さて、バタバタのギリギリ、さらにゲロゲロ状態で何の感慨もなくニアスを後にしたおばはん一家。
狭くて空気が悪くてゴミをどこでも放るインドネシア人に囲まれながら、そして畳1枚分のスペースに子供3人プラス疲れたおばはんがさらにゲッソリしてようやく朝8時頃、スマトラ島の港町シボルガに到着。
船を降りて橋を渡るとその先には、4年前から変わらずベチャや車のガッついた呼び込み。
「メダン、メダン!!」としつこい呼び込みのおっさんたちの中に知ってる兄さん発見!
この兄さん、ニアス人なんだけどシボルガに住んでいておばはんが移住した4年前からお世話になってるの。
年に1回キタスというVISAの更新でシボルガの入管に来るので、ニアスに帰る時毎回船のチケット取ってもらってたのよ。
今回はシボルガからメダンまで、車1台貸し切りを手配してもらう。
約1万5千円から1万1千円とちょっとだけ安くしてもらったけど高いのか安いのかは不明。(゚Д゚;)!
とりあえず朝食を食べようと店を探すけど、パパが一緒だとやっぱインドネシア料理になっちゃうわけ。
おばはんと子供たちはパンとコーヒーの軽めの朝食がイイのに。
それでもパパは時間がないだの、他に開いてる店がないだのなんだかんだ言って強引に自分好みのワルンに入るわけ。
しょうがなく付いて入ったけど、やっぱりパパ以外誰も何も食べたいものがない。
なのでパパ1人だけロントンの朝食を済ます・・・(=_=)
それよりこの時すでにお昼も近い11時頃。
シボルガからメダンまで約10時間、早く出発したいわけ!!!
10時間・・・もう考えただけでゲロゲーロ(゚Д゚;)!
なので寝るに限るわ!!
とにかく道が悪いし、ぐねぐねの山道が多いし、その上インドネシア人ドライバーってなぜかぶっ飛ばす人多し。
そらゲロゲロになるっちゅーの。
目が覚めてもムリヤリまた寝てを繰り返しながら、「もう寝れん!」と起きたら午後3時頃のレイクトバ(トバ湖)。
見晴らしのいいレストランで休憩。
しかーし、メニューがまたもやインドネシア料理のみ。
しょうがないから定番のアヤムゴレン(鶏のから揚げ)とサユール(野菜)とナシ(白飯)でランチタイム。
レイクトバまでは数年前に来たことがあるんだけど、そこからメダンまでは初めての道。
すでに時間はもう4時頃、さあ出発よ!
ちょっと元気になったもんだから、山道のガードレールや道路脇の木にいっぱい群がってる野生のサルを見て大興奮!
パームやしをいっぱい積んだ貨物列車を見て興奮、踏切のカンカンカンを聞いてまた興奮!(ニアスに列車は存在しなかったからね。)
なんか見るモノ見るモノ全てが新鮮でいちいち大興奮!!!(かなりの田舎者ね。)
そんな山道から景色がだいぶ町っぽい雰囲気になってきたので、途中高速道路に乗って一気にメダンのファミリーの家へ。
夜もすっかり真っ暗な8時頃到着して、久しぶりにパパの1番目の兄夫婦と再会。
ちなみに義兄夫婦の1人娘は看護士だか介護士の研修生として日本へ行ったばかり。
代わりに甥っ子アキヤと4年ぶりに再会したわ。
アキヤは、今は亡きパパの3番目の兄の子供でシボルガ在住、当時確かまだ中学生だったと思う。
おばはんが移住して来た時の4年前にシボルガで初めて会って、それ以来。
すっかり大きくなって、しかも垢抜けちゃって。
でも何でメダンにいるのかしら?
パパに聞いたら、そこには泣ける話が・・・
アキヤは確か3人兄弟、と思ってたら実は腹違いの兄弟が他にも数人いるらしいの。
アキヤの父、つまりうちのパパの兄はアキヤがまだ小さい時に水難事故で亡くなったって聞いてるわ。
それでアキヤの母は再婚して兄弟が増えたらしいのね。
長男として自分が働いて家族を助けたい気持ちはあるけれど、兄弟が多く日々の生活にいっぱいいっぱい。
そして新しい家族に馴染めないのか、居づらくなったのか、たくさんの兄弟との生活が大変だったからかよくわからないけど、中学を卒業してインドネシアの首都ジャカルタへ。
ジャカルタで働いたりしてたみたいだけど、そこには日本と同様都会の裏社会に揉まれるわけよ。
それでもシボルガの実家に帰りたくないアキヤは、メダンのファミリーの家を思い出しそこに身を寄せていたというわけ。
今は学費を援助してもらい、メダンの1番目の兄の元で頑張ってるアキヤ。
泣けるわ・・・
うちが日本に行ってからも、いつかインドネシアに戻って来てからでも、もちろんうちも援助できるようその夜パパと義兄は話し込んでいたわ。
そういうことならおばはん、大賛成よ!!
てか何が泣けるってね、アキヤに4年ぶりに会った時の彼の表情なの。
4年前はおばはんが外国人で言葉が通じないという不安とか、初対面で恥ずかしいとかそういう感じじゃなくて、とにかくオーラがと~っても暗かったの。
大人しいだけかとも思ったんだけど、なんか影があるような暗さ。
今さら判明したわ。
シボルガに住んでた時は家庭が不安定だったのね、きっと。
今回会った時は明るくなって、未来にちょっと光が差したような青年に成長していたわ。
おばはんは最後に1つだけアドバイス。
「とにかく専門的な技術を身に着けるのよ!!」
現在、電気関係の専門学校のような所で学んでるらしいアキヤ。
息子が1人増えたと思って、彼が自立した人生を送れるよう援助できれば嬉しいわ。
海や星もちょっとしか会ってないアキヤのこと大好きだしね。