ホミン短編「Road」#4 完結 | 東方神起小説 Lily♡ホミンの香り

東方神起小説 Lily♡ホミンの香り

東方神起小説 Lily♡ホミンの香り
ユノとチャンミンがいる限り
みんなと一緒に「We are T!」

 

 

 

「あ~~、暑っつい!せっかくさっぱりしたのに、汗でぐっしょりだよ」

 

外国製の大きなバーベキューコンロの中に

無造作に放り込まれていた炭を一旦、全て出し、

丸めた紙くずと炭をジェンガのように組み合わせて

なんとかうまく火を熾した。

 

それから、さっき買い揃えた食材を焼き始めると、

すぐに食欲をそそる良い匂いがしてきたので

ユノも釣られてこっちに来るだろうと思っていたが、

何をしてるんだか一向にやってくる気配がない。

 

僕はとにかく腹ペコだから

今すぐに食べてしまいたいところだけれど

オーナーを差し置いては礼儀に反する。

溢れる唾液を飲み込んで、ユノを呼びに向かった。

 

「ユノさ~ん、もうお肉焼き始めてるからそろそろ上がって」

 

「えーーー!?早~~(笑)」

 

「ちょ、、、ジャグジー止まってる」

 

「ん?、それはタイマーだから」

 

「いゃいゃ、そういう事じゃなくて、」

 

本当にこの人はなんて無防備なんだと思いつつ、

ある一点を指さして一応注意しておいた。

 

「泡もすっかりなくなってるから、、、丸見えですよ、ユノさん」

 

「、、、え?、、、あー!そゆ事か!あはーー(笑)」

 

「あはー、じゃなくて。とにかく、もう今が食べごろだから早く上がって」

 

「了解しましたシェフ」

 

そう言いながらいきなり立ち上がるものだから

見ようとしてないのに、思いっきり見える、、、

それ。

親しい間柄ならまだしも初対面なのに

まるでためらいの無いこの無防備さは危うささえ感じる。

 

「ちょ、ちょっと!隠すとかなんとか出来な、、、あぁ~、、、もう良いです、早くして!」

 

「なに怒ってんの!?わかったって!急いで着替えてくるから待ってろ」

 

そう言いながらユノは、頭からバスタオルを羽織って

部屋の中へ入って行き、

カメラを手にして現れた。

 

「あ、カメラだ。撮るの?」

 

「そう。夏の思い出。そして、俺と君が出逢った記念、、、とも言えるな(笑)」

 

「なるほど(笑)、じゃ、カメラセットしたら早速、食べましょうか。お腹空いて死にそう」

 

 

「おっ!美味そっ!チャンミン完璧じゃん!バーガーにも出来るなんてナイスアイデア」

 

ナイスバーべ(笑)、野菜もちゃんと挟んでね」

 

少し買い過ぎたかと心配だった食材を

次々と焼いては口に運び、ほぼ残すことなく

あっという間に僕たちの腹に収まった。

 

そして、いったい何枚自撮りしたのかわからないけど

「経験したことのない夏の思い出」になったのは間違いない。

 

 

食事が済んで火の始末に取り掛かろうとした時、

ユノが海岸に行こうと誘って来た。

何でも、星がすごく綺麗に見えるのだそうだ。

けれど、夏とはいえ夜露は体を冷やすから、

少し火を焚こうと言うので、

まだほのかに灯っていた炭にいくつか新しいのを足し、

銀の柄杓に入れて持っていくことにした。

 

海岸に着いて空を見上げると

ユノが話していた通り、夜空一面に星が煌めいている。

思わずうわぁ、と声が出てしまい、

そのまま両腕を伸ばして深呼吸をした。

 

そうしている間に、ユノは先へ歩いて行き

手際よく炭の火を焚きつけ始めた。

 

「あれ?ユノさん、上手く出来るんですね。さっきはあんなに煙が出たのに」

 

「ん?あぁ、家の方は綺麗なままだったから火が熾せなくて(笑)、

でも、こっちはこの間来たばかりだし、ほら、燃やした後の木が残ってるだろ?

 

「あぁ、確かにこれは乾燥してよく燃えそうですね。っていうか、よく来るんですか?」

 

「(笑)、目まぐるしい毎日だからな

大人になれば、なにかとストレスを感じることが多くなる、、、

独りになりたい時はここに来るんだ。そういう意味では、俺もチャンミンと同じかも」

 

「、、、」

 

 

 

僕は返事をすることが出来なかった。

 

ユノのストレスがどんなものなのかは分からないけど、

きっと、僕が抱えてる事とは全く異なると思ったからだ。

誰にも相談できず、頑なに閉ざした大きな悩みは

自分でさえも持て余すほど苦しかった。

 

「、、、実は僕、今回の旅で過去の自分をリセットしようと思っていたんだ

 

「過去を捨てるってこと?どうして」

 

「、、、うん、これを見て欲しい」

 

僕は少し躊躇いながら、リュックの中から

小さなスケッチブックを取り出してユノに渡した。

 

パラパラとめくっていた手が

予想通りのページで止まる。

 

どう思うだろうか、、、

緊張して鼓動が速まった。

 

「、、、これ、チャンミン?」

 

「、、、」

 

「すごく可愛いじゃん」

 

「、、、え」

 

「めっちゃ可愛い」

 

 

「、、、本、、、気で言ってるの?」

 

「もちろん。当たり前じゃん。、、、あ、もしかしたら、

チャンミンがリセットしたい過去ってこれ?」

 

「そう」

 

「どうして?何がいけないの?ありのままの自分だろ?」

 

「違う」

 

「人の目が気になる?」

 

「それもあるけど、少し違う」

 

僕はユノの手からスケッチブックを取り上げて

ビリビリとそのページを破り

焚火の中に入れて燃やした。

 

「、、、良いのか?」

 

「察しがついたでしょう?正直、最初は自分でもよく分からなかった。

女性に生まれるべきだったのかと思って、何度も女装をして確かめたりした」

 

「さっきのスケッチは、、」

 

「(笑)、自撮りを加工したものだよ」

 

「燃やしたという事は、答えは出せたんだな」

 

「そう言えると思う」

 

「違う意味の、ありのまま、、、ってとこか、、、」

 

 

 

ユノの言う通りだった。

僕は女性になりたいわけではないらしい。

いくら女装をしても気持ちは全く晴れなかったからだ。

それどころかむしろ、違和感や自己嫌悪に陥って

メイクを落とした後は、鏡に映った自分に何度も問いかけた。

 

 

僕は女性になりたいんじゃなく、

恋愛対象として女性に興味が持てないのだと分かった。

女装はもうしないだろう。

だから燃やしてしまった。

 

「、、、変だよね。男に生まれてきたのに」

 

「変?どこが?、それは君の個性だろ」

 

「けど、」

 

恋愛には性別も国籍も関係ないさ。人と人との感情だから」

 

「うん、、、そうだね」

 

「俺だって同じだし」

 

「うん、、、そうだね、、、って!えっ??、サラッと今なんか言った??」

 

「俺も同じだっつってんの。、、、だから君に導かれたのかな(笑)」

 

「でも、、、ユノさんの女装はあまり似合わないと思うけど、、、」

 

「おい。誰が女装するっつったよ。俺はこのままだ。ありのままの自分

まぁでも、何度も自問自答を繰り返したよ。鏡に向かってな(笑)」

 

 

「そっか、、、同じだね(笑)」

 

「ところでチャンミン」

 

「ん?」

 

 

「俺と付き合ってみない?」

 

「!!!、な、な、なにをいきなり、」

 

「好きになったらしい」

 

「え、えええええ」

 

「一目ぼれってやつ?、、、いゃ、違うな。運命だと思う」

 

「ちょ、ちょっと待って、僕たち会ったばかりだよ?」

 

「それがなに?じゃあ出逢ってどれくらい経てば良いの?」

 

「いゃ、そういう問題じゃなくて、お互いをもっと知ってからの方が、」

 

「怪しい奴じゃないって事はわかったんだから良いじゃん」

 

「いゃ、でも、」

 

「俺と恋愛しよう!決まり!」

 

「、、、(笑)、強引だね。でも、そういうの嫌いじゃない(笑)」

 

 

芽生えたばかりの初々しい恋は

今後どうなるのかわからないけど

ありのままの僕を受け入れてくれるこの人となら

二度と迷う事は無いだろう。

 

ユノがくれた優しさで、

僕は新しい一歩を踏み出せる。

 

 

 

 

「あ、ひとつお願いが」

 

「しょっぱなから(笑)、いったいなんでしょう?」

 

「たまにで良いからドレス着て♪」

 

「///あ、あり得ないーーー」

 

 

 

 

 

おわり

 

 

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ 

 

 

久しぶりに書いて完結しました(((*ノд`*)

 

現在午前4時を回ったところでして、

睡眠時間が確実に足りない、、、

ってなわけで

コメントのお返事を書けずすみませんあせる

 

 

苺ま~さん

苺mixno1さん

いちごカレンさん

苺kayominaさん

 

後日改めて、ゆっくりお返事書かせてくださいユノサイ

 

雪の結晶がまりあんさん

再びSnowyへの旅をありがとうございま~す雪の結晶

 

 

 

読んだよペンライトぽちお願いしますうちわ


にほんブログ村

 

こちらもぽちっとペンライト


二次小説ランキング