A4一枚、テーマ3つの「理事会だより」の薦め | 廣田信子のブログ

廣田信子のブログ

マンションコミュニティ研究会、MSC㈱代表廣田信子より
日々のマンション生活やお仕事に、また人生にちょっとプラスになるストーリーをお届けしています。
一人ひとりが自分らしく活躍しながら、力を合わせることで豊かに暮らす、新しいコミュニティ型社会を目指して・・・

こんにちは! 廣田信子です。

 

理事会の情報公開は、

合意形成できる管理組合運営に欠かせない

 

という趣旨の話をいつもするので、

 

このところ、

理事会が情報公開しないという不満を持つ方から

質問を受けることが続きました。

 

 

話を聞いていて、

「情報公開」とはどういうことなのか、

 

マンションでの実情も、

それに対する感じ方も様々だと

改めて感じました。

 

 

重要なのは、

今、理事会でどのようなことが話し合われているか…を

常に組合員にオープンにすることです。

 

管理規約では、

理事会議事録の閲覧は一定の条件のもと、

組合員等に認められているのですが、

 

議事録の配布、広報等については、特に規定がありません。

 

ですから、

規約上は、

議事録の配布、広報の義務はなく、

 

未だに、議事録は、

どうしても見たいという人に閲覧させるだけで、

 

議事録の配布も、「理事会だより」のような形での広報も

いっさい行っていないマンションもあるのです。

 

その閲覧に関しても、

議事録がまだできていない…といって、

2カ月、3カ月引っ張ることもあるのです。

 

その間に、どんどん理事会主導でものごとが進んでしまいます。

 

これでは、理事会が、都合が悪い情報を隠して、

自分たちだけで話を進めていると疑われてもしかたがありません。

 

で、議事録を作成するのも、広報するのも

本来、理事会の役割ですが、

管理会社に対する不満・不信として語られることも

今だに多いのです。

 

先日も、

理事会の議事録が、終了後2カ月、3カ月もたって配布される。

これは管理会社の怠慢じゃないか。

何か都合が悪いことを隠しているんじゃないか…。

 

という質問がありました。

 

この管理組合では、理事会議事録の文面は管理会社が作って

それに、理事が署名捺印して、

コピーを全戸に配するのが習慣なのです。

 

自立した管理組合から見ると、

 

それは、本来理事会が主体的にするべきことで

管理会社任せなのがそもそもおかしい…

と思われるでしょうが、

 

まだまだ

理事会運営のほとんどを管理会社に任せていて、

それが当たり前と思っている管理組合も多いのです。

 

それでも、

理事会議事録を全戸配布しているというのはよい方です。

 

でも、それが2・3月後というは

あまりに遅すぎます。

 

議事録配布が遅れている理由はいろいろ考えられます。

 

1.管理会社の担当者の仕事が遅れている。

 

2.管理会社の担当者が今回は理事会に出席していなかったので、

  理事が作成しなければならないが、それが遅れている。

 

3.議事録の内容について、管理会社、出席理事の間で

  見解の相違があって、最終議事録がまとまらない。

 

4.署名理事が出張等でなかなか署名捺印がそろわない。

 

5.議事録はできているが、内容に公開していいか微妙なところがあり

  コピー配布がおくれている。

 

6.理事会と管理会社で進めていること(発注等)に関して

  組合員に突っ込まれると面倒なので、意図的に遅らせている。

 

…等々です

 

実は怠慢や事情の積み重ねで遅れていることも多いのですが、

質問者は、6.を疑っているのです。

 

この不信感が積み重なると、

管理組合運営にも、管理会社との関係にも大きなマイナスです。

ぜひ、このことに早く気づいてもらいたいと思います。

 

ある管理会社の方に社内ルールを聞くと、

理事会終了後3週間以内には議事録を完成するようにといっている…と。

 

理事会の内容を、すぐに報告書にまとめて報告する義務がある

管理会社も多いと思います。

 

理事会で何が話し合われ何が決まったかは

管理会社にとっても重要な情報ですから。

 

理事会議事録の作成に関するスケジュール管理は、

一担当者レベルの問題ではなく

管理会社としても重要なもののはずです。

 

月1回定期理事会があるとして、

次の理事会の1週間前までには、署名捺印入りの議事録ができていて、

その内容が、理事(欠席の理事もいますから)はもちろん

住民にも伝わっている…

というのは常識的で重要なことだと思います。

 

住民が知りたいのは、

どのようなことが理事会で話合わせているか

…だと思います。

 

ですから議事録の配布にこだわらず、

「理事会だより」というような広報形式をとる方が

むしろいいのではと思っています。

 

何が正式に決議されたかを記録に残す議事録とはちがって

「理事会だより」では、大事なことを分かりやすく、

スピーディに伝えることができます。

 

大型マンションでは

きちんと広報紙を発行しているところも多いでしょうが、

そんなに時間をかけてつくった

きちんとしたものでなくてもいいのです。

 

決議の結果というより、

執行機関として今どのようなことを行っているかを

知らせることが大事なのです。

 

ですから、

「理事会だより」に書くのは、

結果以外の経過や今後の予定も含めて

主なテーマを3つぐらいに絞っていいと思います。

 

例えば…

 

台風被害があった直後の理事会では、

 

台風24号で、北側の自転車置き場の屋根が一部破損しました。

修理をする方向で、見積を複数社に依頼していますが、

工事業者に依頼が殺到しているため時間がかかっています。

ご不便をおかけしますがもうしばらくお待ちください。

 

というような内容が、理事会直後に配布又は掲示されれば、

 

そうか、ちゃんと理事会は動いているんだな…

台風被害を受けたところが多いから時間がかかるのは致し方ないな…

とみんなが納得します。

 

それが、2カ月たって、ようやく修理が終わってから、

正式な議事録が配布されてもあまり意味がありません。

 

議事録となると、何を残すか、結果はどうだったか、

明確に書かなければならないので、

表現方法等で見解がわかれたりすると、

最終的なものができるのに時間がかかります。

 

また、議事録配布となると、

議事録の中には細かい情報もありますから、

その内容に個人のプライバシー侵害がないか、

つっこまれるところはないか等神経を使うので、

なかなか配布できないということにもなります。

 

ですから、大事なことを、スピーディに

「理事会だより」という形で伝えることの方が、

 

居住者のニーズにも添いますし、

理事会・管理会社への信頼感にもつながると思うのです。

 

その信頼が、合意形成の大きな助けになります。

 

管理会社も、社内報告書をすぐまとめるのですから、

それを少し加工すれば、すぐに速報版はつくれると思います。

 

あまり吟味して時間をかける必要はないのです。

 

A4一枚に、テーマ3つ、

12ポイントで行間を開けて分かりやすく…

 

と私はいつも言っています。

 

それでも、2か月後に目にする議事録よりは、

よほど伝えたいことがタイムリーに伝わると思います。

 

あまり手間をかけずに、

でも大事なことは常にオープンにする理事会運営のためには、

いろいろ工夫の余地があると思います。

 

管理会社に依頼している部分が多い管理組合は、

管理会社とぜひ話し合ってみてください。

 

 

私も、ブログだから毎日書けるけど、

活字として出版される文章は、同じような内容でも、

吟味に時間がかかってなかなか完成しません。

 

不完全なところはあったとしても、

情報を伝えたい…という目的のためには、

その回数やスピードが大事だと思って、

ブログを発信しています。

 

理事会の情報公開にも

同じことが言えるのではないでしょうか。

 

 

---------------------------------------

ランキングに参加しています。
クリックしていただけると励みになります!



マンション管理 ブログランキングへ

にほんブログ村 住まいブログ マンション管理へ
にほんブログ村

---------------------------------------
Facebookでもお届けしています!
→ Facebook