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田岡俊次の「古い」解説&リベラル勢の危機

2020-05-30 00:58:35 | WW1&2

笑っちゃうようなものを見た。

デモクラシータイムスは早野&佐高&平野による3爺の言いたい放題しか見ていないのだが、久しぶりに田岡さんが出ていたので見てしまった。(この3爺さんたちは、残り少ない人生といったスタンスからかなり言いたい放題になっているため、過去を知るには結構役立つ)

【田岡俊次の徹底解説】トランプの中国叩き~コロナと新疆20200526

トランプが中国叩きをしておるんだが、おかしいよなぁ、と。

ウィグルに関してアメリカが内政干渉をし放題なのが、おかしい、と。

さらには、リーマンショックの時だって中国が大盤振る舞い政策をしてくれてアメリカは助けてもらったじゃないか、と。

また、借金を支えているのは中国と日本じゃないか、と。

だからおかしいなぁと首をひねっているのが、田岡さん。

 

私としては、アホかと笑いたい。

アメリカは、詐欺帝国なんですよ。騙すのが商売。そんなことはみんな知ってる!! 最近はアメリカ人だって知ってる。

 

そもそも、ソ連に苦労してもらってナチを倒して、日本を倒して、その果実を盗んだアメリカ。

WW2の決定的な勝者はソ連だよと人々が言うの巻

アメリカ覇権とは、ソ連の人2700万人の死体の上に乗っかって、知らん顔しているようなもの。

この恥知らずぶりが今日明らかになっていることもまた、アメリカの評判を悪くしている。

 

で、田岡さんなんかは、こういうアメリカ、こういう米ソ、あるいは英米ソの関係というのがほんとーーーーに、わからないというか、知りたくない、見たくない日本のなんちゃってエリート集団の1人なんでしょうね。その意味で「楽しい」動画。朝日新聞だし。

いわゆる北方領土問題という名の実はソ連との講和条約問題については、ちゃんとした認識を披歴しているのに、実におしいことです。やっぱり朝日集団という枠組みの方が重要なんでしょうね。

 

そこで、これが重要になるんだなというのがアフガニスタンに関する認識。念押しするように言っていた。

ソ連がアフガニスタンに侵攻して、負けて、それが故にソ連は倒れたのだ、だそうですよ。

 

いやしかし、それはプロパガンダ専門店のシンクタンクが言うならともかく、いやしくも軍事を売りにしている人がそれではダメでしょう。

ソ連は、アフガニスタンでは片を付けて撤退した。つまり、ムジャヒディーンたちの好きなようにはさせない恰好で撤退した。

これは別にロシア人が言っているわけではなくて、アメリカ人たちが書いてる。例えばこれ。

出回っているというか、ソ連はアフガニスタンの戦闘では大きな戦闘はほとんど落としてなくて、ほぼ勝っていたというのは2004年にロサンゼルスタイムスに出ていたMark Kramerの記事が、西側におけるある種の初出らしい。

Surprise! The Soviets Nearly Won Afghan War

December 26, 2004

http://articles.latimes.com/2004/dec/26/opinion/op-soviet26

 

アフガニスタン政府が倒れたのは、ソ連解体後、ソ連の援助がなくなったから。

アフガニスタンは当時そもそも親ソ政権で、だからこそソ連が頼まれて介入し、概ね片づけて撤退した。結局、ソ連が生きている間は、外部勢力が焚き付けたムジャヒディーンとテロリストが支配する地ではなかった。ソ連は少なくとも、アフガニスタンに秩序を持たせていた。

嘘に飽きてる&アフガンまで通説に逆らうトランプ

対していえば、アメリカはアフガニスタンに訳の分からない勢力を大量に放り込んでぐじゃぐじゃにしたまま、それでもまだ出て行きたくなくて馬鹿なことをしている。

何度でも出したいこの動画。スペースシャトルの打ち上げをムジャヒディーンという「自由の戦士」に捧げるレーガン大統領。いやほんと、シャレにならないほど恥ずかしい。そして、スペースシャトルの運命はご存じの通りなわけで、なんかこう、禍々しい話。

Ronald Reagan dedicates the Space Shuttle Columbia to the Taliban

 

■ 「リベラル」の嘘が暴かれている

ということで、今って、いわゆる「リベラル」という勢力にとって危機的状態なんだろうと思う。

だって、リベラルが作り上げた「ホロコースト」は、実のところもっと壮絶なスケールで行われたナチ勢による産業的な大規模殺人の一部のことだとばれちゃったりしてる。

この、どこで起きたのかよくわからないドイツとユダヤしか登場しない西側謹製「ホロコースト」物語は、ソ連の人たちの死を無視するためであっただろうと思われる(そうでないのなら、なぜナチの蛮行を語る人がソ連の人の死を同じように語らない?)

それを、プーチンが枠組みを明かして、世界ホロコースト会議で表明

「ホロコースト」犠牲者の4割はソ連市民

「ホロコースト神話」(西側謹製)が崩れてる

 

ドイツが、ソ連軍捕虜に対する蛮行の記録をロシアに手渡し、

ドイツ、ソ連軍捕虜の記録をロシアに渡す&産業的大規模殺人

 

ドイツ外相が、ソ連を侵略していったのはドイツですと、スターリンとヒトラーを同一視させようという、長らくくすぶっていた問題に解答してみせた。

6月24日モスクワでパレード&「歴史のない政治はない」by 独外相

 

ということで、これってつまり、過去何十年間に学校の教科書やら主流メディアがさりげに「定説」としてきたものが、ちょっと違うようだ、とほじくられているということですね。

多分、1970年代までに大人になった多くの人にとっては、実は特に驚きではないものなんじゃないかとも拝察します。この世代の人は、ソ連がナチスとやり合って勝ったってところに疑問持ってないのでは? 「ホロコースト」というのも後から来たことをリアルタイムでご存じなのではないでしょうか?

が、1980年代以降になると、ソ連批判が当然視される中で、

ソ連は全体主義

全体主義はヒトラーのナチと変わらない

そうだ両方悪いのだ

となって、手品みたいに、第二次世界大戦はヒトラーとスターリンが起こした、みたいな突飛な話を受け入れる素地が出来ていったようにみえる。

 

■ マルクス主義批判とソ連批判

意外なところにこの手品の受け入れ準備体操がまとまってるのを最近発見した。

それは「マルクス主義批判」というwikiの項目。

自由主義経済学者のミーゼスやハイエクは社会主義、共産主義、ナチズム、ファシズムは同根的な集産主義(collectivism)であり、計画経済や社会主義・共産主義が『独裁制の全体主義』に陥るのは必然的なことだったとの指摘をした[25]。

ハンナ・アーレントも『全体主義の起源』(1951年)や『革命について』(1963年)のなかで、ナチズムとソ連共産主義の大粛清の起源をフランス革命に見いだして批判した。

そういえばそんなの読んだな、といったところ。

しかしこっちは、もう名前見ただけでゲンナリ。

ズビグネフ・ブレジンスキーは「共産主義とファシズム、ナチズムは歴史的に関連があり,政治的にも類似している。(略)

ヒトラーのナチス・ドイツとスターリンのソビエト・ロシアはのちに大規模な戦争を展開する」が、これは「共通の信念を持つ者同士の兄弟殺しの戦争であった」「スターリンがナチであったと同様,ヒトラーはレーニン主義者であったといっても過言ではない」とのべている[29]。 

 

適当なこと言ってたんだなといった趣。

実際問題、レーニンをはじめとしたボルシェビキ第一世代は、英米+ドイツに担がれたロシアとその周辺に住むユダヤ人が多数を占める、ある意味究極の反ロシアだったので、

英米+ドイツが担いだヒトラーのナチズムと、反ロシアという意味で実際には非常に似ていた、

ぐらいなら今日、大変良い観察だと言いたいと思うけど(笑)、そこは隠して両方悪者にしようってな算段なわけで、汚い奴だとしか思わない。

そもそも、ブレジンスキーはアメリカ人じゃなくてポーランド人ですから、ナチも嫌いだがソ連も嫌いだという視点は、ある意味彼の出自を考えれば理解可能なところだが、それが正しい観察なのかというと相当違う。こういうのを世界中の人にまき散らすのはまったく迷惑な話だった。

 

その他、てんこ盛りでいろんな有名人がいろんなことを言っているのが網羅的に載ってるけど、このへんの書物を一生懸命読んだり書いたりしてた人って、いったい何をしようとしていたんでしょう?

そもそも、マルクス主義の誤りなるものを発見したとして、それが何だというんでしょう? 理論に誤りは付き物だし、理論は背景、諸条件が合わなければうまく適用できないに決まってる。

また、共産主義体制批判とか言われても、ソ連は国土の一等地みたいなところが戦場となり、2700万人も人が死んだ後を受けて国家を運営していたので、復興に忙しくて、そんな批判なんかに大した興味は持ってなかったでしょう。

核兵器にも対応しないとならないし、宇宙開発もやってるし、原発も作り、戦闘機も作り、潜水艦やミサイルを使った防衛網の構築もあるし、全員に住まいを供給して(これは国家の義務)、医療制度を作って、学校作って教育して、と戦後はずっと大忙しの45年間だったでしょう。

西側で暇にまかせて金のために書き物をしていた売春婦みたいな人たちは、その間、ただ紙屑を生産していたのにすぎない。

 

■ ナチ・リベ勃興すら嘘に基づく

で、これらの識者というより臆病な物書きとブレジンスキー、キッシンジャーなんかのロックフェラーの家臣に引きずられたナチ勢が、なんだか知らないけどリベラル・デモクラシーこそ我等が誇り、みたいな仮面をかぶってベルリンの壁を破ったはいいけど、

ベルリンの壁の崩壊:ナチ・リベ勃興の日

 

これすら嘘のトークに彩られる。

ソ連は自重で崩壊したようなもの、というのは比喩的には本当だと思うけど、現実にはゴルバチョフは、西側の首脳との間で話し合っていく中で、騙された。

  • ベイカーは、シュワルナゼに、「NATOの範囲または戦力は東には動かないという厳格な(iron-clad)保証」を約束した。
  • そして、同日、モスクワで、ゴルバチョフに対してあの有名な一言が来る。この同盟(NATO)は「東には1インチ」も動かないという、それ。
  • 1990年2月、ドイツのヘルムート・コールも、同じことをゴルバチョフに語る。

NATO東方拡大:ゴルバチョフはマジで約束されていた

 

ゴルバチョフは、平和的な関係を構築できると思ったわけですよ。

ところが、それを西側は、ソ連の敗北と売り込んで、負けたからには俺らの言うことを聞くのが当然だとばかりにソ連と衛星国群を解体した。

駐ソ連のアメリカ大使だった人などは、後に、ロシアを敗者のように扱ったのは間違ってるという論考まで出してる。当事者間ではそんな認識ではなかったことの証左ですね。

アメリカの元駐ソ連大使
Jack F. Matlock Jr
The U.S. has treated Russia like a loser since the end of the Cold War
(米国は、冷戦終結以来ロシアを敗者のように扱ってきた)
http://www.washingtonpost.com/opinions/who-is-the-bully-the-united-states-has-treated-russia-like-a-loser-since-the-cold-war/2014/03/14/b0868882-aa06-11e3-8599-ce7295b6851c_story.html?tid=pm_opinions_pop

ウクライナ動乱:NATO東方拡大問題(1)

 

■ 軽薄さ

だが、いろいろあったけどロシアは死なず今度も復興した。ということは、上であげたような諸事実は、語るべき人が語り、今後も語っていき、それが現実の政治の基礎になる。ロシア人が生きている限りそうならざるを得ない。

「リベラル」勢からすれば、これじゃナラティブを管理できない。嘘は嘘でしかない上に、さらに今までの嘘がばれるところまで来てる。

 

プーチンの悪魔化を懲りずにやっている理由もここにあるんでしょう。この変な人がいなくなれば、私たちは元の妄想に安住できるのに、ってやつ。

こういう具合にプーチンを茶化し続けているは、この「変人」を人々に真面目に受け止めさせてはいけない、という戦略なんじゃなかろうかと思う。自分たちが軽薄なだけでなく。

 

彼のやっていることはこういうことだ、という絵柄を決して出したくない。

(レニングラード包囲解消の日に献花するプーチン。2020年1月18日)

 

彼の背中には、無数の人間とその人間を生み出した先祖たちが付いていることを決して見たくない、見せたくない。

(5月9日好例の「不滅の連隊」パレード。大祖国戦争で亡くなった父や祖父、曾祖父たちの写真をプラカードにして集まる)

 

■ オマケ

反ソ・親中のスタンスを取った日本の「リベラル」に関しては別途まとめたい。


 

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2 コメント

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ポーランドでもそうだった (И.Симомура)
2020-06-01 09:08:35
ウクライ政権転覆とクリミア併合の時代,図のようなプーチン悪魔化はポーランドの進歩改革派の『選挙新聞』に著しかった.それまでの教養主義をかなぐり棄てた反知性主義ともいうべき論考が,外部寄稿者のものとして多数見受けられた.主筆ミフニークのアリバイ工作である.救いは少なからずの映画監督と俳優,芸術家と文化人,等の教養人が一貫してロシアへの共感を公然と表明したことだった.年代でいうと,社会主義ポーランドで無償大学教育と卒業後の職の確保という社会主義プログラムの恩恵を得た世代である.実はミフニークもそうなのだが.この国民の価値観は,相手との論争に勝てるならば,その為には思想信条を転向せしめることも恥ではない.だからロシア人にガツンとやられるのだ.
根強いロシアのリベラル (石井)
2020-06-02 21:49:14
「ナチ・リベ論」は現代史の本質にかかわる重要な論点であり、ブログ主様の主張に深く同意するものです。これに関し最近、youtube上で面白い論争がありましたので少し書きたいと思います。

コトの始まりは、5月頭に国営第二放送といえるロシアテレビのニュース専門局「ロシア24」で放映された映画監督ミハルコフの「ベサゴンTV」の内容です。
https://www.youtube.com/watch?v=MEtaaNNuVCI
ビルゲイツワクチンの陰謀、人口削減、現下の危機を利用したネット授業による愚民化、将来の安価で低劣合理化された遠隔授業の予行、デジタル化による人間の疎外を述べた番組タイトルは、「誰のポケットの中に国家はあるか」でした。放送はされました。が、通常、晩の放送が深夜になり、再放送が中止、その後局側から打ち切りを通告されたということです。喜んだのは、反政府側の「リベラル」連中で、満面の笑みで、ビルゲイツの陰謀論の滑稽さを扱き下ろしていました。

国営放送から追い出されたミハルコフはyoutubeでの番組継続を発表。初回の番組がこれです。
https://www.youtube.com/watch?v=tBzQS1wf_RE
この中で国営放送側の理屈はこうだと言っています。「国営企業が国営企業を攻撃するのは宜しくない」ミハルコフの番組により、ロシアテレビがズベルバンク(元はソ連の貯蓄銀行、現在ロシアで最大)を攻撃したという言い分です。(ゲイツワクチン陰謀説は無関係)問題になった番組で、ミハルコフが引用したのは、ズベルバンク社長ゲルマン・グレフのスピーチ。「仮に大衆が自我に目覚めたとすれば、彼らを操作するのが困難になる。知識を得れば人々は操作されるのを嫌うだろう。」彼ほど明け透けな語り口はSSのヒムラー、ボルマンが「下等人種に教育は必要ない」としたことを思い起こさせる。

ここで、ミハルコフは明らかにリベラルとナチスの同一性を具体例を以て示しています。放送後、ミハルコフ支持派と、反対派の間で論争になっています。が、面白いことに反対派(リベラル)は、グレフの件には一切触れません。グレフは、90年代に中央政界に入り込んだ日本語では「急進改革派」と呼ばれているリベラルです。僕が見るところではロシアのリベラルには2種類あり、ひとつは西側で「民主化の旗手」と呼ばれているナバリヌイに代表される「反政府側リベラル」。もうひとつは、90年代に政権内部に入った「政府内リベラル」。反政府側リベラルはプーチン打倒を叫び、街頭活動をし、テレビでは口を極めてプーチン非難をしています。政府内リベラルは、特に経済政策でプーチンの足を引っ張っています。この勢力が意外と現在でも根強くクレムリン内にいます。西側が新自由主義、金融資本主義全盛の時代にロシアもそれなりに合わせるために彼らを斬れなかったのかも知れません。首相が交代し、ある程度駆逐されたと思っていましたが若い大臣の中にも明らかなリベラルが何人かいるようです。

ナバリヌイ、グレフ、チュバイス等を見ていると、ロシアのリベラルというのは、エリート意識が異常に強く、今だけ金だけ自分だけという風情で、何の理念も感じません。逆にそれが、今の若者の欲望をモロ出しにする風潮に合っているのかも知れません。プーチンのスピーチはいつも完璧で正論過ぎて退屈だとされているように思います。

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