もう先週のコトですんでニュースとしては新しくありませんが、 去年の八月に東京都の公立福生病院で『人工透析治療の中止』という選択肢が提示され、治療を中止した腎臓病患者の女性が1週間後に死亡しました――というニュースが流れました。

 

正直、このニュースを聞いた時には衝撃を受けました。

シャント……という左右どちらかの腕の動脈と静脈を繋ぎ、静脈を“太く”するか? あるいは腕の中にチューブを埋め込んで静脈と繋いで人工血管を形成し透析時の作業に必要な針刺しの用に用いるのですが――なんでも件の事件での女性は、

「なんでも“都合四度”もシャントが閉塞しダメになっていた」

といいます!?

 

ここで話をはさみますと、シャントというのは意外と『詰まりやすく』実は私も最初に作ったシャントは三ヵ月ほどでダメになりまして再手術して作り直しました。

幸い――その後、十年以上たった今になってもザーザーと良い音を立てて使用に耐えてくれているのですが……

 

さて……話をニュースに戻しますと、こーしたことから

「もう首周辺から管を入れる形で透析するしかない」

と、医師に言われていたといいます。

首にシャントを作る……しかも透析を行うとなると腕から行うよりも痛くてより苦しいというか、しんどくなるコトは明らかでした。

そこで女性は医師が勧めるまま透析を中止する決断をしてしまった――そしてその結果、命を落とすこととなったのですが……記事等には、医師が人工透析を中止する選択肢を提案すると共にそれを行うと『確実に命が無い!』という事実をちゃんと言ったといいますが、私が観ますに、この事件では医師が意図して患者を誘導していたと思います!

 

 

言い過ぎだと言われそうですが、その後に出て来る医者のコメントが人間味がなくて機械的ですし、その女性が亡くなった病院で過去に同じように『自らの意思で透析を中止して』ほどなく亡くなられた方が二十人を下らない! (´□`。) という事実を知るに至って核心にかわりました!

院長は院長で『透析を中止すべきか?』検証する委員会すら開いていなかったといいます。

 

……呆れて開いた口が塞がらないですね(´□`。)

と、いうか、なんでこんなことができるんですかね?( ゚д゚)、 ペッ

透析患者とは「腎臓がダメになった」人です。

それはいうまでもありませんが、大事なのはここからで『腎臓という生命活動に重要な臓器を失っても人工臓器に置き換えて生きている』のが透析患者でもあるのです。

 

すなわち生きていく為には透析を“受け続けざるを得ない”というコトでもあります。

否応なしで。

 

私たち透析患者には「透析を受ける? 受けない?」ではなく、「受けるという選択肢しかない」んです――生きて行きたければ!

無論、腎移植(!)という選択肢があるにはあります。

しかし、そんな贅沢はよほどの金持ちか? 幸運の持ち主しか得る機会はありません。

しかも腎移植をしても数年から二十年ほどしか保ちません。

 

そこで私たち透析患者に対しての医者の医療機関の「正しい態度」といたしましては苦痛と悩みの多い透析患者に寄り添い、その苦痛や悩みを軽減する方法や治療法を一緒になって考えてあげる……というモノです。

 

今度の事件も「透析中止を提案した」医者と医院には、この点がスッポリ抜けているんじゃない?

件の女性に透析中止を提案したのも“本人の為”というよりも医者や医院が『首で透析を受けさせる面倒を嫌がって』面倒な患者を片付けたダケ――なのでは!? と見えますんですよねぇ?┐( ̄ヘ ̄)┌

 

 

無論、これは悪意ある邪推であることはよく分かっています。

実際はそんなコトはないんでしょう。

むしろ、医師からすれば「透析患者など末期医療の治療なんだから続けるだけ医療費の無・駄とでも考え、自分がイイことをしたと思っているんでしょう。

 

 

>人工透析を受けている男性(68)
>医者が悪いと思う。選択があるってことは「死になさい」ってことだからね

 

同じニュースで流れた透析患者のこの感想が全てだと思います。

受ける受けないんじゃないんです。

受けないと「二週間以内に死んじゃう」んです私たち透析患者は!

それも尿毒症や体内に水が溜まって苦しんで苦しんだ末に!

肺水腫などに陥ると「体の中で溺れ死ぬ」と表現されるよーに息もできずとても苦しんで死んでいくコトになります。

尿毒症も体の痺れや吐き気、頭痛などのほか、呼吸困難感、出血症状などのさまざまな症状が出、最終的には多臓器不全に陥りやはり苦しんで苦しみ抜いて死ぬことになります。

 

 

そして私などは、震災や戦争などの社会混乱や機能麻痺が起これば明日にでもそーいう事態に陥っても不思議ではありません。

ですのに「まだ透析を受けれる患者に透析中止を提案した」今回の事案は信じられず、なおかつ怒りすら覚えます!

 

さらにいいますと現在のように『経済的な問題を気に病まず』透析を受けれるようになったのはまだこの三十年~四十年の話で、ほんのひと昔は――半世紀ほど前までは透析を受けねばならなくなったら死を受け入れるか? あるいは破産して一家離散を覚悟するしかない! といわれていたのですよ?

腎不全の患者が1967年12月に透析療法が医療保険の適用になってからも自己負担率が五割近く時代が続き、

 

「私の息子は現在透析を週二回行ないながら学校にいっているが治療費が大変です。現在病院に八十万円も借金している。家族全員が働いても追いつかないのです。 患者も大変だが、その治療にたずさわっているスタッフも労働強化で苦しんでいる。このような状態を解決しないと十分な治療も受けることができない」

 

という陳情の声が寄せられたように、この頃には病気から腎臓をダメにした中学生の少年が『親の負担になるコトを慮って』自殺しようと家出する騒ぎを起こしたり……と、まだまだ費用面でも本人家族の負担が重い治療でした。

 

また、透析技術も確立されてはなく、毎回の透析の度に急激な血圧低下や苦痛などに患者は悩み苦しめられました。

 

 

……まあ、今もそれはある意味で同じなのですが、まだ治療ノウハウや薬、透析機械の発達によってずいぶん良くなっています。

それでも健常者に比べて薬の効きが悪かったり、病気が重篤化しやすかったり、傷の治りが悪かったり……日々さまざまな悩み苦しみは絶えません。

 

 

 

私も今も足の、脹脛の前面と側面が大きく破れ潰瘍ができ痛みに悩まされています。

しかも良くなるどころか悪化しましてずいぶんと大きな傷口に広がってしまいました!?

 

大きな病院に紹介状を書いてもらい、今見てもらっていますが、静脈の血流のレーザー手術を合わせ足の傷は手術せねばならなくなっています。

 

実は……本日まで急遽入院していました!?

入院したのは先週の土曜日九日で、足の静脈のレーザー手術を受ける為の説明を聞きに行く予約日だったんですが、そのクリニックに行く途中、具合が悪くなり救急車で運ばれました。

実は前日の透析後から血圧が百を切り――低い場合は66(!)なんてところまで下がって調子が悪かったの加えてなんかお腹も痛くて真っ黒な“タール便”が出てたんですが……案の定、救急車で運んでもらった病院で内視鏡で診てもらうと胃潰瘍十二指腸潰瘍ができていました。

血液を検査するとやはり貧血状態も出ており、輸血も何本かしました。

しかしそれ以上に酷かったのが脱水症状で、入院中退院日前日まで点滴を続けなければなりませんでした。

 

最近、透析で除水する量が多かったのと、足の痛みによる寝不足が重なったみたいですが……年々体が衰えていくのを実感します。

傷の治りが遅くなっていたり、すぐ悪化したり……透析患者の宿命だといいますね。

 

 

この状態を脱するには結局、腎臓移植しかありません。

しかし腎臓の提供者自体が少ないですし、倫理的にも多くの問題があります。

また、せっかく移植しても一生保つわけではなく数年から二十年ほどでダメになり、また透析を受けるか? 腎移植を受けるかしかありません。

 

 

日本では現在33万人を越えたといいます(2015年12月時点で、国内で透析療法を受けている患者数全体は32万4,986人)。

腎臓病の有病者数は世界では8億5,000万人(2018年)に増えているとも……

 

そうした現状、解決方法はやはり腎移植――それも自分自身の細胞から複製再生させた腎臓で!

 

ま~早い話が2006年8月に京都大学の山中伸弥教授らが世界で初めて製作に成功したiPS細胞などによる臓器クローン……技術の発展がそのまま私たち透析患者の未来につながる訳ですな。

まあ、まだまだ――と、いうか、おそらく私たちが生きている間には“腎臓”なんていう「人体の臓器の中でももっとも複雑で繊細な構造の臓器」を完全に作るコトは難しいでしょうが、完全な代替え品は無理でも『代用品』くらいなら完成するんじゃないでしょうかね?

よーするに透析の機械も今よりもっと小さく、そして体の外に24時間付けていても負担が無いように――

 

 

まあ、夢物語ですが、実現すれば素敵ですね!

そして今回の事件のように悲惨な犠牲が、『透析を中止するか否か?』なんていう根本的に間違っている考えをする医者や医療従事者が出ないようになって欲しいです。

たしかに透析は透析患者にとっては「透析を行うコト自体が生きる目的……」みたいに生活が規制され縛られ辛い苦行のようです。

しかしヤッパリ死にたくはありませんし、なるだけ限り元気で苦痛や苦しみなく日々の生活も送りたいです。

透析以外に足のケガも「今回の入院で」本格的な治療が先に延びてしまいましたが、痛み止めに頼りつつも負けずに頑張って治して行きたいと思います。

そして少しでも健康を取り戻せたなら……色々とまだまだやりたい事、やれる事があります。

 

入院中そんなコトを考えていましたっ!

 

 

タイトル鬼子っ










 

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