日本のTV番組で、「救急車の不適切利用が増え、社会問題化している。」というのを聞きました。
それに対して、出演者が有料化すればいい、という意見もありましたが、有料化すれば、余計要求が増えるという意見もあるようです。
そこでスイスの場合ですが、救急車は、もちろん有料です。
しかも、州(カントン)によって値段が異なり、850~1,900フランと、相当開きがあります。
その内の半分は、基本保険から支払われます。
スイスの場合、国民の保険加入は、義務ですが、各自、沢山ある保険会社の中から選んで保険に入ります。
そこで、人によって保険料やその内容は様々です。鍼灸や指圧といった代替医療も、保険でカバーされたりしますが、安い保険料の場合には、それはカバーされません。ですから、救急車が基本、半分は保険から支払われると言っても、年間最大幾らまでお金が戻るということを考えると、ある人の場合は、500フランまでしか戻らないということにもなります。
救急車は高いので、よほどでないと呼ばない、というのがスイスです。
それに似ているのが、登山用の救急です。
スイスアルプスでは、外国人観光客が遭難する場合が多々あります。
日本的考え方では、山で遭難したら、無料で助けに来てくれると思いがちですが、実は、カード払いで、しっかり取られます。
山の場合は、ヘリコプターとなるので、その費用はかなりなものです。
もちろん、スイスへ来る前にそれなりの保険に入って来た場合は、その内容によりますが、とにかく医療費が高い国です。
なので、へたすると、日本に来た時に、実費で医療費を払った方が安い場合があります。
対して、スイス人がすぐ呼ぶのが、警察です。
こちらは無料なので、近所の騒音、庭に猫が死んでいた、家の敷地の上に人が飛んでいる(グライダーとか)が、もし、落ちたら困るから来て欲しい等、様々なケースがあります。日本人と少し似ていて、人と衝突が予想される前に呼ぶということがあります。