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日本人の英会話講師:M先生にインタビュー


英語の発音を専門で教え始めて13年目。先生自身の発音習得方法、私たち、日本人にとって理解しやすい上達プロセス別の発音指導法など、Megu先生へのインタビューです。

Q1:先生ご自身の英会話習得法を教えてください。

英会話としては、いまも習得中です。学生時代や20代までは特に目標があって絶対こうなりたいとかそういうのがなかったです。ただただ、喋りたいだけでした。映画や洋楽が好きなので、それらをストレスなく観たい、聴きたいという感じで、人様に伝えられるような「私はこうして習得しました」というのが実はなくて・・・ただやりたいからやっているだけという感じでした。
その頃は目に見えてぐんぐん上達している感じはなかったです。
好きな歌は何度も聞いて歌詞を一緒に歌っていました。その当時は定番ですとビートルズしたね。

今、現在の習得法は?

20代の後半から、英語が使える何か仕事をしようと思い、勉強よりも先に就職先を探してしまったのです。英会話スクールで働くことになって、そこでちゃんと勉強しなきゃと思いました。たぶん、一番効果があったのはTOEICを受けようと思って、目に見てわかる目標がいいかなと。TOEICの問題集をひたすら解いていました。

TOEIC受験が目標になって、集中できますね。

そうですね、
その前から文法など分からないことは調べたりはしていましたが、「何となく分かれば良しOK」だったのを、問題集を解いて「え?なんでこの語順なんでなのだろう?」とか「相手に説明できないなー」と思ったら、必ずきちんと調べて自分の中で消化させることを丁寧に行いました。それは今も継続しています。

目標の点には達しましたか?

はい、当時の目標点はクリアしました。10年くらい受けていないので、もう少し子育てに余裕ができたら再受験しようと思っています。TOEICだけではなく資格試験は受け直そかなぁと思っています。

英会話スクールで働きつつTOEICの勉強をしたのですね。

そうですね。職場ではネイティブの先生が何人か働いていたので英語を使わなければいけない状況でしたので、自然とレベルが上がっていったのと、普段使わない単語なども使わないといけない機会もありましたので、その都度調べて覚えるとかの日常でした。

20代後半から発音に特化したと書かれていますが、
どの様に、それ学び・教えることを習得したのですか?

就職したスクールが発音に力を入れていました。
そのスクールの生徒さんに混じって自分も生徒としてレッスンを受けつつ、そのスクールでの仕事と並行して(教える側としての)発音指導法を教えてもらう、学ぶことと教えることを同時に行える機会を得られました。

具体的にどんなやり方ですか?

最初は「発声の基本」で、口の形、舌の使い方、息の出し方、喉の奥がどうなっているか?それらの組み合わせで、どのような音がでるか。音を確認しながら、一個ずつ母音から行っていきます。

だいたいどのくらいの期間そのレッスンは受けましたか?

仕事もしながらだったので、がっつり受けていたのは3〜4ヶ月くらいです。

アルファベット1音ずつ、26文字ですか?

どちらかというと発音記号の単位で一個ずつ。似ている音はセットで学んでいきます。

発音記号・・すごく苦手な方が多いと思いますが、見ただけでわからないってなってしまうのですが

私は「発音記号は、最初は無理に覚えなくていいですよ」とレッスンの時は言っています。1人で辞書をひくときなどは、読めた方が習った音がどうだったか、その場で出せる、わかると思うんです。

発音記号が読めてわかって、例えそれが言えていても、果たして正しいのか?自分でジャッジしづらいですが、先生ご自身ではどうやって?

自分では確かにジャッジできないので、先生が「今の音でOK」と言われたら「ああ、できているんだ(一安心)」と。指摘してもらいながら調整していきます。

Megu先生の「I got it」の動画がとても好評です。動画を見て、発音やってみたいという生徒さん多いと思います。

Q2:どんな生徒さんが多いですか?
どのような課題や悩み・希望を持っている方が多いですか?

初心者の生徒さん多いです。
ご本人が初心者と言われる方が沢山なのですが、実は皆さんそこそこ喋られるんです。色々な先生と英会話のレッスンをしているけれど伸び悩んでいたり、ちょっと違う観点から発音をやってみようかなと思われたりの生徒さんですね。
あとは、先生も其々に特徴があって、英会話を教えている先生も必ずしも発音を教えるのが上手い訳ではなくて、発音も指導してもらっているのだけど、「どうも変わった感じがしない。だから、発音が専門の先生から習ってみよう」。そういう生徒さんが一番多い印象です。

Q3:Q2に対して、どのようなレッスンを行っていますか

生徒さんのご希望があれば[細かい音]もしますが、音よりも[全体的にスムーズに読めているかどうか]。日本語のイントネーションにつられていないかどうか。そういうことをメインでやっています。

生徒さんの言ったこと、イントネーションをそのとき修正していく形ですか?

そうですね。
わかりやすい例でいうと、Nice to meet you. ある程度英語ができる人だとNiceとmeetのところでポンポンと強調されるのですが、初心者の方だとNIce, to-, meet, youと、toのところがものすごく長くなってしまいがちです。
それが上級の方でしたら、前後の音との兼ね合いの中でのtoの音の説明をするのですが、それを初心者の人にすると考えることがいっぱいになってしまうので、トゥーとのばすのではなくトゥと短くしてください。「ナイストゥーミィーチュー」ではなくて「ナイストゥミチュ」で感覚を掴んでもらいます。それはあえてカタカナも混ぜて、日本語だとこうだけど、英語だとこうですよと、上達段階に合わせて分かりやすく説明しています。

上級の生徒さんの発音の悩みはどんなものですか?

よくあるのは、独学でいろいろご自分で勉強されていてとてもお上手なのですが・・でもリスニングをした時に、「前置詞やBe動詞が聞き取れない。何故だ?」となった時に、「自分の発音がおかしいのじゃないか?」と。
実際に例文を読んでいただくと、自分が聞き取れない音をはっきり発音されているケースが多いです。
つまり、そういう音が聞こえてくるはずだと思われている音が聞こえてこない感じです。
辞書上の音はあっている(音としては正しい)けれども、会話をした時には音が出過ぎてしまっていてうまく言えない。早く話せないです。早い音を聴き取れない状態です。

ハイレベルすぎて、例文があればお願いします。

例えば、I’ll have a cup of coffee(コーヒー一杯いただきます。).
初心者の方であれば、haveとaをくっつけて「ハバァ」、cup ofをくっつけて「カッポブ」になります。コーヒーではなく「カーフィ」カーを伸ばしましょう。
「アイルハブア カップオブ コーヒー」でなく「アイ(ル)ハバァ カポブ カーフィ」にしましょうね。

上級者の方だとこれは読めます。しかし実際のネイティブ同士が話した時「アイハ カポ カーフィ」となるので、さらに速いです。
じゃあ今の自分の発音と実際ネイティブ同士が話している時に何が違いますか?というところで、I’llはほぼ言っていないです。「アゥ」くらいです。Have aのところもaがくっついてハバァだとはっきり出過ぎているので、ほとんど言ってないです。「ハヴ」くらいですかね。一瞬です。
Cup ofも「カッポブ」だとはっきり出過ぎているので、「カプ」になりfの音はほとんど言ってないです。そういうところに気をつけてもらって、coffeeという一つの単語にしても、初心者の方ではカーのところがきちんと伸びて言えていれば問題ないかと思うのですが、さらに上に行きたい生徒さんは伸ばすだけでは物足りなくて、出だしのcの音は息をいっぱい使って「クッ」の音が強くはっきり出るかどうか、ですね。

すごいです。どうやってそこまで音の出し方を、研究しているのですか?

そうですね、多分そのスクールで最初に習った部分というのは先ほど話した音の単位、練習だけでした。
そこから次、その部分が自分もすごく苦手で、早くスムーズに読む、苦手でした。その時一緒に働いていた上司やネイティブの先生からは「とにかく読め」と。
「とにかく音に出して読む。音は全部分かっている筈だから、とにかく慣れるしかない。CDの音源だったら同じスピードで読めるように、とにかく読みなさい」と

ベースがあって、そこでどんどん読めるように、自分で正しい音が出せるように自然になっていくという感じですか?

そうですそうです、すごく地道な練習です。

すごく、果てしないというか、すごく地道に、ですね。

はい、私は仕事として教えているのである程度重箱の隅つつくようなところもありますが、生徒さんには「そんなにやらなくて良い」と言っています。
今の自分もそうですが、発音が良くても、結局は英会話ができないとです。発音ばかりを突き詰めてしまっても、会話をする時間を取らないと宝の持ち腐れじゃないですが、意味がないですしね。

Megu先生はオリジナルのテキストを使っていらっしゃいますね?見せて頂くことはできますか?

はい、音のレッスンの時に使うものをご紹介しますね。アイウエオの「イ」の音です。

細かい音を練習したいという生徒さんには「これで今日はイの音をやってみましょう」という感じでレッスンをします。

※英語の読み方を文字でお伝えするために、無理やり、カタカナで表現している箇所もあります。

どのくらいのテキストのストックがありますか?

音ごとに作っているのでテキスト自体は24ページあります。それ以外にも補足資料がありますが、基本はこの24枚です。生徒さんにもよりますが1レッスン25分で1ページの目安です。

子音は、たとえば「tとd」など息だけの音と声を出した音がセットになっていることが多いので、1レッスンで[仲間の音]としてセットで行うことが多いです。

あと細かい発音よりも流れ(文章)でやりたいという人は、動画であげた【I got it】のような短い例文をやっています。

Q4:英会話学習者へのアドバイス・メッセージ お願いします。

「発音はある程度の年齢になってからだと上達しがたい、無理だ」と諦めている方が多いように感じています。
100%完璧なネイティブのような発音はなかなか難しいとは思います。ちょっとしたコツだったり、読み方だったり、クセを修正するだけでガラッと変わるものです。ですので、
気負わずに、絶対上達するものなので、ぜひ一緒に頑張りましょう!「発音は無理だから文法をがんばろう」とか、全然そんなことはないので頑張りましょうね。