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多分これも一極支配妄想のツケ:技術編 (2)

2019-04-18 19:15:11 | アジア情勢複雑怪奇

F-35の墜落機体はどうしたんでしょうか? まだ見つからないのかしらと思ってF-35で検索したら、

墜落F35、中国とロシアが「よだれが出るほど欲しがる機密」の正体
旧西側諸国全体の防衛態勢にかかわる

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64202

 

全然読んでないんだけど(笑)、この見出しがもう情けない。F-35は欠陥機、少なくともその値段に見合ってないというのは今日に始まったことではなくて、もう何年も言われてる。

ドイツ、米F35は買わないことにする

特にそのステルスがどうしたというのは、下らなすぎて真面目に考えてる層は真面目に受け取ってないと思われる。

レーダーに捕捉されないというのは、防空能力がないとか、ほとんどお飾りみたいなものしか持ってない国相手にはあり得るだろうが、軍事的に能力の高いところにとっては、なんらかのシグナルを検知できないわけないだろー、というお話。補足しようと思ってる物体、すなわちF-35は燃料もやして高速で動いている物体なんだから、そりゃシグナル出しまくりだよねと考えると、そりゃまぁ当然だろうと思うしかない。

 

そんな中、中国にはロシアからSu-35が最近納品された。

Russia completes deliveries of Su-35 fighter jets to China

http://tass.com/defense/1053967

 

Su-35は、エジプト、インドネシアも購入する模様。

そしてまた米政府が、買うんじゃねーと脅しをかける。

Pompeo threatens to sanction Egypt if they buy Russian Su-35 fighter jets

https://www.almasdarnews.com/article/pompeo-threatens-to-sanction-egypt-if-they-buy-russian-su-35-fighter-jets/

 

中国はS-400も導入してロシアとの間でトレーニングもやってる。つまり自前の開発も話題になるが、防空まわりはロシアの最先端に近いものを常にアップデートしている状況。

 

で、今日、メジャーには語られないが、しかし、進んでいることは間違いないだろうというのは、ロシアの復活による余波は当然のことながら航空機全般に及ぶ可能性があるということだと思う。つまり、民間機の問題。

民間機は、ボーイングとエアバスがほとんど独占状態でこの30年ぐらいを過ごした。ではライバルは誰か。

中国とロシアではなくて、ロシアと中国なんだろうと思うわけですよ。だって、ソ連はソ連圏全体で自前の航空機を飛ばしていたわけだから実績があるわけでしょ。

そこがソ連崩壊という経済崩壊に伴い、資本不足だったり混乱だったりで航空機産業が壊れたに近い状況になった。

これを、ソ連のモデルは遅れていたから、という具合に西側メディアは宣伝していたわけだけど、よく考えると、航空機って70年代ぐらいのモデルから著しくは変わっていないわけで、問題は資本の有効利用と経営に失敗した、負けたという話だったんじゃないだろうか。そもそも兵器ラインが無事なのに民間航空機で技術力がないというのはおかしいでしょう。

見た目とか人の乗り心地といった要するに家でいえばインテリアの部分と躯体の問題は別。

であれば基礎技術があって、ソ連時代の製造と運航の実績はそのままデータとして活用できるロシアは、西側の独占に対する主要な競争相手と考えるのはリーズナブルではなかろうか。

そもそも、プーチンが乗ってる大統領専用機は国産。何機かあるけどイリューシンのがよく使われていると思う。私がカッコいいと思ってるから目につくだけかもしれないけど。

 

にもかかわらず、こうは書かないところが西側の何かこう、へんな作戦があるんだろうと思う。その代りに、中国がライバル、中国がライバルと書いてきた。

ロシアの方は地道に一歩ずつMC-21の生産ラインを構築して連続生産体制に持っていっている。

Serial production of MC-21 jet to start in 2021 — deputy PM

http://tass.com/economy/1046491

 

MC-21は2017年に初就航、その後国内大手のアエロフロートで使っていて、販路をエジプト、アゼルバイジャン etc.に伸ばしている。まだまだとても小さい所帯。

wikiのMC-21 日本語版はちょっと古い。

 

また、最近は、ロシアと中国は航空機分野でも協力の方向に行っているとみられる兆候はいくつもある。ワイドボディーを共同生産しようとしているとうのもどこかで読んだ。

これってまぁ、西側的には潜在的に脅威でしょう。

だから、ロシア向けの制裁の中身は、分野としては資源と軍事、詳細にいえば部品調達問題であろうといわれている。もちろん、制裁をかける側はそれをロシアは超えられないと勝手に想定するわけだが、クリアされている。上で考えたように、冷静にみれば、ジェット機自前で作ってきた人たちに向かって、ここを止めたらあいつら干上がると考える方がおかしいわけだが。

 

で、思うに、これって、1年半ぐらい前に書いた技術分野も一極支配妄想でワヤになってるという話と同期すると思うな。

そして多分、様々な媒体で、現在の世界中に広がりまくってるアメリカ軍の動向についてもういい加減一回仕切り直せと心配している人たちの中には、単なるモラル的なものだけでなく(これはもちろん重大なのだが)、テクニカルな懸念をしている人もいるだろうと想像する。

で、私の理解は、だからこそ、囲い込んで売りまくってる、ってもの。

これはつまり、大企業がこぞってWindowsを導入した。ばんざーい、これが世界一だという理屈と一緒。

しかし、それは Windowsが未来永劫テクノロジー的に優位であることを保証しない。が、しかし、囲い込んだから商売にはなる。だから止められない。

 

なんでこうなったのかというと、自分しか強いものがいないと思いすぎたからでしょう。真面目に技術的正直さを追求するより、プロパガンダで「世界一」を売り込み、政治的に他から買わせない仕組みにした方が楽だったと。だから、これも一つの一極妄想のツケだと思う。

多分これも一極支配妄想のツケ:技術編

 

ふと思うに、資本主義と独占という話は昔からあるが、独占は妄信によって凋落する可能性もある、というのはマルクスの頃には読めていなかったのではなかろうか? マルクスは江戸末期の人だからテクノロジーの伸張と展開を予想しろというのも無理な話だが(笑)、でもなんか興味深い展開を見ているような気がする。

 

■ オマケ

で、上の記事を開けてみたが、

水没しているF35Aの機体は、米国に遅れてステルス戦闘機「Su57」を開発したロシア、同じくステルス戦闘機「殲(J)20」を開発した中国にとって、よだれが出るほどの宝の山といえる。

F35Aの秘密を探れば、自国のステルス機開発に役立つばかりでなく、F35Aの弱点も同時に把握することになり、ステルス機が競い合う第5世代戦闘機同士の戦いで優位に立てる。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64202

 

ステルス機同士が争う戦争なんて全然どこでも想定されていないと思うわけだが・・・。普通に防空システムの複数配備と戦闘機がメインなんではないの?

戦争というより、この筆者が言うのは性能比べみたいな「戦い」か。youtubeでどっちがエライか比べようーみたいな。あはははは。

でさ、こういうちょうちん持ちみたいな馬鹿な記事を次から次から出していくことが、今度はオーディエンスの愚昧化に拍車をかけるわけでしょ。

こういうライターも、「真面目に技術的正直さを追求するより、プロパガンダで「世界一」を売り込み、政治的に他から買わせない仕組みにした方が楽だった」という仕組みの一部なわけですよ。

何に使うかも考えずに、とにかく買わせる必要がある、俺はそのために書いているという下級セールスマンみたいな存在だね。

で、悪質なセールスマンによって人々が馬鹿なストーリーを信じると、政府はへんなものにも金を出しやすくなる。それによってどこかで儲ける奴らがいるだけで、一体その物体が何に使わるのかの問題にはなんら関係がないし、技術的正直さにとってはマイナスを呼び込む動きでしかない(俺は頂上だと叫ぶわけだから、問題を直視できなくなる)。

 


 


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1 コメント

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F35は戦闘機か、「高価な軍事用玩具」か? (ローシャン)
2019-04-19 23:15:14
スプートニク日本の記事と比べると、かなり日本の新聞記事は浅はかですね。
「搭載するエンジンはわずか1基。これは機体の軽量化と操縦性を大きく高めるが危険も高まる」
とか、「この型の飛行機は防御性が極めて低く鳥と衝突しても壊れる」とかまるでわがゼロ式艦上戦闘機のようにデリケートだ。まさか格闘戦を想定して設計した?

軍事専門家のユーリー・クヌートフ氏は「F35Aの最大の問題はソフトウェアにあるとしている。」
近年事故の多発しているイージス艦もそうですが、相互にコンピューター機器を使った戦争というのはまだ未知の領域ですね。案外ソ連時代のミグ戦闘機が一番強かったりして・・・

4機編隊で飛んでいた1機が落ちていまだにどこかわからない、作った本人が盲目で制御できないステルス機って戦闘に使えるの?

この記事お勧めです。私の様な素人でも面白く、よくわかりました。

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