筏(かせ)黒鯛 四季織々・・

ホームグランドである千葉県 富浦筏(かせ)釣りをメインに日々の戯言を綴る忘備録ですわ。

灯す ヒカル

2019年10月29日 | 日記


港を預かる若船頭から電話があった。

台風15号で壊滅的な被害を被った南房総。
続けざまに19号で被災は更に広がり手の施しも遅々として進まぬ中、彼の地の惨状は連日の様にTVや界隈の知人からのリアルな情報を耳にしていただけに、いち釣り人としてもアソビである釣りにうつつを抜かすなどと自粛していた。

沖合の生簀は跡形もなくカセ舟を付けることが出来ない。
辛うじて港に避難をしていた筏3基のみの釣り場。
港にあった受付小屋もなく無償で貸し出していたタライやらバケツやらの備品類もないが、兎にも角に11月1日より営業は再開する。
(料金は増税もあり4500円となります)

漁協組合員方々各家庭の被災事情もあるだろう中、再開に尽力して下さった関係各位には改めて現場で御礼をお伝えしたい。

正直、本来魚が付く生簀もなく果たして筏のみではどうなのだろうと不安もあるにはあるだろう。魚が好むストラクチャーも起伏にとんだ磯つたいの海底でもなし、一日ひたすら団子を打ちどうにか魚を手にする、そんな厳しい釣りになるかも知れない。
順次沖合の生簀も設置していくようだが、ただ、大切なのは一人でも多くの釣り人によってコマセる事で魚の寄り場となりそれらが循環していく、釣り人自身がこの釣り場の再構築していくコト。
ツリビトによってダメになっていく釣り場もあるし、その逆も然り。

先ずは釣り場に足を運んでほしい。
私もそうする。





爪痕

2019年09月09日 | 日記
先週からその動向が逐一気にはなっていたが、やはりというか過去最大級の暴風雨を伴って本日未明に千葉市に上陸。
瞬間最大風速が60m弱ともあらば例え家の中に居たとしても身の危険すら感じる値だ。
現に海岸沿いに建つ拙宅とて激しく窓に打ちつける容赦ない雨、今まで経験した事の無いような地響きにも似た様な風の咆哮。

JRはじめ主要各線も朝から運休、千葉市以南では現在でも多くの世帯が停電しているようで心労も推して知るべし。
過去数年、毎年このシーズンになると釣りをやっていようと足が遠のこうとも気を揉むのが常だが、その願いも虚しく受付小屋はほぼ全壊。預けてある自身の道具他、またも海の藻屑と化してしまった。
幸いカセ船、筏数基は過去の教訓を生かし港奥に事前避難を日頃の忙しい業務の合間を縫ってして下さっていた。
ただ、あれだけの規模の台風でもある。
港奥とはいえこの目で実際に確認した訳でもないので分からないが、一部損壊などもあるのではないかとの憂いもあるにはある。
カセ舟を掛ける沖の生簀数基は大丈夫なのか、色々と頭をもたげるが今は漁協組合としての仕事と前記したように漁協組合方々のライフラインの一日でも早い復旧を願うばかりだ。

まだ当日の事でもあり情報も詳細までは把握できてはいないが、漁協組合はじめ日頃港を預かる若船頭とも折を見て連絡を取りあい復旧~再開の目途など逐一ご案内する所存。
取り急ぎご報告まで。

BE < Bee  怖い思い

2019年09月05日 | 日記

前回の釣りがどうにもしっくりこない。
速い流れの攻略もそうだが、何しろ忌まわしき蜂に付きまとわれ釣りどころでもなく退散。
おあつらえ向きにずっと凪が続いている。





今日は満潮が8時半~干潮が14時の後中潮。
前日カセ船で生簀周りに付けた友人がやはり急潮もなんのその見事に攻めきり型物含め4枚。












ベタ凪の海。
筏を固定するための沖側に見える括り付けの太いロープがピンと張っている。手前は当然の様にダレているのはかなり潮が走っている証。
いつもの1番筏。いつも通りのスタンバイ。
速潮攻略に備えて久しぶりに1,2号を巻いたバランスタックルも持参。
案の定、かなり重く速い上げ潮。ならばと早速細糸タックルの出番。何しろ少しでも水切りの良さはアドバンテージ。
強い流れにラインがいく、餌を浮かさぬ様にライン操作でどんどん流し込んでいく。
まだ釣りはじめとは言えきちんと流せているイメージの確証を得たかった。

丁度、小一時間程経った頃だろうか。
またしても不気味な羽音に肝を冷やす。不意に目の前に現れたかと思えば背後にも気配を感じ振り返ればそこにも。
恐怖のあまり着座から腰を抜かすこと数回。筏の上で狼狽する様は見せられたものではない。
まるで自分のテリトリーだと言わんばかりに間隔を置いて何度となくだから始末におえない。何気ないトンボですら視界に入る浮羽虫とあらば蜂ではないかと都度肝を冷やし全く釣りにならない。
コマセの濃さ故の甘い香りなのか自身の放つフェロモンなのか誘発の原因は解らない。
丁度潮の替りっぱな。
先ず一枚を釣るならの潮時にあって、丁度沖での作業を終えた親船が戻ってくるのを見て大きく手を振り辛うじて釣座足元だけは洗い流し道具立てもそのままに船に乗り込み退散。
他の筏に移る事も一考したが大した距離でもなし、また同じ事になるだろうからと諦めた。
時間はまだ9時を回ったばかり。
一時期、足が遠のいたとはいえ足かけ10年、富浦では初めての経験だ。

すごすごと帰宅し件の蜂の種類を特定すべくネットで散見。
前項では熊蜂と記したが訂正させて頂く。捕獲して個体を調べた訳ではないが、目の前に現れた蜂の体色特徴からいって茶色アシナガ蜂と思われる。蜂の中でもアシナガ蜂類は攻撃的で知られる。刺されたりしたものなら面倒なことになる。
丁度秋口は春に次いで大量発生すると記されてもいる。
どうか皆様に於かれましても折角来たのだからと魚を後追いせず危険を感じたなら速やかに退散する事を勧めます。
それにしても、2回続けてのこの不完全燃焼の行き場はどこに。

君の名は

2019年09月02日 | 日記


先週の九州地方を襲った集中豪雨。胸を痛め暗澹たる気分に被害を受けた方々に慎んでお見舞い申し上げる次第です。



他方、先週は時化続きの一週間で富浦はもとい、湾奥すら竿出しも叶わない、行く当てもなく彷徨う思いを愛息の夏休最終週と言う事もあり二人で、はたまた家族でとお茶を濁す。
ようやく海が落ち着きそうな1日の日曜日に予定を立てていたが客も多いと聞き止めた。

波予報はこれ以上ない凪。
しかしながら夢見も悪くうなされる様に目が覚める。起き抜けにPCを開き夢判断を検索し件の夢を照らし合わせると何とも合点のいく内容に、釣行当日のいつものルーティンもどことなくぎこちなく心もとない。
あまり気にする事はないさと思えば思う程にだから一瞬今日の釣りを止めようか頭をかすめるのを振り払う様に家を出た。
車に乗り込み携帯を忘れた事に気づき取りに戻る案の定。とはいえ釣り場を目指す性。



港に着き堤防の貼り紙に毎年ながらの季節の移ろいを随分と高くなった空に重ね合せる。









この10年近く山下爺と共に港を預かってきた高山さんも漁協組合を勤め上げ8月一杯でご退任との事だが今日は何やらヘルプでご登場。
最後の舵取りと思うと寂しくもある。





今日は、満潮が6時半~干潮が正午の後中潮。水色は悪くない。今日は所用もありソコリまでの釣り。
昼には迎えの船も頼んである。
春潮もそうだが秋のそれも潮回りからいっても時間が経てば私の拙い腕では手の付けられない程に潮が行き出す前に何とか魚を出したかった。
釣り始めから小一時間は魚っ気もあまり感じられない。どんよりとした二枚潮はいつもの事。
そんな時から何やら不気味な羽音に気づき振り返ればデカい熊蜂に筏の上で一人狼狽、こんなのに刺されたらたまったものではない。
払おうにも下手にやるとかえって危ない。別段、蜂が好む色の服を着用している訳でもなし、香水を付けていた訳でもないが、何が気にいったのかその後も何度も何度も現われその度に釣りどころではなくなる怖い思いに折角目の前の海に集中している神経がすり減る。



9時を回る頃からゆったりと潮が噛みあい雰囲気も良く感じた矢先、生簀周りに付けたカセ船の釣り師のやり取りが遠望できる。
そろそろの目論みもアテが外れたのか流し方も的外れなのか次第に強さを増していく早い潮に、それでも磯フカセの要領で流し込む釣り、ラインストックいっぱいまで流す釣り、感度の良すぎる00穂先から張りのある穂先へと、ライン号数含め道具立ても3度程組み直す。
水中にある空のスカリも潮流の強さでほぼ真横にたなびく始末に珍しく5号錘まで背負わせた仕掛けやらあの手この手時間のある限り尽くしてみるも答えを出せなかった。
迎えの船が来る時間だ。後片付けをしている時にまたも熊蜂が現れ逃げまどう。
本当に怖い思いだけした半日だった。

日曜日の事。
生簀周りに付けたカセ船で今日と同じようなシチュエーションの中にあっても他の釣り人を尻目に良型ばかり6枚獲った釣人がいたそうだ。
速い潮を、それも0フカセ中心に攻め込んだ結果。
いつ何時、どこの釣り場にもこういったテクニシャン、名人はいるものだ。
もしこれをご覧になられている御方であれば尚更。是非お会いした際にはお声掛け頂ければ幸い。
あの急潮の攻略方法を是非ともご教授頂きたいと思っている。

持つべきは

2019年08月22日 | 日記



待ち合わせ場所に向かう車窓から見やる西の空は初秋。
気がつけば随分と空も高くなった。





釣友「アカレンジャー」さんとの会合は、いつもこの店。
久しぶりに盃を交わし(彼は一切酒は口にしないが)舌鋒宜しく縦横無尽。釣りの事、富浦の事、公私に渡り大いに語り呑み実に有意義な時間。
楽しかったなぁ。