今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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通常業務のPEN-Wの巻

2018年11月15日 22時12分43秒 | ブログ

宿題が終わったので通常のご依頼をやっていきます。このPEN-W #1014XXは悪くはないように見えるでしょ。そう、本来は悪くはないのですが、過去の分解がね。シャッターは不調というか開きっぱなしだね。

 

ファインダーのカバーが接着剤ですごいことになっています。駒数ガラスはクラック入りですので交換をご希望です。

 

なぜか巻上げ部分が激しく腐食しています。南方の戦場跡に残されたチハ戦車みたい。

 

前回分解された方はプロかアマかは分かりませんが、バネにまつわる不具合が多いです。まず、左側のバネはピンセット先にセットするのが正規です。PEN-D系ならここで良いのですけどね。

 

こりぁ、参ったな。透明接着剤とゴム系接着剤が塗布されていて、その上から瞬間接着剤をつけたようです。ミラーが瞬間接着剤のガスで白く曇っています。見なかったことにしたいですけど、そうも行きませんので接着剤の除去から・・

 

光枠もゴム系接着剤で接着されていますが、光枠に残っている工場で接着した接着剤が本体側と合致しませんね。これPEN-W用かな? PEN-S用を代用ではないか?

 

カバー側の接着剤もすべて除去します。

 

 

シャッターユニットの地板ですけどね。このバネは本来右端のピンに掛かっているのが正規ですけど、極端に曲げられていますね。これは故意にされたもので、多分、シャッター羽根が開きっぱなしになるので強制的に戻そうとした?のではないか。このシャッターは構造は複雑ではありませんが、かと言って、正確に理解をしていないと正常に動かせないのです。また、メインバネの掛かり位置も違っていました。

本体を洗浄して組み立てますが、一か所が伸ばされていたバネが折れました。良品と交換しますが、前回作業のキーワードは、「バネ」ですね。

 

こうなります。

 

 

すべてオリジナルに戻して組んであります。シャッターは快調です。

 

 

今回はファインダーに問題が多かったですね。カバーは瞬間接着剤で留められていましたので、まず瞬間接着剤をはがし液で溶かします。

 

その後、ゴム系接着剤を取り除いて塗装の剥げた部分を艶消し黒でタッチアップ、形状の修正をしておきました。ここまでする必要もないとは思いますが、次のO/Hを他の修理屋さんに持ち込まれた時、「前回どこで修理をしたの?」となれば「TOMYです」となっちゃうでしょ。ですから見て見ぬふりは出来ないのです。

駒数ガラスは新品に、ファインダーのレンズも接着をしました。光枠はこの時点では接着しません。本体に取付てみないと光枠の倒れが分からないためです。

 

この個体は巻上げ部分が異常に腐食していますね。駒数計ツマミの腐食は見たことが無いぐらい悪いです。交換部品はありますが、駒数カニ目ネジも悪いので、片方だけ交換をしても仕方がないので今回は研磨で再使用とします。

レンズのコンデションは比較的良好な方でした。シャッターは快調となりました。機械と言うものは、正しく組まなければ正確に動いてくれないものです。技術者がそのように設計をしてあるからです。

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