パールライスのつれづれなるままに

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最近は、美術鑑賞・ガジェット紹介が中心です。

生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。 at 東京ステーションギャラリー

2018年08月08日 | アート・文化
私は、彼女の事を「正当な日本画の後継者」とみなしています。
水墨画のような筆使い。
朦朧体のような輪郭線の無い絵。
時には、琳派の「たらしこみ」のような彩色。
美術学校への進学を諦めて、書の世界に没頭したとはいえ、この作画方法はまさに日本画そのもの。


このスライドショーの後半に海の絵が3枚登場しますが、この海の描写が素晴らしい。これほど多彩に表現できるのかと。

しかし、作画の基本は、フランスのマリー・ローランサン。輪郭線がない、瞳の無い黒い目、可愛らしい絵。
和洋折衷のバランスが微妙で素晴らしい。


モチーフが子供なだけで、それ以外、様々な技法・画材を取り入れて描き続けた姿勢は、絵描きではなくて、芸術家だと思います。

さて、ここからは、さらに私的な感情論のお話し。
私が子どもの頃、いわさきちひろの絵を見ながら育ったことは幸運であった。
子どもの情緒性を育むなら、彼女の絵が最適だと思う。

単純に、この絵は可愛い。
しかし、作者の壮絶なる人生を知ってしまうと、気楽に鑑賞する気がなくなってしまう。
なので、戦争をテーマにした3冊は辛くて読めない。



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