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2020年71冊目『シンプルで合理的な意思決定をするために「ファイナンス」から考える!超入門』

2020-02-23 17:51:02 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

この本は、ファイナンスについての知識を掘り下げて学ぶのではなく、専門家以外のビジネスパーソンが、ファイナンスの考え方を身につけて、仕事や人生のあらゆる意思決定に使うための本です。
「ファイナンスから考える」とは、将来にわたる影響のすべてをお金に換算して把握し、想定される案を比較して、最も望ましい案を選ぶ思考法です。


具体的には、以下の4つのステップを踏んでいきます。
STEP1:「コスト」を正確に見積もる
STEP2:時間のズレをとらえて、数字にする
STEP3:差を比較することで意思決定の精度を上げる
STEP4:分解することで意思決定した内容を円滑に実行する


また、会計とファイナンスの違いで言うと、会計はコミュニケーションツールであるのに対し、ファイナンスは意思決定のツールです。
つまり、会計は人に報告するためのもの、つまり「他人のため」のものですが、ファイナンスは自分の生活や仕事をより良くするためのもの、つまり「自分のため」のものと言えるでしょう。
そういう意味では、もっと仕事や生活にファイナンスの視点を取り入れれば、より合理的な判断が素早くできるようになると思います。


【my pick-up】
◎「レターパック」導入を検討する
STEP1:コスト
・レターパックは、定形外の郵便物を送る場合には、節約できる切手代、封筒代、人件費を考えると実は割安
・活用で郵送コストの節約にも
・定形外の場合、作業(計測・採寸、金額特定、切手貼り)は煩雑ゆえ、総務の人件費が多くかかる(機会コスト)
STEP2:時間
・多種類の切手の在庫は、初期投資として資金が固定化される
・切手は換金性が高く、盗難や横領のリスクに備え、金庫などの設備投資も必要
STEP3:比較
・通信費同士で比較せず、機会コストや資金の固定化も含むコストをモレなく見る
・各事業部門など会社全体の手数に目を向ける
STEP4:分解
・「やってられないよ・・・」に目を向け、業務プロセスのどこで手数がかかっているかを見つける(人件費コスト)
・レターパックに置き換わる数量を予測する


◎製薬メーカーがインドで治療薬を無償提供する活動をファイナンスではどう見るか?
STEP1:コスト
・「管理会計(ファイナンス)」のうえで黒字化
・人材定着効果による採用など人件費関連コストの削減
STEP2:時間
・まずは顧客になってもらい、市場をとる戦略(Evernoteなどと同様)
・無償配布期間のコストは、性質的には「戦略的」に行った初期投資
・製薬業は製造原価が低いため、初期投資にあたる額を抑えられる
STEP3:比較
・製造コストは、人件費や広告宣伝費を代替
・社会的評価も判断基準のひとつ

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