走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

看護師が起こしやすいミス

2019年09月20日 | 仕事
看護師によく起こるのが投薬ミス。

患者の間違い。患者を名前ではなく病室やベッド番号で覚えてしまうのは悪い癖です。ネームチェッキングの手順で防げます。

日本では点滴の種類によってボトルネックの色が違っていましたが、カナダへ来た時に色がなくて驚きました。理由はカラー別にすると点滴名を読まず色で識別する癖がつくからです。形状や形で識別する癖はとんでもない間違いにつながります。物品名をきっちり読む事によって識別するのが正当です。

指示の受け間違え。似た薬の名前は沢山あります。読んでいるつもり、聞き間違いは起こります。手書きの指示の筆跡のせいで間違えることも。これに対する対策は沢山あります。以前一緒に働いた医師は製造名を一切使わずに薬剤名のみを使っていたな。そして口頭指示の時はしっかりフォニックスで分解した発音で看護師にリピートさせていたな。

投与量の間違い。薬の単位は色々。グラム、ミリグラム、インターナショナルユニット。指示の書き方も0.5と書くのか.5 と書くのでは間違い率が随分違います。

私自身、おそろしい間違いをしてコードブルーを起こさせたことも。コードブルーの対応中に自分のミスに気づき気分が悪くなった事は一生忘れません。気付いた事で対応の焦点が絞れてその患者は歩いて退院する事が出来たわけですが。そうかといえば移植もしていない患者に1週間以上も免疫抑制剤が投与されていた事に気付いた時も。何人の看護師が間違いに気づかず投与してきたのか?

看護師にとって投与に関する8 Rはスキップしてはならない作業です。

Right patient
Right reason
Right dose
Right route
Right timing
Right medication
Right documentation
Right response

続く



到着しました。クロアチアです。中世の街並みを残すアドリア海の街をじっくり味わいます。20年の記念旅行です。最初の街はRovinj. 漁師の街です。


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