消えていく憧れの電動バイク | 電動バイク・EVスクーターユーザーブログ

電動バイク・EVスクーターユーザーブログ

マイノリティな電動バイク・EVスクーターユーザーの日常体験記。
メインの愛車はキムコ「サンボーイ」から、アディバ「EM100」に乗り継ぎました。
情報少ない電動バイクについて調べたり体験したりしたことを記録していきます。

こんにちは。来る者があれば去る者もあリ……諸行無常の響きが脳裏をかすめるストロベリンです。

 

電動バイク業界に新規参入するベンチャー企業がいくつかある中、裏でひっそりと生産中止を決められてしまうバイクたちがあります。それ以後、電動バイク事業から手を引く企業が多く、もともとの主体事業に戻っていくケースが多いです。ベンチャービジネスの悲哀。

 

私が電動バイクを比較検討し始めた2014年以後で言っても、数多くの電動バイクたちが消えていきました。リクエストインターナショナル「FUTE」、プロッツァ「ミレットLi500」、キムコは「サンボーイ」以降の電動バイクの新規輸入はせずといった感じで、その少し前までの玉石混交時代から残った質の良い電動バイクたちでさえ、どんどん販売されなくなりました。愛機のアディバ「EM100」も、先ほど見た限り公式サイトのラインアップから外れていたようです。

 

検討当時、購入候補にしていた「FUTE」

 

ところが、久しぶりに電動バイクショップ・スマートハートさんのサイトを拝見したところ、スクーテック「SZシリーズ」とテコ「ビジネステコ」にまで生産終了の文字が。驚きと同時に残念な気持ちになりました。まだ在庫で流通している分はあるかもしれませんが、新規の生産は終了したようなのです。本当だとしたら、電動バイク冬の時代をここまで頑張っていたのにと、やるせなくなります。もう一息だと思うのに。。。

 

この2機種はパワーもあり、バイクらしい走りをする電動バイクでしたので、市場にEV化の追い風が吹けば広がりそうだったのです。でも、残念ながらバイク市場にはなかなか風が吹いてくれません。さらに、愛機も含め、現役で販売中ではあるものの主力にはなっていなさそうな「BIZMOⅡ」「A4000i」などは定価40万円以上するので、質の良さとは裏腹に価格がネックと言われていた機種でした。

 

原付バイクで40万円以上と言われたら、ユーザーの食いつきが悪いのは致し方ないと言わざるを得ません。ガソリン代、メンテ費が浮くとはいえ、差額がすぐ埋まるわけではありませんし、バッテリー寿命を考えると、さらに差分が広がる状況も考えられます。EVにさほど興味がなければ、普通にエンジンバイクを購入してしまうのは世の常。

 

質実剛健をバイクにしたような「ビジネステコ」

 

しかし、「ビジネステコ」は開発から10年近く経ていてやや古さは否めなくはなってはいたものの、そのパワーフィールは他になく、エンジン原付バイクに匹敵する感動できる機種でした。バッテリー45Ahバージョンは航続距離も100km近くに達しますし、風除けのプラスチック部品は倒しても割れないタイプ。車体も頑丈そのものといった機種です。CVTモーターは最速60km/h近くにも達します。

 

一方の「SZ552RR」は特殊なコントローラーを搭載し、パワーのある電動バイクに特有のドッカンスタートを回避しつつ、伸びのある出力で最速75km/h近くまで伸びる原付二種タイプ。航続距離も長く、30km/h平地で140km。中国で部品生産を行っていたため車体には当たりハズレがあったと言われますが、そのパワーは唯一無二でしたし、他を圧倒したのは事実です。私もモニターをさせていただきましたが、初期加速ではエンジン原付二種バイクを越えるくらいありました。

 

トップクラスのハイパワー「SZ552シリーズ」

 

とはいえ、いくらエコだ静かだと言ったところで、一台の原付バイクに50万円近くの対価を払わせるのは大変なことには違いありません。それでも、これまで購入者が多数いたということだけで、「ビジネステコ」や「SZシリーズ」の優秀性は証明できるのではないでしょうか。

 

公式サイトにはいずれも生産中止の文字はありませんでした。もしかしたらメーカー側は、在庫を持たないで済む受注生産のような形を模索している可能性もあります。でも、もしこれらが本当に市場からなくなるとしたら本当に残念です。電動=非力という2010年の図式を折角変えた機種たちなのに、また日本には非力な電動バイクしかなくなってしまうのかと。

 

今既に所有されている方々には、どうか大事に乗っていただきたいと思います。