ムルマンスク便り

-夏の完全白夜、冬のオーロラ- ロシア連邦北西部にあり北極圏最大都市ムルマンスク市(ムールマンスク)の現地情報をお届け。

シェレメチェヴォ→ムルマンスクSU1492便落雷火災事故

2019-05-07 00:10:58 | ムルマンスク市・街の表情
  5月5日夕方、モスクワのシェレメチェヴォ空港からムルマンスク空港に向けて離陸したスホイスーパージェット100機SU1492便が事故に遭い、乗員乗客78名中41名の方が死亡するという大惨事が発生しました。


  雷雨がある中離陸を決行。離陸直後に落雷に遭い、通信機関に支障をきたし、シェレメチェヴォ空港に戻った際、地面に数回バウンドして機体後部から出火、火は瞬く間に燃え広がり、消火した頃には後部全体が焼け爛れて骨組のみが残っていました。


  事故で乗員乗客78名のうち、41名が死亡。37名が生き残りましたが、このうち10名は重篤で入院中です。78名のうち27名がムルマンスク州民でした。


  機内は阿鼻叫喚の大パニック。出入口近くの席だったのにどういうわけか機体後部に逃げて戻れなくなった女性。次々と倒れていく乗客の後衿を掴んで最後の客まで降ろし殉職したキャビンアテンダント。燃え盛る炎を映してキャビンが赤くなっている様子をスマホで撮影する者・・・。被害者の中には2名の幼い子供もいました。


  機体前部から脱出シートが出され順々に滑り降りたものの、一部の乗客が上部ロッカーにある自分の手荷物を取り出していたために多くの方が逃げ遅れ、帰らぬ人となりました。


  この事故を受けてムルマンスク州は3日間の喪に服します。この間に開催予定だった催事はキャンセルになりました。5月6日はムルマンスク市が英雄都市に指定された日ですが、祝賀行事は取りやめに。市中心に設置されている大型スクリーンには、追悼を表す蝋燭の灯火のビデオが常時映し出されています。また5月9日の戦勝記念日に予定していた航空パレードも取りやめられる予定です。


  事故の翌日5月6日の夜8時から、市中心にあるモニュメントで追悼ミーティングが行われました。8時ちょうどに、側道を通行中の車の行列から数分に渡る警笛が鳴らされ、モニュメントに集う者一同黙祷を捧げました。悲しみに包まれる中、多くの方が訪れ手に花やろうそく、ぬいぐるみを持参し、献花台となっているモニュメントの柵に置いて行きました。


  筆者はこの便に搭乗しておらず、また被害者の中に直接の知り合いはいませんでしたが、筆者もカーネーション4本置いて、哀悼の意を捧げました。速やかな原因究明と事故再発防止を、州民と共に強く願います。合掌。



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