GDP年2.1%増内需の弱さ反映(毎日新聞一面)の意味判りますか?藤井先生が分かり易く説明されています
From 藤井聡(京都大学大学院教授)
「内需冷え込み」による輸入急落が無ければ、名目成長率は「マイナス2・7%」です。
今朝5月20日の午前、政府からGDP速報値が公表されました。
1−3月期のGDPは、経済の冷え込みからマイナス成長になるのでは、との観測が支配的でしたが、蓋を開けてみればなんと、年率プラス2・1%。この「意外」な結果を受けて早速、茂木大臣などは消費増税を行うと明言しています。
http://www.asahi.com/business/reuters/CRBKCN1SQ01O.html
しかし、今回のGDPプラス成長は、「単なる見かけ上」の数字。何と言っても、今回の成長に最も寄与したのが、内需の拡大でも輸出の拡大でもなく、「輸入の減少」だったからです!具体的に言うなら、名目値で言えば、102.9兆円もあった輸入が94.7兆円へと8.2兆円も一気に急落。この8.2兆円の急落が、見かけ上、GDPを押し上げたのです。(統計上、輸入はGDPから「差し引く」項目なのです)もしもこの輸入減が無ければ、GDPはプラス成長どころか、名目で年率マイナス2・7%になっていたのです!(実質では年率マイナス1・3%)ではなぜ、輸入がここまで急落したのかと言えば、内需が冷え込み、日本人の購買力が下落したからです。
事実、消費も投資も下落しています。
https://this.kiji.is/502993738726098017
つまり今回のGDP成長は、内需が冷え込み過ぎたあおりを受けて輸入が減り、その結果、もたらされた「単なる見かけ上」の数字に過ぎなかったのです。統計はあくまでも統計。使いこなすには、それを読み解くリテラシー(読解能力)が必須です。日本政府、そして、国会においては、的確なリテラシーに基づく正しき政治判断を下されんことを、心から祈念したいと思います。
このタイミングで茂木大臣がご承知の上で消費税を上げると宣言される不思議は何でしょうか、国民はGDPのプラスになった理由も知らないと馬鹿にしておられる証拠です。しかし経済が可笑しくなっている事は国民も肌で感じている事ですから茂木大臣は哀れですね~~~ END