下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【21】
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mixi日記2018年08月14日から
あるかたから教えてもらった。
『新明解国語辞典第七版』に第三版の序文「日本語の より良き使用の為に」が出ているらしい(なんで?)。そこには、読点と分かち書きが併用されているとのこと。
以下孫引きさせてもらう。
===========引用開始
第二段落)
辞書が、文字習得・確認の為という より低い目的を超え 言語内省の為の鏡の域にまで進み、以て より高い社会的評価を克ち得る為には何程かの相違を持つことが必要であろう。
===========引用終了
正気なんだろうか。このところ、少し性格改善を試みていて、あまり他者の文章などを批判的に書くのはやめようと心がけている。せめてもの気休めで、以下はデス・マス体で書く。
文章の書き方にはいろいろな流派があります。「分かち書き」も流派のひとつでしょう。正確なことはわかりませんが、読点を打つかわりに空白を入れるようです。読点と併用する手法がどの程度一般的なのかは知りません。分かち書きの流派の中でも相当異端なのでは。
おそらく、読点よりも弱い区切りとして空白を併用するのでしょう。英文のコロンに対するセミコロンのような意味合いかもしれません。一般のかたにはおすすめできません。こんな異端の流派のノウハウを身につけてもなんのメリットもありません。とくに現代のように全角と半角の使い分けが曖昧になってくると、生理的に読点と空白のどちらが区切りとして強いか、という根源的な問題も出てきそうです。
昔文部省が発表し、筆の悪い人から「化石」扱いされている書類があります。
【くぎり 符号 の 使 ひ 方 ︹ 句読法 ︺ ︵ 案 ︶ =】
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この中には、句読点の一種として「シロテン」という摩訶不思議な符号が出てきます。これも、読点よりも弱い区切りを示すものだったと思われます。将来「広く行はれるやうになることは望ましい」(「ガ」じゃないの?)と書かれていましたが、普及することもなく、いまとなっては単に恥さらしになっています。
読点のルールはただでさえメンドーなのに、さらに妙な符号を持ち出してどう落とし前をつける気だったのかはナゾです。
さてこんなことを書いていても●●なだけなので、少しだけ建設的なことを書きましょう。
近所の空き地にいつのまにかビルが建ちました。このほかにもアチコチで工事が行なわれています(←オイ!)
↑の「分かち書き」を眺めていると、なんとなく法則が見えてきます。
特徴的なのは「more」の意味の「ヨリ」の前に空白があること。
1)確認の為という より低い目的
2)以て より高い社会的
2)は空白がなくても誤読される可能性は低そうです。1)は、ムヤミに「ヨリ」を使ってはいけないことを示す好例かもしれません。
この「more」の意味の「ヨリ」をどの程度許容するかは、個人差が大きいようです。なかには「断じて許すまじ」って人もいるとのこと。当方は自分では滅多に使わないけど、使いたい人はどうぞ、と考えています。ただ、多用すると異様な文章になります。
3)目的を超え 言語内省の為
これはどういう用法なのでしょう。直後に「進み、」があるところを見ると、「連用終止形+、」を禁忌しているとも思えません。おそらく、「連用終止形+、」の連続を避けたのでしょう。
でしたら、「より低い目的を超えて言語内省の為の鏡の域にまで進み、」とすれば済むことでは。
結論としては、「分かち書き」をするより、文章を書き改めるべきでしょう。
この序文を読むだけで、「これは駄本?」と決めつける批判精神が旺盛な素直なよい子がいるかもしれません。
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