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コスモタイガー漂走記~熊野古道伊勢路編(4)

2018-11-22 | 熊野古道伊勢路run!!

★ブログ上は2015年♪名古屋ネタです★

曇ってはいるものの、うっすらと日が差している。
ピークを過ぎたとはいえ、まだ夏の余韻が残る9月下旬。
これぐらいの方がちょうど良いんじゃないの?
まさに旧街道run日和だ!

というより、世間は平日ながら、コスモタイガーはやっと取得できた遅~い夏休み。
貴重な一日なんだから、躊躇している暇はない。

などと思いつつ、自宅を出て、名古屋駅から近鉄で松阪駅、そしてお馴染みの熊野古道特急バスに乗換。
慣れた道♪

なーんて油断すると痛い思いをするんだよ。
東海道から始まった旧街道run、すでにベテラン?の領域のはずなのに、やっちゃったよ~。

国42を快調に進むバス。
窓は滴に濡れ、途中から完全に雨模様。

今日のスタート地点、梅ヶ谷停留所に降り立った時には、もはや完全に土砂降り。


尾鷲地域は日本で最も雨が多い、って偉そうに講釈ぶったばかりじゃねーかよ!
尾鷲地区の天気予報、チェックしてこなかったのかよ!

ここ梅ヶ谷は、熊野古道伊勢路の大きな拠点、と前回書いたのには理由がある。
ここで熊野古道は二手に分岐。
「ツヅラト峠」と「荷坂峠」、別々のルートを通るのさ。
どちらのルートも一部は世界遺産に指定されている。

どっちにしようか、いや、両方走ろうか、それならそれでどっちを先に走ろうか、など妄想ばかりしてて、今この時点でもまだ迷っててね。
仕方ないから両方の資料を持って、今日張り切ってやってきたのは良いんだけどね、天気予報チェックという初歩的な動作を怠ってしまったのさ。

元々はツヅラト峠が「本道」だったんだけど、江戸初期に紀州藩によってバイパスとして開削されたのが荷坂峠。
だから旧街道runの元々のコンセプト、江戸時代を偲んで~ということなら、荷坂峠を走れば事足りるだけどね。

でもツヅラト峠も外すわけにもいかない。
ってことで、ツヅラト峠は次回、ということにして、今日の悪条件なら、多少は走りやすい「バイパス」の方を走るとしましょうか。

現代の道、国42も、この荷坂峠ルートを継承している。
ってことで、まずはこのまま国42を直進。
前回、顔だけ出したJRの「梅ヶ谷」駅も素通りだ。

実際の熊野古道は、この駅前辺りから、左に逸れていると思われるんだけど、現在は跡形もない。
小川を渡ってすぐ、民家の間に分け入るような小道を左折するしかなさそうだ。

「コ」の字型に走って再び国42に戻る。
200mも走れば、右斜めに分岐の小道。

もちろんこれが熊野古道。
木製の道標も建てられている。

緩い上り坂、静かな集落の中を走る。
旧街道らしい、静かな風景だ。

もっとも、200mぐらいでまた国42に合流なんだけどね。

まぁでもしばらくは国42とくっついたり離れたり、が続く。
両側に山が迫ってるだけに、旧道は人の気配もなく、雨の音だけが耳に入ってくるようだ。

どれほど走ったかな?
右手にプレハブ小屋のようなものが見えてきた。

ここで国道とはしばらくのお別れ、いよいよ荷坂峠越えだ!
入り口には、説明書きがあって、我々余所者を受け入れてくれる。(冒頭写真

いきなり足元はぬかるんだクロカン道。
ただでさえ日も差さなさそうな山の中、この生憎の天気で、より鬱蒼とした感がある。
道幅が広いのが若干の救いではある。


国42に再度出会うと、右手に荷坂トンネルが口を開けている。
このまま国道を横切り、トンネル横の山道を登るよう、案内板が設けられている。

ここからが世界遺産指定エリアだ。
もちろん行くしかない!

誰にも会わない。
平日だしね。
雨だしね。
山の中だしね。

雨は少しだけ小降りになってきた。
酷暑よりマシだよ。

緩やかに登ってはいるものの、さすがにバイパスとして作られただけあって道幅も広く、走りやすい。
さらに素晴らしいのは、世界遺産ということで、標識がほぼ100mごとに完備されている。

1/12、2/12、3/12、…。
つまり世界遺産エリアとしての荷坂峠は、1200mってことですね。

約5分ほどで、荷坂峠頂上らしき場所に到着。
案内板と簡易ベンチがあるものの、見通しは全然良くない。
シャメだけ撮ってすぐに下りに入る。

行政区域は、「度会郡大紀町」から「北牟婁郡紀北町」へと変わったようだ。

すぐに標識があり、坂道を上ると「沖見平」という高台に出るらしい。
名前の通り、海が見える。
…と言いたいところだけど、この天気じゃ見通し全然悪く、何も見えない。

仕方ない、戻ります。
降りてすぐ、足元に目を凝らすと、三本松長八茶屋跡、の立札。
詳しいことは知らないけれど、長八さんがやってた茶屋なんだろうね。

分岐点に出た。
標識が「明治道」と「江戸道」を示している。
どちらも正規の熊野古道には違いないんだけど、大半のガイドブックや資料が「明治道」を薦めているからね、ここはそれに従う。

まぁ似たような分岐は東海道や中山道等でも経験してきたけれど、「新しい方が通行しやすい」のが鉄則だよね。
旧道の険しさを克服するために新道を作る。
現代の車社会にも通ずる当たり前の話だけどね。

源流近い小川のせせらぎを聞きながらの起伏走は気持ち良い。
確かに明治道で正解だ。

江戸道と再合流、しばらくして何やら両側に石垣が現れた。
猪垣といって、猪が畑を荒らさないよう、仕切ってあるんだね。

足回りのしっかりした林道に合流。
気味悪いぐらい、誰にも会わない。

徐々に標高を下げ、舗装路になった。
再び猪垣を目にしながら走ってしばらく、左手に一里塚石仏碑。
かつては塚もあったらしいが、現在は石仏のみが静かに残されている。

小川に沿っての1本道で、快調に足が進む。
国42をアンダークロスすると、民家がチラホラと道なりに見えてきた。

庚申塚、集会所。
街道らしい目印もあり、気持ちが切れることは無い。

と同時に、雨足が再び強くなってきた。
普通なら中止にしてる状況なんだけどね。
こんなところで止めれるかよ!

久しぶりに車の走ってる音がする。
国42が左から近づいてきて、合流。
目の前は「道の駅紀伊長島マンボウ」。

ここは景色の良い道の駅として、東海地区では有名だ。
熊野灘臨海公園の中にあり、眼前には広大な「片上池」という名の干潟が広がっている。
池を周遊する散策コースも整備されており、のんびり過ごしてみたい場所ではある。

といいつつ、この天気では寄りたいとも思わない。
すぐ右に曲線的な道が、民家の裏を通るように伸びている。
半月のようにぐるりと回る旧街道。

そしてすぐ国42と再合流するものの、またさらに100mほどで右に分離。
そしてやはり、民家の裏を行く生活道路の感じだ。

400mほどで国42との交差点。
ここは歩道橋で渡り、そのまま住宅街の中へ入っていくのが旧街道。

住宅街、と言っても人通り少なく、ひっそりしてるけど。
信号もないけど、ちょっと広めの十字路に出て、左に目を移せば、そこにJRの紀伊長島駅がある。
特急「ワイドビュー南紀」も停車する主要駅なんだけどね。

すぐに信号があって、そこを直進するのが熊野古道。
交差する道は、駅前ロータリーに直結してるだけに、対面通行の立派な道路だ。

ここを右折すれば国42や国422。
大きなスーパーも数件あるようで、車社会の現代、人の流れはそっちに移ってるってことなんだろうね。

踏切を渡れば県道766号に合流、そのまま流れに沿って県道を走る。
某電話会社のビルを過ぎ、川を渡れば、道なりに左へ。

魚まち。
この辺が紀北町(旧長島町)のかつての中心と思われる。

車がやっと1台通れる細いメインストリート。
そしてあちこちに昔からあったであろう裏路地がある。
昔ながらの港町の風情が素晴らしい。


十字路に出た。
右前方が駄菓子屋(雑貨屋?)になっているのが目印だ。
ここを右折。

港町らしい路地裏風景がさらに続く。
雨の影響で人通りが少ないのも、さらに良い。

国42にぶつかって、静かな時間は終了。
左折し、つまらない国道runとなる。

左手、ポツンと建つ鉄筋の建物は、紀北町地域振興会館。
消防署も隣接している。

この3回に資料館があることはリサーチ済だが、この天候での寄り道は体冷やしそうだし、そもそも寄る気にもなれない。
そういえばこの先に温泉があったから、そこまで頑張ろう!

海沿いに出た。
灰色の冷たい海。
涼しさを通り越し、寒々とした感じで、9月下旬とは思えない。


しばらくは国道を走るだけ。
晴れていれば、港町から見る青い海と、周囲の緑が調和して、さぞかし素敵な風景に違いないんだろうけれど、この状況では脇目も振らず走るしかない。

「加田」「加田西」の信号もそのまま直進。

干物屋さんがあって、そこから左に分岐する細い道が熊野古道らしい。
ここからまた峠越えなんだよ。

「一石峠」。
まぁ、大した峠じゃないと資料にはあるけどさ、この雨の中、気が重いなぁ。

案内板は完備されてるけれど、雨の中、淡々と峠道が伸びている。


それでも何とか頑張って、5分ほどで峠の頂上。
もっとも見通しも悪く、特に語るようなものもない。


長居は無用!
すぐに下る。

目の前にゲートがある!
通れない!

と錯覚しそうだけど、ここは脇に通れるスペースが設けてあって、ホッとする。
ゲートの対象は車なんだね。

ここで舗装路に出た。
横切るのは県道581号線。

そしてここを右折して、県道を下ることになる。

この県道とは400mほどのお付き合いで、その先、左に分岐、坂を下りていくのが熊野古道らしい。
古里(ふるさと)集落に入ってきた。
あとひと踏ん張り!

見えてきた!
「←きいながしま古里温泉」の看板!

迷わず左折!
というより、ここは温泉だから、というだけじゃなく、熊野古道自体も左折。

集落の中、小道ばかりの変則5叉路。
街道はもっとも右の道らしいけど、もう迷いはない。
そのまま直進し、温泉を今日のゴールとしよう!

道なりに幟が立ってるから迷うことは無い。
着いた!
寒い!
ここでゴール!
おしまい!

温泉と言っても、スーパー銭湯ではなく、地域の公衆浴場に近い感じで、お世辞にも広くはないけれど、逆にそれが嬉しい。
お湯も良い。

ホカホカしてやっと心も落ち着き、体もサッパリできた。
さて、帰らなきゃ!

雨は少し小降りになったのが救い。
来た道を戻り、変則5叉路も直進。

「←一石街道→」なんて気になる道標もあったりして、もしかして温泉まで行き来した道がそれにあたる気がしないでもないが、リサーチ全くしてないし、もうそんな気持ちの余裕もない。

突き当りを左に折れれば、踏切を渡って国42に出る。
目線を右に移せば、道路の反対側に、松阪方面の三重交通の停留所。
熊野古道特急も停車する「古里」のバス停だ。

はぁ、まじ、疲れた。
パラパラ雨ならともかく、今日は完全な土砂降りだったもんね。

「熊野古道の荷坂峠を走った」という既成事実を作りに来ただけで、景色もあんまり楽しめないからね。
「現地の天気予報を確認する」という基本を怠っちゃダメだよね。
特に熊野古道は雨が多いからね。

快適な観光仕様のバスがありがたい。
暖房の効く車内で微睡みながら、松阪駅に到着。

案の定、松阪駅周辺は、路面が濡れてすらいない。
雨降ってなかったんだね。
信じられないけど。

それを見てさらにドッと疲れを感じた。
毎度の近鉄急行に乗換、家路に着くコスモタイガーであった。

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4 コメント

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おつかれさま (もののはじめのiina)
2018-11-23 09:50:13
旅に雨はつきものと心得ています。
        iinaの今回旅は、天気予報は曇りないし晴れだったのに、すべて雨でした。
でも、幸いに魚沼市の西福寺を訪ねたときだけ、が要った程度で、それもお店の傘を借用してますから、自前の傘は差さなかったです。

雨に煙る熊野古道は風情あります。しかし、土砂降りは ふり過ぎというものです・・・( ^ω^)

おつかれでした。そして、長いながい記事にも、おつかれさま。


   iinaの当該ブログ記事のアドレスをコメント上のURLに置きました。


土砂降り (コスモタイガー)
2018-11-28 13:15:35
そうです、土砂降りでした!

適度の雨なら、それはそれで風情ある古道となるんでしょうけど、さすがに土砂降りは厳しいですわ。
ゴールに温泉があって助かりました。

天気予報も100%ではありませんが、せめて現地の予報ぐらいはチェックしておかないとまずいですね。
特に山間部!
改めて良い教訓となりました。
温泉がゴール (ウォーク更家)
2018-12-07 17:31:35
土砂降りは不運でしたね。
私がこの様な状況んったら、迷わず中止しますが・・・

昔からのツヅラト峠と江戸初期の荷坂峠、両方を制覇しようなんて欲張りですね。
もっとも、どちらのルートも世界遺産だとねえ・・・
私だったら江戸初期の荷坂峠だけで大満足ですが。

そうか、土砂降りだと、足元はぬかるんで、ランニングどころではないですよね。

でも、温泉がゴールというのは最高でした!
土砂降り (コスモタイガー)
2018-12-10 14:02:27
更家様

おっしゃる通り、土砂降りなら中止すべきです!
人に聞かれたら、自分もそう云います。

ただ、現地に行ってから降り出したため、引っ込みつかなかった。
事前に現地の予報をもっと調べておくべきでした。
これは大きな反省ですね。
東海道でも同じ過ちしてるんですけどね(箱根の雪中行軍…)。

荷坂峠とツヅラト峠は両方とも世界遺産です。
その分岐点である「梅ヶ谷」は、贅沢な選択を迫られる場所なんです。

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