ野球ブログ

秋田に住む巨人ファン
他球団情報や獲得報道のあった外国人選手の情報、ドラフト情報などに興味あり

2018年7月17日 ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイ前澤友作社長が、自身のTwitter上で「プロ野球球団を持ちたい」という意向を示し、早ければ今オフにもNPB側に提案プランを示す可能性を示唆した

 

このツイートは瞬く間に拡散し、各メディアも相次いで報道し、中村紀洋氏や2004年球界再編問題新規参入を目指した堀江貴文氏なども好意的な反応を示しています

 

様々な意見がある中で、圧倒的多数の意見を占めているのが「千葉ロッテマリーンズの買収による球界への新規参入」です

スタートトゥデイの本社があるのは千葉県幕張市で、2016年11月には千葉マリンスタジアムネーミングライツを購入し、「ZOZOマリンスタジアム」となるなど既に球団とはある程度の関係性があります

 

この報道に関して千葉ロッテマリーンズ側も即座に反応

山室晋也球団社長は、「売る意思はありませんし、今後も売る予定はありません。(本社を含むロッテグループの)総意と考えていただいて間違いない。絶対売却はあり得ない」と球団売却の可能性を否定

また交渉のテーブルにも着く意思もないともコメントしています

 

今回はプロ野球球団のオーナーになるための条件過去の事例などを紹介していきます

 

日本プロフェッショナル野球協約における球団オーナーの条件は様々な条件が存在

日本プロフェッショナル野球協約には球団を保有しオーナーになるための条件が記載されています

規約第6章第27条第28条には以下の記載があります

第27条 (発行済み資本の総額)

この組織に参加する球団は、発行済み資本総額1億円以上日本国の法律に基づく株式会社でなければならない。

第28条

この協約により要求される発行済み資本の総額のうち、日本に国籍を有しないものの持株総計資本総額の49%を超えてはならない

 

前澤氏が社長を務めるスタートトゥディこの条件を2つとも満たしていて、時価総額も1兆円を超えているなどこの条件は満たします

またこれ以外にも「専用球場を保有している」や「参加する前年の11月30日までにオーナー会議での承認を得る」などの条件が存在します

金銭面の高額な条件も存在

また参入への大きな壁となっているのは金銭面です

規約第6章36条細かい規定がありますが、それを要約すると

新規参入及び既存球団を譲り受けた場合は預かり保証金25億円をNPBに納入しなければならない

野球振興協力金として4億円を納入しなければならない

NPBへの加入手数料として1億円を納入しなければない

と合計30億円が参入のために最低限必要な金銭となっています

また既存球団を買収する場合はこれとは別に球団株式を取得しなければならず、ホークスソフトバンク買収された際にはダイエーから株式を50億円で譲渡され、球場周辺の営業譲渡などで総額200億円

ベイスターズDeNA買収された際にはTBSHDから65億円株式譲渡されたことが分かっています

 

参入への高いハードルは安定したリーグ運営のため?

ここまで参入までの条件を書いてきましたが、そのハードルはかなり高い事が分かります

その前提にはリーグ運営の安定化を図る狙いがあるのだと思います

2004年の球界再編問題でも大阪近鉄バファローズ買収から名乗りを上げ、早くに仙台を本拠地を置くと宣言するなどライブドアよりも後追いだった楽天新規参入したのも企業の経営体質や将来の経営の安定性が評価されての事でした

プロ野球の球団運営というのは黒字を出すのは難しいとされていて、近年では日本ハム球場使用料の支払い額などの影響で、親会社の補填がない大きな赤字だと報じられるなど、単独で黒字の球団の方が少ないとされています

プロ野球の歴史を見ると50年代から80年代まで親会社が変わった球団の方が大多数であり、新聞社、鉄道業界、映画産業、自動車産業、不動産業、食品業界など様々な業界が参入

しかし業界の勢いが無くなる事やオーナーの交代などで球団が身売りされ、勢いある業界が買い手となる事もしばしばありました

ただ現代ではスポーツチームを持つこと必ずしもステータスとは言えず株主からの反発もあります

買い手がなければ球団は消滅する可能性すらあり、移籍先が見つからない選手リーグバランス崩れる事もありえます

こういう点も安定した経営体質と将来性ある企業を求める傾向に繋がっているのかもしれません

 

球団買収は茨の道

完全な新規参入を考えるのは難しい以上、プロ野球に参入するには球団買収が手っ取り早い手段ではあります

しかし現状球団を売却しなければならないほどの経営状態の親会社の球団はいません

千葉が拠点の会社だからといって「千葉ロッテマリーンズ」を買収するにしても、相手は菓子メーカーでもトップクラスのロッテである事に加え、近年は行政側もマリーンズを活用した地域密着策を図っており、この2者を納得させるプランはいくら潤沢な資金を持つスタートトゥデイでも容易ではありません

突如として再燃する可能性を見せる球界再編がどのような着地点を見せるか注視する必要があります