今年の風邪というか、最近来られる方の風邪は例年と少し傾向が違う感じがします。
漢方薬局という立場から、風邪をひいてすぐ来られた方は常連さんで、たいていの方は市販薬をのむか、我慢してからお越しになられます。
すると、風邪をひいてから3・4・5日は経過しています。症状も初期(悪寒・発熱)を越えている場合が多いようです。
先日の例は、55歳の主婦。風邪をひいてから、手持ちの市販薬をのんだが、効果なく来局。
熱36.8.やや寒い(悪風)、咳がでてこまる。鼻水はあまりない。
これには、肺・気管支の乾燥性の咳を治める滋陰降火湯(じいんこうかとう)を2日飲んで治まった
もう一つは。83歳の男性。1週間前の熱がでて(37.5)、市販の風邪薬(解熱剤主剤)を飲んだが、鼻水が止まらない。熱なし、悪寒なし(やや悪風)水のような鼻水がでてつらい。身体がだるい。
この方は、高齢なことと、鼻水を目標に麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)を煎じ薬で、やはり3日程度で楽になった。
このように、激しい熱・悪寒のある状態のかたがほとんどいません。
漢方薬は基本、症状から薬を決めますが、特に風邪は少し適応を間違えると全く効果がでませんので、御注意くださいね。