遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

【続】ロシア 北方四島で、活発な軍事演習

2018-10-20 01:11:01 | ロシア全般
 9月12日、ウラジオストクで開かれた東方経済フォーラムの壇上で、安倍晋三首相に突如「年末までに平和条約を締結しよう」と提案したプーチン大統領。
 2016年に来日した時、領土問題よりも経済支援を優先させ、期待し過ぎた日本に冷や水をかけました。それに続くというか、それ以上に非礼な、習近平も並んだ檀上での突然の無条件・早期平和条約締結発言。
 そして今度は、北方領土で 1ヶ月に 5度に及ぶ軍事訓練実施。それも、訪露した河野克俊統合幕僚長に対し、9月の大演習「ボストーク(東方)2018」では北方領土を演習地に含めなかったと、ショイグ露国防相が説明する一方で、同じ日に択捉島での演習を通告するという戦術。

 「ロシアに領土問題解決の意思はない」と仰る、ロシア情報に詳しい、新潟県立大学の袴田教授の説を想いだします。

 ロシア・プーチン大統領に領土問題解決の意思はない - 遊爺雑記帳
 ロシア 北方四島で、活発な軍事演習 - 遊爺雑記帳

 
北方領土で演習 対露制裁を検討する時だ (10/19 産経 主張)

 ロシアが日本に対し、北方領土の択捉(えとろふ)島周辺で今月末までに3度のミサイル射撃訓練を行うと通告してきた。
 今月はすでに択捉、国後(くなしり)両島の周辺海域で各1度の実施も通告されていた。
北方領土に特化して1カ月の間に5度の軍事訓練を重ねようというのは尋常ではない。計算ずくの軍事的な挑発であり、到底容認できない。

 菅義偉官房長官は会見で「ロシア軍による軍備の強化につながるもので、わが国の立場と相いれない」として、外交ルートで抗議したと説明した。
 
抗議は当然だが、それで十分とはとてもいえない。安倍晋三政権は、対露経済制裁の検討に入るなど、ロシアの不当な動きを封じ込める政策へ舵(かじ)を切るべきだ

 安倍首相は11、12月の外国訪問を利用してプーチン露大統領と首脳会談を行う意向だ。その際、真っ先に求めるべきは北方領土におけるロシアの軍事演習の停止と軍部隊の撤収である。もみ手をして北方領土での共同経済活動を推進している場合ではなかろう。

 
北方四島は日本固有の領土である。日ソ中立条約を一方的に破って対日参戦したソ連が不法占拠した。そのまま居座ったロシアに何の正当性もない。軍事演習を行うどころか、一兵たりとも置く権利はない。

 ショイグ露国防相は8日、モスクワを訪れた自衛隊制服組トップの河野克俊統合幕僚長に対し、9月の大演習「ボストーク(東方)2018」では北方領土を演習地に含めなかったと説明した。
 対日配慮のシグナルかと思いきや、ロシア政府は同じ8日に択捉島での演習を通告してきた。北方領土で集中的に演習をするのは、ボストーク演習に含めるよりもはるかに質(たち)が悪い。
 ロシアは北方領土の軍事力を強化し、演習を続けてきた。日本が抗議しても馬耳東風である。
 
プーチン氏は9月に、北方領土問題を棚上げして年内に日露平和条約を結ぼうと提案した。
 いずれも、
領土交渉に真摯(しんし)に向き合う国のとる姿勢ではない制裁の検討など対露外交自体の練り直しが必要である。

 
四島返還への取り組みを、竹島を不法占拠する韓国や、尖閣諸島を虎視眈々(たんたん)とねらう中国が注視している。国家主権の問題には毅然(きぜん)とした方針で臨むべきだ。

 
 
安倍晋三首相「領土問題解決し、平和条約締結」 プーチン露大統領に伝達 - 産経ニュース 2018.10.19

 菅義偉官房長官は19日午前の記者会見で、安倍晋三首相が、前提条件なしの平和条約締結を求めるロシアのプーチン大統領に「北方領土の帰属問題を解決し平和条約を締結するのが、わが国の基本的立場だ」と伝えていたことを明らかにした。

 プーチン氏は9月、首相も出席して開かれたロシア極東ウラジオストクの「東方経済フォーラム」で、領土問題などの前提条件を抜きに年内の日露平和条約締結を求める提案をした。菅氏によると、首相はこの後に日本の立場を伝えた。
 菅氏はプーチン氏の意図について「平和条約を締結し、日露関係の発展を加速させたいという強い気持ちの表れだと考える」と述べ、「わが国の基本的立場はロシア側も承知している」と強調した。


 北方領土に特化して 1カ月の間に 5度の軍事訓練を重ねようというのは尋常ではない。計算ずくの軍事的な挑発であり、到底容認できないとの主張には全く同意です。
 プーチン大統領の来日時の言動以来、北方領土を餌にし、完全に弄ばれています。
 
 日ソ中立条約を一方的に破って対日参戦したソ連が不法占拠し、そのまま居座っているロシア。
 サンフランシスコ条約には加わっていませんので、日露間の領土に関して成立しているのは、ポーツマス条約まで遡ってもよい事にもなります。



 ウラジオストクの「東方経済フォーラム」でのプーチン大統領の壇上での発言に対し、「北方領土の帰属問題を解決し平和条約を締結するのが、わが国の基本的立場だ」と伝えていたとのこと。
 抗議は当然として、その抗議がどこまで聞き入れられているのか。Fax.の抗議文だとすれば、ろくに読まれることはなくゴミ箱行きかもしれません。

 産経主張は、抗議だけでは十分だとは言えないとし、対露経済制裁の検討に入るなど、ロシアの不当な動きを封じ込める政策へ舵を切るべきだと主張しています。
 袴田教授は、「露人はすり寄ってくる相手は喜んで利用するが見下す。逆に緊張感を与える相手は、時に不快に思っても一目置く。露人は敬意を抱かない相手とは絶対に本気で交渉はしない。」と教えていただいています。

 ウクライナでの軍事力で現状変更をしたロシアに対する経済制裁を継続している欧米。その包囲網の抜け穴になる経済支援交渉をしている日本。対北朝鮮では各国に経済制裁協調を呼びかけながら、対露制裁では抜け穴を空けているのです。

 森氏から引き継がれたとされる、安倍・プーチンの親交。来日・萩訪問のあたりから弄ばれ始め、ウラジオストクでは公衆の面前で罵倒に近い卑下をされ、北方領土では異常な頻度の軍事訓練。
 プーチン大統領の選挙が終わるまでと我慢したものの、選挙が終わっても日本を翻弄する言動はエスカレートするばかり。
 どう考えても、袴田教授が仰るとおりで、「プーチン大統領に領土問題解決の意思はない」様です。それどころか、諸兄がご承知のように、圧倒的支持率で大統領選を勝ったはずなのに、ここへきて支持率低下が著しい。
 ここは、袴田教授のロシア人気質説も参考に、安倍政権は、欧米諸国と歩調を合わせ、対露経済制裁の検討に入るなどのカードを見せ、政策転換すべきとの産経の主張に賛同します。

 いつも唱えていることですが、苦しいのはロシアの台所の方です。
 民主党政権時に、海保挺に船体をぶつける行為をした漁船の船長等を開放したことで、日本くみしやすしと、メドベージェフ大統領(当時)の北方領土上陸を許してしまいました。
 いままた、安倍首相が天下のさらし者にされんとしています。
 対露政策の変換が必要です。

 安倍総理も苦笑い…プーチン「平和条約提案」の怖すぎる真意(長谷川 幸洋) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)



 # 冒頭の画像は、東方経済フォーラムの全体会合に臨む、安倍首相、習近平国家主席、プーチン大統領




  ヤブレガサ


↓よろしかったら、お願いします。



写真素材のピクスタ


Fotolia


ソ連が満洲に侵攻した夏 (文春文庫)
誰がメドベージェフを不法入国させたのか-国賊たちの北方領土外交






コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 10月18日(木)のつぶやき | トップ | 10月19日(金)のつぶやき »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ロシア全般」カテゴリの最新記事