多分
教授にとって
この手の駆け引き
俺がはじめてではない
…って事が
対峙して
すぐに分かる
と 同時に
さっきから
トラップに掛かった感
半端なくて
俺は
教授の
意外な観察眼と
敏感な嗅覚に
追い詰められ
まさに
万事休す
な 現在
ここまで来た駄賃を
望まず
さっさと 資料運んどけば
よかったぁ
と
頭の中で
繰り返しながら
俺は
「まぁ お茶でも飲んで」
と
教授に出された
ペットボトルを前に
小さく
「いただきます」
と 息を吐く
教授について回っていた
女子は
俺の見立てた通り
役員が親しくしていた
女の子の一人で
あったらしく
「あの子も
君と同じ事を知りたがってたよ」
そう言って
俺が あれこれ
役員に繋がる情報
聞き出す為の伏線
会話に絡める作戦に
出る前に
教授が始めた 本題が
ずばり
俺の聞きたかった内容の
的を射てて
俺は ぐうの音も出なくなる
頭の中で
何で 分かった?
俺 そんな素振り
してないよね?
…って
ここまでの経緯
リピートしながら
手持ち無沙汰に
出された ペットボトルの
キャップを捻る
つづく