そして誰もいなくなった… | 廣田信子のブログ

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マンションコミュニティ研究会、MSC㈱代表廣田信子より
日々のマンション生活やお仕事に、また人生にちょっとプラスになるストーリーをお届けしています。
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こんにちは! 廣田信子です。

 

高経年の小規模マンションの相続放棄が

かなり深刻になってきました。

 

区分所有者は、

もうこのマンションはいらないと

所有権を放棄することはできません。

 

所有者には権利だけでなく義務も付随します。

 

管理不全の小規模高経年マンション…

人材もお金もなく、再生の糸口がつかめません。

 

区分所有者は全員高齢で、

空室のままにして施設に入っている方もいます。

 

区分所有者が亡くなると、

親族が相続するわけですが、

 

すでに負の遺産化しているマンションを相続するのは、

ババを引くようなものと

相続放棄されるケースが増えています。

 

相続放棄されると所有者がいなくなってしまいます。

そうすると、管理費等を払う人がいません。

 

相続人がいない財産は国庫に入るのですが、

物納できるわけじゃなくお金に変えなくてはなりませんし、

国が管理費等を払ってくれる訳でもありません。

 

最後は、管理組合で、裁判所に

相続財産管理人の選定審判の申し立てをして

弁護士等を相続財産管理人に選任してもらい

財産の清算作業をしてもらわなければなりません。

 

管理組合は逃げるわけにはいかないのです。

でも、それには面倒な手続きと数十万の費用負担が生じます。

 

そんなことをしても、

誰もマンションを競落しない場合もあるのです。

 

ほとんど管理組合が機能していない小規模マンションで、

そんな面倒なことを誰もしません。

 

滞納がどんどん積み重なっていくだけです。

 

8戸のマンションで、3戸が相続放棄されたら、

残った5戸の高齢の区分所有者がその責任を負うのです。

 

そして、その5戸も…

区分所有者が亡くなる度に相続放棄され、

ひとり、ひとりと区分所有者が消えていき、

最後のひとりが亡くなったとき…

そのマンションは所有者がいないマンションに…。

 

最近の相談を聞いていると、

そんなことも、現実に起こってくるだろうと、

先日話題になりました。

 

所有者が誰もいなくなったマンションは国のもの。

じゃあ、国が、費用負担して解体・清算をしてくれるだろうか。

 

土地の価値が解体費用を下回るケースが少なくないので、

(だから、相続放棄されるし、誰も競落しない…)

国はどうするんだろう。

 

相続放棄は、すべての財産を放棄しなければならないから

管理不全マンション以外の資産をじょうずに子供に移行し、

負の遺産だけ放棄する方法を

指南するビジネスが出てきそう。

 

…と、答えのない議論になりました。

 

何だか、壮絶なババ抜きゲームが始まりそうです。

最後は…そして誰もいなくなった…です。

 

 

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