osoruosoru-sugasan社会全体の「気づかず 考えず」の症状を、より粘着質で頑固なものにしている2つめの大きな要因「深刻化するいじめ問題」について考えています。

いじめ問題そのものが深刻化してきている原因として、少子化と住宅事情の向上による子供達のストレス耐性の脆弱化が挙げられます。

少子化が進行し、つまりは兄弟姉妹数が減りました。しかも住宅事情が良くなったものですから、随分と早い段階でプライベート空間、つまり自分の部屋があてがわれるようになってきています。そのことによって、家庭生活の中で損をする機会が極端に減ったのです。子供達にとって、これは祝福すべきことでしょう。しかし一方でこのことは、人間としての逞しさを身につけるうえで、重要な機会損失でもあるのです。


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兄弟姉妹が多く、プライベート空間もない昔は、未熟な子供たちの世界です。お兄ちゃんにお気に入りを盗られた。妹に騙された。弟におやつを盗み食いされた。お姉ちゃんにいじわるされた。などなどは日常ごとでありました。そして、事情をよく知らない親たちから納得のいかない叱責、制裁も受けました。弟が悪くても「お兄ちゃんなんだから我慢しなさい」。妹が原因であるにもかかわらず「お姉ちゃんなんだから優しくしなさい」等々です。そのような理不尽な出来事に直面し、しかし結果としては、人間社会における理不尽さに対する耐性をつけ、それを鍛え上げていたのです。ところが、そうしたトレーニングの機会が、驚くほど減ってしまっているのです。

家庭生活の中で理不尽さへの耐性が育まれないまま、社会勉強の第1段階である学校デビューをしますと、そこでなにかのきっかけで理不尽な思いをすると、それが過剰なストレスとなって記憶に刻まれ、そうした経験を1~2回すると、もう二度と同じ思いをするまいと極端に防衛的になってしまいます。


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道徳教育がないがしろにされ道徳心は発育不全、一方で小賢しくらいに自らの不利益ばかりを排除する計算高さは訓練に訓練が積み重ねられ、加えて理不尽さに対する耐性は脆弱化の一途を辿っています。こうして未熟な子供たちは「見て見ぬふりをする」「長いものには巻かれる」「あきらめる」傾向を強めているのです。そう。「気づかず 考えず」の感覚をトレーニングしているのです。

核家族化が当たり前となって、夫婦共働きも当たり前となって、またそれらと相関してもいますが、子供たちが塾や習いごとで多忙を極めるようになって、大人と子供たちとの心の触れ合いの時間が減っています。加えて、社会全体で道徳教育への執着心が弱まってしまっている現状があります。未熟な子供たちの心のケアや精神的な導きの機会が驚くほどに減ってしまっているのです。このことに気づかねばなりません。そして愕然とすべきです。

未熟な子供たちの世界では、大人の世界とでは比べようもないくらいにいじめ問題は過酷です。ストレス体制が脆弱なまま、その問題の渦中に飛び込むとするなら、子供たちが自己防衛のために無関心と諦めに身をゆだねるようになったとして、誰がそのことを責められようものでしょうか。なにしろ、そういうお膳立てをしているのは、未熟な大人たちなのですから。



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