悪い流れを断ち切れず、今季仙台にシーズンダブルを食らう。
近5戦は2分3敗と勝利から遠ざかっている3位・FC東京は、前々節に川崎に敗れたもののこの5戦で4勝と調子を上げてきている6位・仙台とアウェイで対戦。互いに守備を意識した入りで、なかなかゴールの匂いがしない。15分に高萩のミドルがポストを弾くという場面があったものの、ボールを持ち優勢に試合を進めるように見えるも攻めあぐねるFC東京、守備を固めてガードはするも攻撃へは転化出来ない仙台という構図で前半を終了。
後半もその構図は変わりそうになかったが、49分に仙台がカウンターから右サイドへ展開。阿部が右サイドからグラウンダーのクロスを送ると、そのボールを弾こうとボックス内へ走り戻った東の伸ばした足へ当たってコースが変わり、そのままゴールへ。ここまでシュート0本の仙台がオウンゴールという形でラッキーな1点を奪った。すると、仙台は次第にセカンドボールも拾えるようになり、石原や阿部がシュートを続け、試合の主導権を掴みかける。
優勝戦線に残るためにどうしても負けられないFC東京は、66分に永井と大森を下げて、リンスと富樫をピッチへ投入。しばらくは仙台の攻勢が続くが、FC東京もディエゴ・オリヴェイラとリンスのコンビネーションや、右サイドの室屋とのワンツーでサイドをえぐってクロスを上げるものの、なかなかゴールが奪えない。
終盤は厚く攻めるFC東京とそのカウンターを狙う仙台という展開。仙台はアディショナルタイムに3人目の交代枠として復帰間もないハモン・ロペスを投入。東京が仙台自陣への圧を強めるなかで、カウンターで最後の仕留めにかかる仕事を託す。東京はアタッキングサードでのボール回しからスルーパスやワンツーで相手を崩してボックスに侵入を試みるが、ゴールチャンスが生まれる寸前で僅かなトラップミスやパスの精度を欠いてボールが引っ掛けられ、シュートが打てないもどかしい攻撃の連続。仙台のゴール前でのタイトな守備の奮闘も光ったが、それ以上にFC東京の攻撃がヴァリエーションや精度を欠いており、最後まで崩しきれずにタイムアップ。仙台はホーム4連勝。一方、FC東京は8月10日のG大阪戦から天皇杯を含めて1ヵ月以上勝利から見放されることに。
決して悪いパフォーマンスではないが点を獲れない、あとは決定力……と言われることが多いが、個人的にはゴール前の決定力以上に、アタッキングサードやボックス付近での精度や判断の遅さがシュートチャンスの減少や決定機でのミスに繋がっているのではないかと思う。今日の試合で言えば、ボックス手前でボールを受けるもちょっとしたトラップミスやパスミスで相手DFにボールを奪われた東はボールが足についていない感じだったし、太田のクロスの精度も高くなく、CKで大森とショートコーナーを使ってみたりはするものの、やや明確な動きに欠けて、中途半端にCKのチャンスを潰したりと、結果的にだが、攻撃のリズムにズレを作ってしまっていた。
それと、ディエゴ・オリヴェイラとそのサポートとの距離が遠く、複数人でディエゴ・オリヴェイラがマークされてボールを奪われる場面も散見。いくら対人に強いディエゴ・オリヴェイラでも、しっかりと対策を練られてしまえば、そう易々と攻勢を続けられなくなる。さまざまな攻撃パターンを駆使した上でのディエゴ・オリヴェイラへ預ける形は有効だが、それ一辺倒ではそう簡単にはDFの壁を崩しきれない。それは永井への裏へのロングパスも同様。ただスプリントを頻繁にかけても、非効率であれば単純に疲労を増加させるだけで、後半以降のスタミナや精度にも大きく影響してしまう。
得点がチーム良化への起爆剤になるだろうが、実際はシュート前のパスやドリブル、トラップの精度が上がらないことには“形は出来ているがゴールが遠い”という悪循環から脱することは難しそうだ。
近年、仙台は相性の良い相手の印象があったが、今季はカップ戦での対戦も含めてFC東京は4敗。リーグもＧ大阪に終了間際の逆転弾で負けを食らって以来、特に下位に甘んじていた柏、湘南、鳥栖から勝ち点3を奪えないまま、次節に首位の広島との対戦を迎えることになった。しかも、この試合に警告を受けた室屋が累積で次節出場停止と悪い流れに追い打ちをかけている状況だ。
しかしながら、ここで下を向き、ズルズルと精神的にも落ちていっては、これまでの精神的な弱さを露呈して順位を落としていったこれまでを脱却することは出来ない。広島とは勝ち点13、1試合未消化の川崎とは勝ち点7も離されてしまった。残り8試合、優勝争いは厳しくなってしまったが、まだ次節の広島、最終節前にホームで多摩川クラシコが残されている。もちろん他力の要素も必要だが、挽回の余地は残されている。ハードワークして勝ち点を積み上げていった今季前半と同様、まずは目の前の相手に全力でがむしゃらにゴールを狙う姿勢をみせてもらいたい。その取っ掛かりが首位・広島戦ならこれ以上のことはない。失うことを恐れず、チャレンジを諦めない姿を見せて戦ってもらいたい。
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【明治安田生命J1リーグ 第26節】
2018年09月15日(土)14:04試合開始 ユアテックスタジアム仙台
入場者数 17,887人
天候 曇のち晴 ／ 気温 25.5℃ ／ 湿度 63％
主審 柿沼亨 ／ 副審 武部陽介、金井清一 ／ ４審 蒲澤淳一
仙 台 1（0-0 / 1-0）0 FC東京
≪得点≫
（仙）： オウンゴール（49分）
（東）：
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≪スターティングメンバー≫
GK 33 林 彰洋
DF 02 室屋 成
DF 48 チャン・ヒョンス
DF 03 森重真人
DF 06 太田宏介
MF 39 大森晃太郎 → 富樫敬真（66分）
MF 08 高萩洋次郎
MF 18 橋本拳人
MF 38 東 慶悟 → 米本拓司（83分）
FW 09 ディエゴ・オリヴェイラ
FW 11 永井謙佑 → リンス（66分）
≪サブスティテューション≫
GK 01 大久保択生
DF 25 小川諒也
DF 05 丹羽大輝
MF 27 田邉草民
MF 07 米本拓司
FW 13 リンス
FW 17 富樫敬真
≪監督≫
長谷川健太
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【明治安田生命J1リーグ 2018シーズン日程】
第01節 2018/02/24(土)14:00△FC東京 1-1 浦 和（H・味スタ）
第02節 2018/03/03(土)15:00✕FC東京 0-1 仙 台（H・味スタ）
第03節 2018/03/10(土)15:00✕FC東京 0-2 磐 田（A・ヤマハ）
第04節 2018/03/18(日)15:00〇FC東京 1-0 湘 南（H・味スタ）
第05節 2018/03/31(土)15:00〇FC東京 3-2 Ｇ大阪（H・味スタ）
第06節 2018/04/08(日)14:00〇FC東京 5-2 長 崎（A・トラスタ）
第07節 2018/04/11(水)19:00〇FC東京 2-1 鹿 島（H・味スタ）
第08節 2018/04/14(土)15:00✕FC東京 0-1 Ｃ大阪（A・ヤンマー）
第09節 2018/04/21(土)13:00〇FC東京 1-0 清 水（A・アイスタ）
第10節 2018/04/25(水)19:00〇FC東京 3-1 広 島（H・味スタ）
第11節 2018/04/28(土)15:00〇FC東京 3-2 名古屋（H・味スタ）
第12節 2018/05/02(水)19:00△FC東京 0-0 神 戸（A・ノエスタ）
第13節 2018/05/05(土)14:00〇FC東京 2-0 川 崎（A・等々力）
第14節 2018/05/13(日)16:00△FC東京 0-0 札 幌（H・味スタ）
第15節 2018/05/20(日)15:00△FC東京 0-0 鳥 栖（A・ベアスタ）
第16節 2018/07/18(水)19:00〇FC東京 1-0 柏 （A・三協Ｆ柏）
第17節 2018/07/22(日)19:00〇FC東京 5-2 横浜FM（H・味スタ）
第18節 2018/07/27(金)19:00✕FC東京 0-1 長 崎（H・味スタ）
第19節 2018/08/01(水)19:00〇FC東京 2-1 鹿 島（A・カシマ）
第20節 2018/08/05(日)19:00〇FC東京 1-0 神 戸（H・味スタ）
第21節 2018/08/10(金)19:00✕FC東京 1-2 Ｇ大阪（A・吹田Ｓ）
第22節 2018/08/15(水)19:00✕FC東京 0-1 柏 （H・味スタ）
第23節 2018/08/19(日)13:00✕FC東京 2-3 札 幌（A・札幌ド）
第24節 2018/08/26(日)19:00△FC東京 0-0 湘 南（A・ＢＭＷス）
第25節 2018/09/02(日)19:00△FC東京 0-0 鳥 栖（H・味スタ）
第26節 2018/09/15(土)14:00✕FC東京 0-1 仙 台（A・ユアスタ）
第27節 2018/09/22(土)19:00 FC東京 vs 広 島（A・Ｅスタ）
第28節 2018/09/29(土)17:00 FC東京 vs 清 水（H・味スタ）
第29節 2018/10/07(日)16:00 FC東京 vs 名古屋（A・豊田ス）
第30節 2018/10/20(土)19:00 FC東京 vs Ｃ大阪（H・味スタ）
第31節 2018/11/03(土)14:00 FC東京 vs 横浜FM（A・日産ス）
第32節 2018/11/10(土)14:00 FC東京 vs 磐 田（H・味スタ）
第33節 2018/11/24(土)14:00 FC東京 vs 川 崎（H・味スタ）
第34節 2018/12/01(土)14:00 FC東京 vs 浦 和（A・埼 玉）
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