離岸流を舐めてかかるな

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

学生時代の夏休みの話。

気づいたら横に流れる強烈な離岸流(りがんりゅう)。
ていうか、マジ激流。
でも「リップじゃないし、沖には流されないな・・・」とナメてたら、流れの先にはお約束のムキ出し岩場・・・。
フルパドルで逃げようとしてもドンドン吸い寄せられて、ついに岩場にドーン!

水の力ってスゴイね。
あいつら容赦ない。

体をしたたか叩きつけられること数回。
海パンだったから、全身キズだらけ。

買って2週間のボードもどっか吹っ飛んじゃってたが、頭の中では生きて帰る事だけを最優先事項に切り替える。

ここから先は、今思い出しても心臓が縮み上がるんだけど、そのうち、岩と岩の間に頭がスポッてハマったのよ。
しかも海中!

「うんしょーーっ」って外そうとしても外れない。
本気で「親父、オフクロ、先に死んで申し訳ない」って思った。

もう、海中で本気泣き。

半分諦めかけてたら、スポ~ンって頭が勝手に抜けたんだよね。
さっきはあれだけ引っこ抜こうとしても抜けなかったのに・・・。

波ってのは押したら引くものだから、引く力も強かったわけ。
あとは、岩場に思いっきりツメ立てて必死でよじ登ってなんとか脱出。

浜に戻ったら、寝てた友達ビクーリ。

「今日、8月15日だから呼ばれたんじゃないの?」の一言。
もう、その後は砂浜でショボーン。

しばらく海見てたら、今度は目の前を、血だらけの小学生がグッタリして親に抱えられて歩いてる。
もうそれ見て、速攻帰ったよ。

家に帰ったら、ばあちゃんが庭のアロエを切って全身に張り付けてくれた。

ダメな時は何をやってもダメ。
ダメになる前に手を打っておかないと、人は簡単に死ねるんだってわかった。

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