蝦夷地別件(上・中・下) 船戸与一
 
読み応えがあって面白かったです。
 
<あらすじ> 十八世紀末、蝦夷と呼ばれるアイヌ民族は和人の横暴に喘いでいた。商人による苛烈な搾取、謂れのない蔑みや暴力、女たちへの陵辱…。和人との戦いを決意した国後の脇長人ツキノエは、ロシア人船長に密かに鉄砲三〇〇挺を依頼する。しかし、そこにはポーランド貴族マホウスキの策略があった。祖国を狙うロシアの南下政策を阻止するべく、極東に関心を向けさせるための紛争の創出。一方で、蝦夷地を直轄地にしようと目論む幕府と、権益を死守しようとする松前藩の思惑も入り乱れていた。アイヌ民族最後の蜂起「国後・目梨の乱」を壮大なスケールで描きだす超大作。
 
 
蝦夷地に渦巻く陰謀をテーマに描かれた小説です。
「民族」と「国家」、両方の視点を考えさせられました。
アイヌ民族の暮らしの仕方や民族楽器・伝統的な狩猟
学校教育で習うことはその程度で、重要な部分は北海道に住んでいながらも考えたことがありませんでした。
たしかに、政府が土地を取り上げたのか、与えたのか、それだけでも印象が変わるし、歴史を修正できてしまいます。
蝦夷地に限らず、世界中の様々な陰謀がなかったことにされて、風化していきます。
 
 
 
それってものすごく恐ろしいことなんだな~と、改めて考えたりしました真顔


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