脱走すればよかった。 | うしろむきだけど、まえむきに

うしろむきだけど、まえむきに

一人暮らしになりました。
ひとりになってからの、ひとりになる前の思いを少しずつ綴っていきます。

私たちが帰る時間と

入れ替わりに来てくれる、

夜間スタッフさん。

 

リタイアされたおじさんたちです。

 

その日、メールが入りました。

お母様が緊急入院されて

急遽、別の人と替わってもらうという

連絡でした。

 

ムリしないようにと、返信しましたが

次の日は無事、出勤されました。

 

お母様は、大腿骨の骨折で

入院されておられたのですが

 

入院中、低栄養になられて

結果、具合が悪いことに

整形の主治医が気が付き、

 

別の病院に、緊急入院するよう

手配をしてくれたとか…。

 

かなり厳しい状態だったのが

危険は脱したとか。

 

「良かったね」と言いながら

心がざわつきました。

 

大腿骨の骨折。

低栄養…。

 

あの時と、おんなじや。

 

あの頃の、私たちの主治医は

 

「自分の祖父ならば

ムリして長生きさせようとは思わない」

と言い放ちました。

 

「もう整形ではすることないから

内科に転科したら?」

 

だったら早く

退院させてほしかった。

 

ほとんど話をすることもなく

ぎりぎりまで整形に入院させられ

見かねて話をした挙句のセリフでした。

今でも、心がちぎれそうです。

 

スタッフさんがうらやましい。

そんな主治医にかかりたかった。

 

お母さん。

私、お母さんを車いすに乗せて

脱走すればよかった。

 

脱走すればよかったよ。