1-17.『目標』だけじゃやっていけない / 第1章.就活前に考える
興味深い話がある。外国の刑務所でなによりも耐えがたい労役の一つに「意味のない役務」というものがあるそうだ。例えば、囚人に対して「ここに、これくらいの径で、これくらいの深さの穴をいついつまでに掘れ」と命令し、掘り終えるとすかさず「元通りに戻せ」と命令する。穴を埋め終えると、再び同じように穴を掘れと命じ、掘り終えたら戻せ・・・これをエンドレスで、延々と繰り返すそうだ。目標の四要素「いつまでに」「なにを」「どれくらい」「どうする」は常に明示されているから役務そのものはわかりやすい。しかし、目的は示されない。想像すらできない。
こうなると、どんなに極悪非道で鳴らしたタフガイであってもまいってしまうそうだ。涙を流して他の役務、つまり「意味のある役務」に就かせてくれと懇願する者もいるらしい。いくら囲われた塀の中で不自由な暮らしを強いられ、重労働を科せられても、自分の労役がどこかの誰かの役に立っている、なんらかの意味を持っていると信じられれば、気持ちは救われる。しかし、なんの意味も持たない、なんら意義(存在意義や活動意義)を見い出せない即ち目的を見い出せないこの活動は地獄の苦しみなのである。
社会問題となっている自死についても同様のことが言える。人並みに就職し、人並みの生活をしているにも関わらず、「生きている意味を見い出せない」からと自らの人生にピリオドを打つ人も少なくない。世間一般にしていることがらを人並みに実現できているということは、それらもろもろを目標として達成、具現しているということだが、しかし、その先にある目的が見えないのだ。それが苦しみなのだ。もちろん、筆舌に難い困難に直面して自殺に追い込まれる場合もあるが、いずれにせよ「こんな状態ではなんのために生きているのかわからない」という存在意義や活動意義の喪失、つまり目的の喪失が本質的な原因なのだ。
こうなると、どんなに極悪非道で鳴らしたタフガイであってもまいってしまうそうだ。涙を流して他の役務、つまり「意味のある役務」に就かせてくれと懇願する者もいるらしい。いくら囲われた塀の中で不自由な暮らしを強いられ、重労働を科せられても、自分の労役がどこかの誰かの役に立っている、なんらかの意味を持っていると信じられれば、気持ちは救われる。しかし、なんの意味も持たない、なんら意義(存在意義や活動意義)を見い出せない即ち目的を見い出せないこの活動は地獄の苦しみなのである。
社会問題となっている自死についても同様のことが言える。人並みに就職し、人並みの生活をしているにも関わらず、「生きている意味を見い出せない」からと自らの人生にピリオドを打つ人も少なくない。世間一般にしていることがらを人並みに実現できているということは、それらもろもろを目標として達成、具現しているということだが、しかし、その先にある目的が見えないのだ。それが苦しみなのだ。もちろん、筆舌に難い困難に直面して自殺に追い込まれる場合もあるが、いずれにせよ「こんな状態ではなんのために生きているのかわからない」という存在意義や活動意義の喪失、つまり目的の喪失が本質的な原因なのだ。
参考事例としては極端であったかもしれないが、目的(=存在意義)がいかに重要なものであるか、目標はそれ単独では意味を持たず、もし目的を伴わずに単独で存在、連続していたとするなら、それは時として絶え難い苦痛であるということがおわかりいただけるだろう。
一方で、太平洋戦争にみる特攻隊の事例を考えてみよう。
特攻行為は「爆弾抱えて敵艦に突っ込む」ことで目標達成される。昨今の若者諸君からは「そんな無茶な」「勘弁してよ」という声も聞こえてきそうだ。戦争賛辞をするわけではないが、しかし、彼らは見事に目標を捉え或いは捉えようとした。命を代償にした苛烈で勇猛な行為に臨んで、彼らの心中には家族、国、民族を守るという揺るぎなく崇高な目的が確立されていたからだ。目的が「最終到達地点=存在意義」としてしっかりと設定され、それを達成するための目標が明示されたなら、人は例えそれがどんなにハードルが高い目標であっても、時にそれが命と引き換えの目標達成行為であっても、自ら志願して、その任に赴くのである。
生き物である人間には、遺伝子に「生」に対する執着が刷り込まれているわけだが、それさえも葛藤の末に乗り越えていくのだから、目的の持つ凄まじいパワーは驚愕に値する。蛇足だが、今、世界を恐怖に陥れている「自爆テロ」にしても心的作用と行動の原理は一緒である。然るに戦慄が走る。偉大な力も使い方を間違えたら人類を破滅させるだろう。
特攻行為は「爆弾抱えて敵艦に突っ込む」ことで目標達成される。昨今の若者諸君からは「そんな無茶な」「勘弁してよ」という声も聞こえてきそうだ。戦争賛辞をするわけではないが、しかし、彼らは見事に目標を捉え或いは捉えようとした。命を代償にした苛烈で勇猛な行為に臨んで、彼らの心中には家族、国、民族を守るという揺るぎなく崇高な目的が確立されていたからだ。目的が「最終到達地点=存在意義」としてしっかりと設定され、それを達成するための目標が明示されたなら、人は例えそれがどんなにハードルが高い目標であっても、時にそれが命と引き換えの目標達成行為であっても、自ら志願して、その任に赴くのである。
生き物である人間には、遺伝子に「生」に対する執着が刷り込まれているわけだが、それさえも葛藤の末に乗り越えていくのだから、目的の持つ凄まじいパワーは驚愕に値する。蛇足だが、今、世界を恐怖に陥れている「自爆テロ」にしても心的作用と行動の原理は一緒である。然るに戦慄が走る。偉大な力も使い方を間違えたら人類を破滅させるだろう。
語弊があるといけないので繰り返し申し上げるが、戦争は絶対にイカン。しかし、目的が主、目標が従の関係で、しっかりと設定されたなら、一見、実現困難と思われる相当に厳しいことがらであっても「為せば成る」であろうことが、わかり過ぎるくらいにわかってくれたことだろう。
その力は君の中にも眠っているのだよ。
その力は君の中にも眠っているのだよ。
人間は意味に生き、意味に殉じる生き物だ。良心の筆で壮大な目的と、明確な目標を描け。
「1-18.『目的』なき就職の後で」へ展開
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こんばんは。スガさんです。引き続いてのコメント投稿をありがとうございました。返信コメントを差し上げます。
目的は最終到達地点です。終着点とはちょっとニュアンスが異なります。また人生を考えるときには人生の目的があり、仕事を考えるときには仕事の目的があります。このようになにを考えるかによって、目的はことなります。そしてそれらの目的が絡み合い、混然一体になっていることが望ましくあります。
因みに目標は中間ゴールであり通過点です。手段ではありません。ブログ記事にもそう説明しています。
ちょっと読み込みが粗いかも知れませんね。
優秀なNVN24謝さんです。再度ご自分でお考え頂き、研修時に是非お答えを伺いたく存じます。
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