イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

小雨が降ったりやんだりの秋が深まるマンチェスターにパンデミックのさなかに行ってきた、立ち入り禁止の病院付き添いはただの口実

2020年10月31日 08時00分00秒 | マンチェスター
昨日、金曜日にマンチェスターに行きました。


イギリス全体で「マンチェスター」はストックポートや近隣のボロウ(日本でいえば市や郡でしょうか)を含めたグレーター・マンチェスター Greater Manchester 全域(都道府県にあたると思います)のことを意味するはずですが、このあたりで「マンチェスター」といえば市のひとつ、シティ・オブ・マンチェスター City of Manchester のことをさします。

そう「マンチェスター(=シティ・オブ・マンチェスター)」に足を踏み入れるのは実に1月以来、パンデミック発生いらい9か月ぶりです。

夫の手術の準備検診のために総合病院、マンチェスター・ロイヤル・インファーマリー MRI (もと王立です)に行きました。

コロナウィルス感染者の人命救助優先のため、急を要する手術以外あとまわしになっている昨今ですが、夫の体調不良がすすんだため専門医のいるMRIで来週手術を受けられることになったのです。

贅沢して自宅からタクシーに乗っていきました。

ご心配なく、30分かかる長距離をタクシーに乗らなければならないほど夫の体調が悪かったわけではありません。

パンデミック以来運行が不規則なバスを小雨まじりの強風が吹いたりやんだりの昨日、吹きさらしの停留所で長くバスを待つのが無理な程度にはじゅうぶん不調だったのです。
今風邪をひいてしまえば手術はまた数カ月先に延期されることもあり得ることですし。
自家用車を駐車をするのはやっかいです。

付き添いでいっしょにタクシーに乗った私ですが、感染拡大徹底阻止のため患者以外の病院内への立ち入りは厳禁です。
(手術当日にも付き添えません)

付き添いもできないのに、わざわざ感染危険度が最高の「ティア3 teir 3」のマンチェスターで不要不急の用事以外に出歩くなんてフトドキ千万なのですが......

タクシーの窓から見る久しぶりのマンチェスターに胸が躍りました。

地元ストックポートのタウンセンターにすら、夏以来行っていません。
ストックポートのタウンセンターもマンチェスター郊外の商店街も人出が多かったのにはびっくりしました。

さて、病院です。
MRI は各科が独立した小さな病院の巨大な集合体です。



現在も各所で建て替え、建て増しの工事中です。



大通りオックスフォード・ロード Oxford Road に面した、昔からあるレンガの建物の背後に、病院、入院病棟や研究機関、マンチェスター大学のメディカル・スクール(医学部)と合わせて、小さな近未来都市のような広大な病院の敷地が広がっています。



24年前に私が上の息子を出産した産科病棟セント・メアリーズ・ホスピタルは中途半端にモダンな面白みのない機能的なビルでしたが、取り壊されて現在おしゃれでポップな近未来都市計画のような建物の一群に組み込まれているようです。(一番上の写真を見てください)

これは旧眼科病棟(マンチェスター・ロイヤル・アイ・ホスピタル)だったかな....?



並木の紅葉のグラデーションが美しい、オックスフォード・ロード です。



名門、マンチェスター大学がすぐそばにある由緒ある大学街なのですが学生の姿をほとんど見かけませんでした。
そうそう、大学生は下宿や寮でオンライン授業を受けているのでした。

感染激増地マンチェスターにある大学そばに住む学生たちは帰省を許されていません。

多くの寮が寮ぐるみで強制隔離措置になった私の母校、MMU(マンチェスター・メトロポリタン・ユニバーシティ、旧マンチェスター・ポリテクニック)の校舎もこの道路沿い各所に点在します。


向かいのこの公園内(右側、木のかげに少し見えています)にある....


ウィットワース美術館 The Witworth (旧 Witworth Art Gallery)に寄りました。


アート・スクール(美術学科)の学生だった私には学生時代からとてもなじみのある個性的な美術館です。

美術館を訪れるのは日本に帰国した2月に際行った、上野の東京都美術館以来です。

どうせ夫の検診に付き添えないのなら....いっしょにマンチェスターまでタクシーに相乗りして、夫が検査や検診を受けている2時間の間、現在週3日だけ開館しているすぐ向かいの入館無料の美術館に時間指定予約をして立ち寄ることにしたのです。(物見遊山の不要不急もいいところです!)

「ティア3;非常に危険」指定地域のマンチェスターで、人数限定とはいえ美術館が開館していることがおどろきです。
夫が重症化する危険指定であることから、第二波到来以後、ほぼ家にこもっていた私が美術館に行ったのも大冒険でした。

....その実、安全でした。以下次号。

イギリスの医療制度について書いた以前の記事のリンクです☟興味のある方は読んでください。

イギリスの医療制度...日本と違い選択肢がほぼ皆無、すべての人が恩恵にあずかれる世界に誇る無料医療制度

追記;「病院に行って、コロナウィルスに感染する危険はないのか?!」と日本にいる人に聞かれたました。
答は「人が集まる場所に出ていけばどこに行ったって感染する危険はある。病院も同じだ。病院だから危険だ、ということは決してない」です。

医療関係者は「消毒やソーシャルディスタンシングを徹底している病院よりスーパーマーケットやショッピングセンターのほうがよっぽど危険」だと言っています。

イギリスではコロナウィルスの症状がある人や感染の疑い(自覚)のある人が病院に来ることは絶対にありません。
病院での処置を必要とする重症患者は遮蔽された隔離病棟に収容され一般患者との接触はありません。
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