火曜日
油は世界中どこででも燃える。
車は世界中どこででも動く。
リンゴは世界中どこででも食べられる。
しかし現代のお金はその国でしか使うことができない。
私の机の中には、少額だが、ある小さな国のお金がある。かれこれ20年間、机の中に入ったままだ。使いようがないのである。
使えないわけではないのだが、それを使えるようにするためには、それを円に換えなければならず、そのためにはそれ以上のお金がかかる。
外国通貨は日本では使えない。しかし無価値ではない。その外国に持って行けば、その通貨は価値を持つ。
つまり現代の通貨は、地域限定なのである。
いまの世の中で法的に地域限定にされているのは、核・麻薬などの危険物を除けば、お金だけである。
そういう意味で今のお金は非常に不便なのだ。
この不便さが何をもたらすか。
(ただ歴史的に見ると、この現象は紙幣の発明以降に発生したことである)