自分で本を書くことって物凄く大変なイメージがあるけれど、それは先入観なのだと思っています。絵本から百科事典や辞書まで「本」なのですから、なんでも、どんな分量でもOKな訳です。むしろ、よくわからなくて不安になるのは、「原稿をどうやって本として出版し、いろんな人に読んでもらえるようになるのか」という途中のプロセスではないでしょうか?

今はオンライン小説やブログ、電子出版まで個人がトライできるようになっています。本ページでは、最近の動きも含めて、「原稿」から「公開」までのさまざまな流れを整理してみようと思います。もちろん、自身がいずれその過程を使いたいからです。



1.原稿の作成

まず初めに、当然のことながら本の中身、原稿を仕上げる作業がどの出版形態でも前提となります。現代では、手書きよりもMS Wordなどの文書ソフトを使用してデータ原稿を作成することが多いでしょうから、自費出版、オンライン書籍、電子出版でもこの部分に違いはありません。強いて違いを挙げるとすれば、オンライン書籍(ブログ等)の場合は、ウェブ上のアプリケーションに直接打ち込むといった形もあります(アメブロに継続的に小説を更新していく、等)。

2.出版の依頼

原稿が仕上がったら、どのように公表したいかによって、そのあとの過程が異なります。

2-1.自費出版

【見積り】
⇒自費出版は、「出版社にお金を払って、自分の本を出版してもらう」ものになるため、出版したい人が、出版社を「雇う」形になります。まず、原稿を出版社に送付し、出版形態を依頼者と出版社で調整します。

■分量
■書籍の大きさ(判型)
■書籍体裁(ハードカバー・ソフトカバー)
■カバー・帯の有無
■本文のレイアウト
■本文のカラー
■見返しや本体表紙の色
■表紙のデザイン・プロ使用の有無 など

内容によって、どのくらいの金額でどのような出版形態をお願いできるのか、予算と相談しながら、見積りの内容を合意に向けて詰めていきます。

【契約】
⇒納得できる内容で合意ができれば、契約の締結となります。

【編集・修正】
⇒完成原稿の送付の後、編集・修正作業が入ります。

【支払い】
⇒代金を出版社に支払います。編集作業の前に支払うか、後に支払うかは出版社で分かれるようです。

【印刷・製本】
⇒最終確認後、印刷・製本が開始されます。

【流通】
⇒このとき、書店での流通までサポートしてくれる出版社の場合であり、且つ、流通を希望する場合には、書店流通希望部数を引いた部数が、依頼者に納品されます。

【流通の形態】
⇒書店に置くか/倉庫に置いて注文を待つか、あるいは訪問営業するかどうか、オンラインのみをターゲットにするか、など様々な形態があるようです。

(事例)お手軽出版ドットコム
http://www.otegarushuppan.com/base/ryutsu/ 

こちらでは4つの流通コースを紹介しています。要点のみかいつまんで紹介しますと・・・
コース①:
書籍発売の際に、取次会社から全国の主要書店に書籍が納品+店頭に並ぶ+Amazonなどのオンライン書店でも販売

※委託配本希望部数の4~8割が配本される。残りの部数は、注文用の在庫として保管。

コース②:
流通全部数を倉庫で保管・管理+書店からの仕入注文や、お客様の取り寄せ注文があったときに、各書店に書籍を出荷+Amazonなどのオンライン書店でも販売


コース③:
コース①+書店への直接訪問営業(専用のチラシとポップを制作)


コース④:
日本最大のオンライン書店「アマゾン」で販売されるタイプで、アマゾンの配送センターに在庫として保管。


流通までのタイムラグは、本が完成してから1ヶ月ほどで全国の書店に流通、とされています。流通の保障期間は初版発行後2年。2年以上大量の在庫がある場合は、一定部数をお引取り願う場合があるとのこと。

【売上の入金】
書店流通は、著者の委託を受けて書店に流通させる契約になるため、印税形式ではなく、売り上げから手数料を差し引いた金額として著者に支払われます。

6ヶ月ごとに著者へ6ヶ月間の実売部数とその売上高から手数料を差し引いた額(実売部数×定価の50%)を郵送でお知らせし、その翌月末に支払いがあるとの説明があります。

以上、自費出版の流れの概要を見てきましたが、流通サポートまでお願いするとなると、それなりの費用がかかりそうです。しかし、ほとんどの場合、可能であれば多くの人に読んでもらいたいという願いが込められていると思いますので、この流通支援は必須ではないでしょうか?

もし、この方法に頭を悩ませるのであれば、次の電子出版を検討すべきかもしれません。




2-2.電子(自費)出版

さて、電子出版の場合、私見ですが、現在でも5~6社が覇権を競っている、という状況でもないため、代表的な形態である「Amazon」における電子出版の例をもって、その流れを概説します。

先に説明した自費出版のケースと大きく異なるのは、「電子書籍が売れた場合に、その販売価格の一定割合をAmazonに支払う」という仕組みです。著者に支払われる割合はロイヤリティと呼ばれます。

紙の書籍と異なり印刷・製品や流通・営業に要する費用が掛からないため、Amazonとしては、販売された時点でAmazon利用料とでもいうべき料金を徴収するわけです。出版社と打ち合わせ・調整したりする費用なども考えれば、かなり費用が抑えられる方式といえます。

但し、電子書籍出版には電子書籍出版のルールがあります。

【原稿の作成:補足】
⇒Amazonが定める仕様にしたがって、原稿と表紙を作成しなければなりません。

■原稿作成のガイドライン
 https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/help/topic/G200645680
■表紙作成のガイドライン
 https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/help/topic/G200645690

【アカウントの作成・サインイン】

【本に関する情報の入力・アップロード】
■Kindle 本の詳細: タイトル、内容紹介、キーワード、カテゴリーなどを入力。
■Kindle 本のコンテンツ: 原稿と表紙をアップロード。電子書籍をプレビューで確認。
■Kindle 本の価格設定: 配布権のある出版地域を選択。ロイヤリティプランを選択し、希望小売価格を設定。

※ロイヤリティプランは30%と70%がありますが、70%には各種条件があります。

【出版】
⇒情報を入力したら、「Kindle 本を出版」をクリック

【入金】
⇒ロイヤリティの支払いを、ロイヤリティが発生した月の月末から数えて約 60 日後に毎月行うとしています。
(例)8 月に獲得したロイヤリティは、最低支払い金額を満たしていれば、10 月に支払われます。
※小切手払い・電子送金の場合は最低支払金額が設定されています。
https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/help/topic/G200641050#thresholds 

【税に関する要件】
収入を得る場合には、当然、税務申告が必要になります。ただ、Amazonで電子出版する場合には、そのあたりは中々複雑で、この記事で書ききれないため、リンクを紹介するに留めます。
https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/help/topic/G200641090

以上、電子書籍出版の例を見てみました。自費出版と比較して、負担する費用が大幅に軽減できるほか、調整なども少ない分、作業コストも小さくてすみます。税務上の対応には十分気を付ける必要はありますが、気軽に出版してみたい、という方には正にうってつけです。反面、誰でも出版しやすい、ということは、競争が激しくなる、という側面もあります。そこは仕方がない部分ですね。



2-3.オンライン書籍

最後に、オンライン書籍を紹介します。これは便宜上、私がつけた呼び名ですが、いわゆるオンライン小説や長編ブログなどがこの部類に含まれます。

これは、「出版」をしない形態です。「情報公開」と「閲覧・フィードバック」のみからなるシンプルかつ、安価な情報伝達方法になります。

当然、販売していない形態であれば、収入は発生しません。したがって、ただ広く周知してみたい、反応を聴いてみたい、といった要望に対して有効な手段の一つとなりえます。

この形態にはプロセスも何もなく、ただ、ブログ等のオンライン・プラットフォームで記事や原稿を書き、公開するだけでOKです。

但し、反応が得たいと思っても、反応が得られるわけではありません。無料で手軽にできるため、素人からプロまで玉石混交であり、情報量も膨大です。その中から、自分の情報をじっくり読んで、的確な反応を届けてくれることをあまり期待しすぎないほうが良いでしょう。あくまでも手段の一つとして活用する分には有効であることに代わりはありません。例えば、このオンライン書籍で原稿を書き、反応を手探りで確認し、自費出版や電子書籍出版のアイデア・コンテンツへつなげていく、といったシナリオも十分に考えられると思います。

代表的なプラットフォームに、「小説を読もう」があります。
https://yomou.syosetu.com/search.php?word=online
あとは、このアメブロも利用者が多いため、情報発信には適した場所だといえます。







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