北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

志賀原発内の不要不急の工事は中止を!

2020-04-29 | 志賀原発


新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中、この施設で感染が拡大したら社会的な影響がかなり大きいという施設がいくつもある。
病院が最たるものだが、原発もその中の一つだ。
志賀原発は停止中とはいえ、燃料プールの中に使用済み核燃料が保管されていて、安全維持のために一定の人員の確保は不可欠だ。
ところが、運転員の感染防止が最優先のはずの敷地内で、再稼働のための工事がずっと行われ、県外からの作業員含め多数の人が敷地に出入りしているのである。
「この工事をやらなければ、停止中の安全が確保できない」という工事ではない。
再稼働が決まなければ、無駄に終わる工事でもある。
まさに不要不急の工事だ。

そこで昨日、志賀原発を廃炉に!訴訟原告団も構成組織に名を連ねる「さよなら!志賀原発ネットワーク」として下記申入書を北電に提出した。
申し入れと言ってもこの時期なので残念ながら北電本店を直接訪れれることはできず、FAXでの申し入れである。
文書での回答を求めていたが拒否され、担当者からの電話による回答となった。

結論は「感染症対策をやっているので、工事は中止しない」ということで、質問の各項目への具体的な回答はなかった。

北電は昨年4月、「北陸と共に発展し、新たな価値を全国・海外へ」というサブタイトルをつけた長期ビジョンを公表している。
全都道府県が対象の緊急事態宣言が出され、石川県は人口比率では東京都に次ぐ感染者数の多さだ。
北陸電力としても不要不急の工事や業務の中止、延期、あるいは縮小をし、「北陸と共に」感染拡大防止に積極的に協力すべきではないか。
また、地域住民の安心確保の観点から、志賀原発のコロナ対策を公表したってバチはあたらない。
東電は福島第一原発のコロナ対策を公表している。

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2020年4月28日
申 入 書

北陸電力株式会社
代表取締役社長 金井 豊 様

                                            
さよなら!志賀原発ネットワーク
                                                 共同代表  岩淵 正明
                                                       本田 良成
                                                        中垣たか子
                                             
志賀原発における工事の中止を求めます
                  

 現在、新型コロナウイルス(COVID-19)による感染症の拡大が全国に広がっておおり、非常事態宣言が出されるに至っています。とくに志賀原発がある石川県は人口あたりの感染者数が多く、「特定警戒都道府県」に指定されている状態です。
 原子力発電所においても、九州電力・玄海原発で構内の建設工事従事者が感染して工事が一時中断されたり、東京電力・柏崎刈羽原発でも東電社員が感染するなど、感染者の発生が報告されています。
 全国の感染拡大状況を見ると、新型コロナウイルス感染症は従来の対策では感染封じ込めが非常に困難であることが明らかになりつつあります。しかし、北陸電力においては「新型インフルエンザ等対策業務計画」(*)はあるものの、この新型コロナウイルス感染症に対する「対策業務計画」は、いまだ策定されていません。
(*)http://www.rikuden.co.jp/info/attach/singatainfuru.pdf
 現在、北陸電力のPR施設のアリス館、ワンダーラボ(北陸電力エネルギー科学館)などはすべて、感染予防のために休館となっています。また、感染拡大を防ぐために 本店、各支店ともに部外者との接触を最小限にするなどの対策がとられています。ところが、志賀原発における再稼働のための「安全性向上施策」工事については、中止や延期については公表されておらず、予定通りに進められているとのことです。
 原発は停止中であっても、安全の維持のために一定の人員確保は不可欠であり、他の施設にもまして確実に感染防止策をとらなければなりません。敷地内工事には協力会社等の多数の関係者が出入りしており、どのようなルートで感染が広がったのか分からないような例が多発している現状では、感染拡大が収束するまでは工事を中止することが最も確実な感染防止策です。志賀原発の安全確保を何よりも最優先するとともに、自治体の感染拡大防止対策に最大限の協力をするために、志賀原発サイト内における工事を速やかに中止することを求めます。
 現在、申し入れ行動の場で直接に質疑応答を行なうことができない状況ですので、以下、文書にて質問いたします。誠意ある回答を求めるとともに、回答も文書にてお願いいたします。

(1)「新型インフルエンザ等対策業務計画」(以下「計画」と略)第2条(用語の定義)では、「新型イ ンフルエンザ等」とは、「その感染力の強さから新型インフルエンザと同様に社会的に影響の大きなものをいう」となっていますが、現在の新型コロナウイルス感染症の社会的影響は新型インフルエンザを大きく上回っています。
 それでも「計画」第4章感染予防・拡大防止策の感染防止対策で十分であるという認識なのでしょうか。

(2)現在の石川県内の状況は「計画」第2条の発生段階の分類では「最も深刻な(地域感染期)―接触歴が疫学調査で追えなくなった状態」です。
 「計画」第5章事業継続に係る対策では、第19条(国内感染期における事業継続に係る対策)が定められています。この19条では、国等から出される勧告などの状況等から勘案して、更なる業務の縮小が必要と判断される場合には、「国内感染期において、総本部長は(中略)優先業
務以外の業務の全部もしくは一部または優先業務の一部について、当該業務の中止・延期等の指示を行うことができる」と明記されています。
 現在の状況は、この19条に規定されている「更なる業務縮小」を判断すべき段階ではないでしょうか。

(3)「計画」別紙7には、「状況に応じて中止・延期等が可能な業務」が列挙されており、 工事関係では「繰延べ可能な定期検査・設備工事・修繕工事」がその対象になっています。志賀原発サイト内の工事は、緊急性が低く、まさに繰延べ可能ではないでしょうか。志賀原発で行われている工事はすべて緊急性が高く、繰延べ不可能という認識なのでしょうか。

(4)「計画」第1章 第3条(新型インフルエンザ等対策マニュアルの作成)では、各機関の長は、「計画」を具体化した対策マニュアルを事前に作成することになっていますが、志賀原発の対策
 マニュアルの内容を公表してください。

(5)原発の運転員に新型コロナウイルスの感染者が出た場合、どのように対応するのですか。
 また、協力会社の社員に感染者が出た場合には、どのように対応するのですか。

(6)現在、県境を越えた移動は自粛が要請されています。志賀原発では、専門的な知識や技能をもった業者が県外から入っているのではないでしょうか。その場合、どのように対応しているのか、そのためにすでに延期や中止、または延期が予定されている工事があれば明らかにしてください。
以上

【回答期限】 5月8日(金)までにお願いいたします。
【回答送付先】 FAX: ==========

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