今日の全日本アーカイブは2010年長野の全日本です。私がこのブログでスケートの記事を本格的に書き始めたのはこの試合の想い出をちゃんと残しておこうと考えたからでした。
今思うとそれは大正解。ブログを書く前はもっぱら友人知人に長文メールを送り付けておりましたが、その頃のメールはほとんど残っておりません。貴重な写真や記録もあったのに我ながらもったいないことをしたなと後悔してるんです。
大ちゃんのことはすべてが私の宝物、それがたとえ自分自身の拙い文であっても大事な記憶です。
ですから映像ならなおのことですね。興味深くご覧になっている方々のお話を聞くと余計にアーカイブ放送の意義を感じます。
惜しむらくはこれが有料放送ってことですね。本当はもっとたくさんの方にご覧いただきたいのですが。
ご存じでしょうがGPFの公式練習で小塚君と激しく衝突して大ちゃんは頸椎捻挫、つまりむち打ち症になってたそうです。
その試合からわずか2週間後の全日本、あの時はまだ回復もしておらず本当に辛い辛い試合でした。
だからみんな固唾をのんで大ちゃんの演技を見守ってたのです。あの時は2011年の世界選手権の出場権がかかってました。大ちゃんがそこで4位以下だと選出されないかもしれないとひやひやしてました。2011年の世界選手権は震災がなければ開催地は東京代々木体育館でしたし、そこが大ちゃんの引退の花道になる予定でした。
というのも大ちゃんはバンクーバーで引退をたびたび口にしておりまして、五輪を終えてもう一年だけやってみようかなという状態だったのです。理由の一つに2011年ワールドの開催地が日本という事情もあったのだと思われます。
もっとも当時は詳しいケガの状態は明らかにされませんでした。
大ちゃんの曲かけ中に後方をよく確認せずジャンプしたことで衝突の責を問われた小塚君はめちゃくちゃ叩かれました。
でも彼はなんどもなんども大ちゃんのところに謝りに行ったんです。でもそのたびに大ちゃんは笑って、大丈夫だから気にしないでって逆に気を使ってくれたって、海外向けのプレカンでもちゃんと説明してました。これぞほんとの美談です。
マスコミに試合のコンデションを聞かれた大ちゃんが口にしたのは怪我は言い訳にならないの一言だけ。
小塚君が今も大ちゃんと親しくしてるのはこれが信頼の決定的なきっかけになったからです。自分が大ちゃんにくっついてるのはこの人に付いていけば間違いないと思うからだとのちに話していました。
SPでは4位、このままでは世界選手権に出られないかもしれないが、自分はケガをして思ったようなパフォーマンスはできないだろう。
しかし不甲斐ない演技は絶対にできない。
もしも自分が負けたらどんなに小塚君は責められるか?周りの人に迷惑がかかるか?これは容易に想像つきます。
それらを背負って大ちゃんは全日本のリンクに立ち、そしてフリーを滑りきったんです。
人間の真の強さってこういう時にはっきりと表れますね。こんなことができる人が軟弱なわけないですわ。
GPFから全日本までたった2週間なのに、しかも東京世界選手権の出場枠がかかった大切な試合の前なのに、大ちゃんは本当に立派でした。
だから会場はあんなに熱狂したのです。日本のフィギュアの歴史の中であんなにみんなの気持ちが一つになって応援したことはないくらいに。
髙橋頑張れ!高橋飛べ!高橋滑りきってくれ!
彼の状態であの演技は本当に奇跡でした。
そんな奇跡をたびたび大ちゃんは見せてくれました。ですが何時もというわけにはいきません。
2011年のワールドはご承知の通りモスクワになりました。被災地ではないとはいえ、あのころの日本では心情的にスケートどころではなかったでしょうし、靴のアクシデントもあり思うような演技は出来ず、引退の花道となるはずの予定も大きく狂ってしまいました。
狂ったにしてはかわいいお顔ですけどw
運命の歯車がいきなり逆方向に回りだしたとも言えるかもしれません。すべてが終わるはずがそこからまた始まってしまったのです。
別に過去には関心ないという方もいらっしゃるでしょうし、私もどっちかといえば前だけ、これからの大輔さんだけを見ていたいほうです。
が、ほかの人にはなかなか真似できないことですし、知ってますます惚れ込む人格であることは確かなんで、時折こういう話も思い出しては書いておきますね。
是非ご覧いただきたいのがモスクワワールドのバックステージ。小塚君が銀メダルを決めた瞬間です。喜ぶ彼に大ちゃんは心から祝福のハグをしました。
「こっづーー!おめでと!」ってそりゃあ可愛いお声でね。
日本では放映されなかったシーンなんでご覧になった方は少ないかもしれません。試合直後にネットで配信されたのですがすぐに日本からは見られなくなってしまったので。
モスクワワールド後現役続行を表明したあとの大ちゃんの談話をまとめた記事です。
何が有ろうとも人を責めたりはしない、すべては自己責任という頑固なまでの大ちゃんの性格が良く表れてます。
こんな萌袖だけど、言ってることは結構硬派なんですよ。
高橋大輔「フリーのアクシデント、不運と言われるが…」
https://www.nikkei.com/article/DGXZZO28333790R10C11A5000000/
なぜ髙橋大輔さんが私にとってのヒーローなのかはこんなエピソードからもお分かりいただけたと思います。
それにしてもモスクワワールドからリスタートしてはや8年弱、いくら私が頭が沸いてるファンだとていまだ大ちゃんが雑誌の表紙を飾り続ける日がくるなんて当時予想できっこないですよね。ちなみにモスクワワールドじゃ5位ですからね、ええ。
すでに織田君、小塚君、町田君、無良君、そしてその下に羽生君までいたんだから層の厚さからいってもこの先は厳しいだろうなあという見通しはついていました。
そう思うとめっちゃ頑張ったんですよ大ちゃんは。そりゃあみんな頑張って当たり前の世界だし、彼一人の力ではないことは判りますがね。
靴のビスが外れるなんていうアクシデントも結局ファンにとってはいい方向に転がったとしか思えません。災い転じて福となしたんです。
つうわけで、今日発売のフィギュアスケートHeroes on Iceとまいります。
いやーこれがまた良かったんですよーー(*^-^*)
出る本出る本、最高記録を更新し続けてる感があるんですけどね、なんか競い合ってません?
老舗と違い、こういう単発的な雨後の竹の子みたいに乱発される雑誌は内容が薄いんじゃないかという偏見は大ちゃん物に関しては完全に払しょくされるような勢いです。
どれもこれもみんないい!!!ってほんと凄いですねえ。この間も書きましたが、編集者の愛を感じるんですよね。今回の大ちゃん記事担当は良記事で定評のある松原孝臣さん。さすがどの記事も非常に読みやすくまとめてくださっています。
歌子先生と本田コーチのインタも初見の内容ありで読み応えありました。
大ちゃんの復帰が後輩選手たちに如何に良い影響を与え、意義深いものであるかがよくわかりました。ついでに言えば一昨年のXOIでおっしゃってた三段重ねのおせちの行方もね。
2年続けて歌子先生のおうちで年越ししたんですね。やっぱ大ちゃんはつくづく先生想いなんだなあとほっこりしました。
元関西大学理事長の森本氏に取材し、関大アリーナ設立に至った経緯やそれに加えて臨海スポーツリンク存続活動に触れる記事もあります。
写真のセレクトも大ちゃんはもちろんほかの選手もみんなセンスいいなと思えるものばかり。特に昌磨君と羽生君のは可愛いものがチョイスされていてよかったわ。
ラストは2018年全日本への期待で締めくくられていましたが、まあこればっかりはまだわかりませんね。
今日は2次の抽選発表もあったのですが、当たったという報告はほとんど聞きませんでした。やっぱ最初から枚数少なかったんだろうなあ。
私自身は日程的に行けそうもないものには最初から手を出しませんのである意味気楽でしたけど。
だって今年が現役最後とはどうしたって思えないのですもの。次のチャンスを虎視眈々と待ち構えることにします。
そんな風に思わせてくれるのもこの長い年月の歩みがあったからこそですね。
大ちゃんがスケートをしたくて堪らないという気持ちをもってまたリンクに帰ってきてくれた、という事実が気持ちにゆとりを持たせてくれています。
今日は一つ過去のアメ限記事をオープンにしました。
予定よりもだいぶ待ちましたけどね、ついにその時が来たんです。大手を振って応援しますとも!
おめでとう! とあの頃の私に言ってやりたいです。
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https://ameblo.jp/momokamo1995/entry-11977733261.html
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